CALL FOR YOU TO FIGHT ①
午後十時を少し回った頃。
俺は机に座って勉強するわけでもなく、ベッドに寝転がってテレビを見るわけでもなく、携帯の画面とにらめっこを繰り広げていた。
かれこれ三十分経過する。
ちなみにゲームをしてわけでもない。
「はぁ……」
もう何度目かも分からないため息がもれた。
ブルーライトの光を放つ画面が示すのは一人の連絡先。
『水無和葉 《お姉ちゃん♡》』
別に今から告白するわけでもないので悪しからず。
ちなみに《お姉ちゃん》と表示されているのは、俺が設定したんじゃないぞ?
俺が携帯を親父に買ってもらった当初、和葉が勝手に操作したのだ。ご丁寧にハートマークまで追加されていたのには、びっくりしたどころか恐怖を感じたね。
それはそうと、この異質な状況を作り出した原因を説明しないとな。
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大輝に武術の封印を解いてもらった俺は、オルガから異能を取り返す計画を本気で考えていた。
あの話の流れだと、俺と如月が組むのは必至だろう。
もし断ったら氷付けにでもされそうで、怖すぎて言えない。
それに下手に知らない奴と組むよりは、一度決闘して互いの異能を知っている方が有利なはずだ。……と思いたい。
ペア戦である以上、俺と如月のチームワークが重要なのは言うまでもないが、そこまで俺たちはまだ信頼できていない気がするんだ。主に、如月が俺のことを。
大会前にペア戦形式で大輝たちと練習するとしても、まず俺の実力が追いついていないはずだ。
いくら武術が戻ったとはいえ、一年以上のブランクが存在する。
それに武術だけでごり押しするわけにもいかないので、今ある『具現化』で充分に戦えるようにしたい。
そして、今まで『具現化』で使用してきた戦闘スタイルは、――――――――――剣術。
というわけで、本格的に和葉に弟子入りしようと思い至ったわけだ。
そして俺は決意を込めてコールボタンを押した。




