Gの名を持つたち
* *
一つのテーブルを囲むようにして、男女四人が椅子に座っている。
どこかの建物の一室らしいが、その部屋に置いてある家具などないに等しい。
あるのは部屋の上部に取り付けられた小さな豆電球くらいか。
僅かな光が互いの顔を照らそうとするも、四人とも黒いフードを被っているせいで、人相を把握することなどできそうになかった。
誰かが口を開く。
「G3。黒崎翔太から異能を奪ったみたいだね。どんな感じなんだい?使ってみたかい?」
「なんで貴様がそれを知っているんだ、G1」
『G1』と呼ばれた少年は指を鳴らした。
パチンとあたりに響くも、やがてその部屋は静寂を取り戻す。
「僕の予想は絶対に外れないからね」
「未来視という奴か?」
「うーん。ちょっと違うかもね」
「早く本題に入ってちょーだい、G1。なんのために私達を集めたの?」
「…………ん」
黙っていた二人の少女が口を開いた。
否。
一人は一音発しただけだが。
『G1』と呼ばれた少年は、少女たちの軽いいらだちをアハハと笑って流してみせた。
「そうだね。じゃあ雑談はここまでにしようかG3」
「貴様の一人しゃべりだっただろうが」
『G3』と呼ばれた少年が今度は不機嫌そうに鼻を鳴らした。
「さて。今回の任務は『黒崎翔太の現在の強さ』を測ることだ」
「なーんのためよ?」
と少女が言う。
「彼は後々大会で邪魔になるんだ。そのためにG3に異能を奪ってもらうはずだった」
「はずだった?」
「失敗したんだよね?G3」
『G1』と呼ばれた少年は、目線を送る。
「……くっ!黙れG1!半分は奪っただろうが」
『G3』と呼ばれた少年は、かなりいらだった様子で舌打ちをする。
「それも知ってるよ。とにかく彼は今日『WYCON』に行くはずだ」
「黒崎翔太って子は男でしょ?あそこは女の子向けの建物なのよ?」
「おそらく連れがいるんだろうね。うーん。二人かな?そして、そのうちの一人はかなり強い。」
「ちっ……。また『未来視』か……」
『G3』と呼ばれた少年は不機嫌そうに言った。
「だから違うって。とりあえず、作戦には断罪派を利用してくれ。彼らに暴動を起こさせてくれば十分なはずだ。G2は転移の準備を。健闘を祈ってるよ」
「…………ん。りょーかい……」
『G2』と呼ばれた少女はおもむろに立ち上がると、スーーっとどこかへ消えていった。
「G2一人だけか?」
「心配ならG3も行っていいけど?」
「ならアタシが行くわ。ちょっと黒崎って子に興味あるの」
「気をつけてね、G4」
『G4』と呼ばれた少女も続くかのように、部屋から出て行った。
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