CALL FOR YOU TO SAVE ME
1階で爆発音が聞こえてから数分後。
あちらこちらで悲鳴が聞こえてくる中、同じフロアを見渡してもいるのは女子生徒ばかりだった。
呆然としている俺たちをよそに、今一番知りたかった情報をくれたのは、壁に取り付けられた一台のスピーカーだった。
『緊急事態発生!緊急事態発生!断罪派と思われる集団による、襲撃を確認しました。防衛隊の出動を要請中です。避難を優先してください。繰り返します……』
な、何が起きているんだ?断罪派ってあの暴力集団か?なんでここに?
混乱する俺とは対照的に、和葉はしっかりと指揮を執ってくれる。
「しっかりして翔くん!今から防衛隊を呼んでも間に合わないわ。それよりも六魔の方が早いわ!」
防衛隊とは、反学園生徒の集団である断罪派を取り締まる機関のことだ。わかりやすく言えば、治安を守る警察に近いかもしれない。
「なあ、和葉さん。どうし断罪派の奴らがここにいるんだ?」
「知らないわよ。それよりも敵がもう来るみたいね。私が相手するから、大輝くんにでも電話してくれる?」
そう和葉が言うや否や、複数の足音がこっちに近づいてくるのが聞こえた。
「おい!この階も早く制圧しろ!」
「邪魔なもんは殺せ!」
「早くあのクソ女を見つけろ!」
「必ずどっかにいるはずなんだ!」
奴らが断罪派の一員か?なんか誰かを捜しているみたいなんだが……。
「明日香、行くぞ!安全な場所へ!」
「……は、はいっ!」
俺は携帯電話を片手に開き、もう片方の手で明日香の手を握ると、和葉から離れていく。
少し離れたところで、明日香は話しかけてきた。
「和葉お姉様は大丈夫でしょうか?」
「ああ見えても相当強いから大丈夫だよ」
いつもは気が抜けているんじゃないかって思える感じだが、本気出したときの和葉は鬼感が出るので、見ない方がオススメです。
そして先程からコールしていた電話が繋がる。
「どしたぁ?今日は遊べないぞ?」
「緊急事態だ。説明は後でする」
「わかったすぐ行く。場所は?」
俺の急なお願いでも、二つ返事で了承してくれる大輝。
こんな時のもうひとりもけっこう当てになるんだからな。




