休みとはいったいなんなりや
長かった一週間も終わり、土曜日を迎えた。
唐突だが、土曜日って最高だよな?特別しなければならないことがないから、気の向くままに惰眠を貪ることができる。
え?日曜日はダメだぞ?
日曜日も特別しなければならないことがないのは変わりないが、『明日からまた学校かぁ』ってなるからな。
あれはまじで憂鬱。てか、明日じゃねぇか。
だから俺が思うには、『明日もまた休みかぁ』って思える土曜日の方が最高だね。
本当、『土曜日』という制度を考えた人には、ノーベル平和賞が与えられるべきだと思います。
それなのに。
いつもなら昼まで寝て、だらだらと一日を過ごすはずだったのに。
なぜか俺は今、学園内の繁華街に来ている。妹の、明日香とともに。
昨日の和葉との電話の疲れも取れていないのに、朝早くから明日香に無理やり起こされたせいで、いっそう怠さが増していた。
はぁ。帰って二度寝がしたい。
「女の子とのデート中にため息はやめてくださいな、お兄様」
俺を諫めるかのように、人差し指をピンと伸ばし、俺の前を歩いていた明日香は振り返った。
どうやら俺のため息が聞こえていたらしい。
というか、これはデートだったのか?デートってお互いの合意があって初めて成立するもんじゃないのか?
こちとら半強制的に連れてこられたうえに、これから行く目的地すら知らないのだが。
「もうすぐ着くので、頑張ってくださいお兄様」
と、明日香は再び前を向く。
右腕につけていた腕時計をチラリと確認する。8時を少し回ったところだ。
こんな時間から店は開いてるのかね?いや、行ったことないから知らないけども。
今俺たちが歩いている通りはアミューズメント系の施設があるのではなく、服や小物、雑貨類を扱った女の子向けの建物が多い。
まあ、要するに俺には無縁のところなんですね。
頭の中でどうでもいいことを考えていると、自然と明日香に置いて行かれそうになる。
ヤベー。今、置いて行かれると、確実に俺は迷子だな。
だって初めて来たんだから仕方ないだろ?
「着きました♡」
そんな一言と共に、明日香は立ち止まった。
お。やっとか。
黙々と歩を進めて十数分。電車で来ればよかったのに。無駄に疲れただけじゃねぇか。
見上げるとそこにはけっこう大きなデパートが。
近くにある看板の一つを見ても、外国語しか書かれていない。
おっかしいなぁ。いつの間にか日本を出ていたみたいだ。
『WYCOM』
………読めねー。
そんな俺の困っている様子を察したのか、
「ここの4階が水着を売っているお店なんです」
と明日香が教えてくれる。
ふーん。なるほどね。
…………。
…………へ?水着?
そろそろデカい事件でも起こしたい。なんてね。




