決闘の件はまだ続く
明日香が俺の部屋に(隠れて)住み続けて三日が過ぎた。
当たり前のように寮監にバレて、
当たり前のように(俺が)怒られて、
当たり前のように女子寮へと移っていった。
あ、最後のは言うまでもなく、明日香だからな。
俺が移っていったら、事件だろ……。
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学園の昼休み。
午前中の一般授業を終え、皆は一斉に昼食を取るために動き出す。
机を合わせ持参した弁当を広げる者。
コンビニで買ったパンやおにぎりを取り出す者。
そして、俺達のような購買でパンを買って食べる者。
だが、いつもと違うことが一つ。
いつもなら俺は桜羅と昼食をとるのだが、今日は残念ながら欠席だった。
というわけで、俺はひとり飯へとジョブチェンジ。
……のはずだったが、この楽しみをぶち壊してくれたのはもちろんあの男。
ちっ、なんできちゃったかな~。
そんなこんなで、俺は購買のパンを囓りながら、妹が学園に来たことを大輝に知らせた。
「ふぅん。明日香がねえ」
大輝は俺の妹のことを下の名前で呼ぶ。
まあ明日香は嫌がっていたけど。
『黒崎さんって呼んでください』って言ってたっけな?大輝がそれに対して、『それじゃあ翔太と同じじゃん』って返したら、明日香は押し黙っていた気がする。
てなわけで、そのまま定着したらしい。
俺が美鈴ちゃんを気にかけるように、大輝も明日香のことを気にかける。
そのくらいの関係を俺達兄妹は築いているんじゃないだろうか。所謂相互関係みたいな?
「てか、ずっと気になっていたんだけど」
「何を?」
俺は購買で手に入れたお芋パンを囓る。
このパン不味いわけでもないのに、いつも売れ残っているんだよな。挙げ句の果てに、購入する生徒が少ないのか、顔まで覚えられる始末。
なんで行っただけで、お芋パンあるよーって言われなくちゃならないんだよ……。
「決闘って翔太の勝ちだっただろ?『お願い』の件はどうなったんだ?」
あ。
大きく開けた口からお芋がこぼれる。
お芋がころりんすっとんとんお芋がころりんすっとんとん。
ってこれはおむすびでした。
俺はその開いた口のまま思いっきり叫んだ。
「忘れてたあああぁぁぁ―――!!!!?」
「放課後までに如月捕まえとくよ」
そんな大輝の優しい一言が俺の耳に残った。




