間違ったルートは間違い続ける
水着ショップを出た俺たちは、二階の一角にあるカフェに着ていた。
「お兄様。私はこのシナモン入りカプチーノが飲みたいです。」
「あ。私はぁ、こっちの抹茶クリームフラペチーノが飲みたいわぁ。買ってきて翔くん」
一人増えているのは気のせいではないだろうか。いや、気のせいだと思いたい。
俺は今、明日香と和葉に囲まれて珈琲を飲んでいた。ちなみに自分で買ってきたんだからな?だから、二人にも自分で買ってくるように言ってるんだが、なぜか俺にたかってくる。
「あぁ、どこで間違えたんだろ」
「翔くん。誰にだって間違いはあるものなの。だけどその後どう対処するかが重要なのよぉ?」
……うるさいですよ、和葉さん。
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明日香が試着を始めてそこそこ時間が経った頃。
最初は割と真面目に感想を言っていた俺だったが、人が増えるにつれて、俺の反応は鈍さを増していった。
てか今思えば、妹の水着姿を見てガチの感想を言う兄ってだいぶヤバいんじゃないか……。
「お兄様、これはどうですか?」
「んん?いいんじゃないか」
一人思索に耽っていたせいか、明日香の問いかけに無意識的に肯定的な意見を言ってしまう。
違うことに頭が働いている時って、人間さっきまでと同じ反応を無意識で返してしまうらしいが、この時ばかりはタイミングが悪すぎた。
なぜなら、ちょうど入店してきた客に目をとられてしまい、その上その客が和葉だったのだから。
俺たちをめざとく見つけた和葉から、
「実の妹に水着着せて、なに愉しんでるのよ!翔くん!」
とか言われて、1時間ほどのお説教をいただきました。散々だな、おい……。
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日曜日の昼近くということもあってか、お店は水を得た魚のように忙しさをましていく。
こんなんだから日曜日は出かけたくなかったんだよなぁ。それよか、
「どーして明日香ちゃんとデートしていたのぉ?私と約束したばかりよねぇ?」
どうしたらこの地獄の問答から抜け出せますかね?誰か助けてください。
「ねぇ翔く……」
和葉が言いかけたとき、下から大きな爆発音が聞こえてきた。
「「「!!?」」」
そして誰も予測していなかった惨劇の序章がここから始まるのだった。




