危険と書いてピンチと呼ぶ
オルガが謎の少女と共に何処かへ消えた数十分後、俺たちは再び席について先の話へと振り返っていた。
「おい、何がどうなってんだよ?まったく分かんないぞ」
そんな不満そのものの俺に、
「待て。順を追って話すから」
と、極めて冷静に大輝は返してきた。
「さっき……俺と如月がお前を助けなかった……いや、助けられなかったのは、奴の異能を警戒したからだ」
「あいつの異能?」
「『略奪』。アイツは見た異能を奪うことができるの。まあ一度に一個らしいけど」
そんな如月のありがたい解説で少し分かった気がする。つまり大輝と如月はオルガに異能を奪われることを危惧して使わなかったのか……。
それであの時、大輝が「異能を使うな!」って言ったのか。でも、待てよ……?
「あの時俺の『具現化』が発動しなかったのはなんでなんだ?」
「それが本題だ、翔太」
まるで苦虫をかみつぶしたような表情を浮かべた大輝は、
「おそらく奴は翔太の異能『具現化』を半分だけ持って行ったはずだ」
「は、半分?」
「私が異能を発現した時、オルガは途中であんたから手を離したでしょ?本人も半分しか獲れなかった、みたいなことを言ってたもの」
「はあぁぁ~!?ま、マジで俺の異能獲られたのか?」
それはヤバいぞ。しゃれにならない。もしかしたら退学処分もあり得るレベルの話だ……。
「半分だって言ったろ?おそらくお前の異能はまだ残ってる。だが、何らかの制限はついてるはずだ。具現化できるものの数とか、ソイツの精度とかな」
な、なんてこった……。
今すぐにでも取り替えさねぇと!!




