こんなはずじゃなかったのに
「用があるとすれば貴様だ、黒崎」
オルガはなぜか俺に指を向けてきた。
「え?俺?」
「一般生徒の分際で、仮にも六魔であるこの女を倒したのだからな。こいつはそこそこ実力もある。そこでだ。貴様の異能に興味が湧いた」
だから奪わせてもらう―――――――。
言い終わらないうちに、オルガはいきなり俺の首を掴み、持ち上げてきた。
「うぐっ……!!………………ぁ!?」
一見して細身の体のどこにこんな力があるのか、オルガは想像以上の力で締め上げてくる。
クソ!俺の武術でも外せないなんてどうなってやがる!?
いくら封じられているとはいえ、防御ぐらいはできるはずなのに……。
「…………ぉ前ら!……た、助けてくれ!」
なんとか声を絞り出し二人に助けを求めるが、返ってくる答えは無情にも、
「それはできない……」
「ごめん黒崎。動けないわ」
なんでだよ!そう叫ぼうとしたが声は出ない。こうなったら、『具現化』で……!!
「早く解いてみろよ。自慢の異能でな」
そうオルガが言ったとき、大輝が叫んだ。
「おい翔太!絶対に異能は使うなよ!!」
既に時遅く。
俺の能力発動は止まることなく、手が光り始め―――――――
―――――――たかと思うと、その光はオルガの右手へと吸い込まれていく。
…………ぁ?どうなってやがる!?
「クソ、遅かったか!!」
ヤ、ヤバい……。もう息も持たない……。
誰か、誰か助けてくれ……。
俺の意識が消えかけたその時。
「異能『凍結』発動!!」
久しぶりに聞いたその言葉は、今度は俺を助けてくれた。
如月の異能を警戒してか、オルガは俺の首から手を離し、バッと距離を取った。
「邪魔しやがって……!!半分しか取れなかったか……」
「おい翔太!大丈夫かッ!?」




