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62話「決闘トーナメント第2予選 ⓪」

お久しぶりです。

 黄色グループが瞬時に終わったことによって予定が大幅に狂い、第2予選の準備が間に合っていないということで準備ができるまで休憩という形となった。


 ハヤトとコリンとアキラの3人は『グリーンフィールド』の近くに『スズラン』で働くチアキ含めたスタッフさん達が出店を開いているらしいので向かおうとしていたのだが、


 「君、うちに入らないか??」


 「何言ってんだ、てめー!俺が先に誘ったんだぞ!!」


 「ねぇ、こんなヤツらよりうちの方がいいよ??」


 「是非、うちのパーティーへ!!」


 「私のところだったら安心よ!!女の子しか居ないし!!」


 「君の戦術………とても素晴らしかった。うちのとこに来て欲しい」


 「コリンたん………うひひ」


 数多くの人間が、コリンに声を掛けていた。第1予選であれだけ活躍したのならば、当然の話であろう。しかし、こういうことには慣れていないのか、コリンは戸惑いの表情をしている。


 「流石、コリンちゃんね………」


 「モテモテだな、コリン。」


 「からかうのはやめてくださいよ………。師匠、助けてください」


 ハヤトがぼそっと呟くと、どうやら聞こえてたみたいでコリンは頬をふくらませてジト目でハヤトを見つめる。


 「可愛い弟子の頼みならしゃあねぇな」


 「ハヤトくん、何すんの??」


 アキラの問いに何故か無視したハヤトは髪の毛を掻きながら、アイテムボックスから何枚かの紙を取り出す。



 「お前らぁよく聞け!!ここにマーガルギルドSランク3位の冒険者、アキラさんのプロマイドがある!!もちろん、隠し撮りしたやつだから世界で1枚しかないやつだ!!」



 「なっ!?」




 「「「「「!!!???」」」」




 無表情でハヤトがそう言うと、コリンを誘っていた連中は全員ハヤトの方を向き、プロマイドを見た瞬間に驚愕の反応を見せる。アキラは「いつの間に!?」と言いながら顔を真っ赤にしていた。




 「『寝顔のアキラ』『私服のアキラ』『スライムという雑魚モンスターに対して属性スキルを発動しガチで倒そうとしているアキラ』の3枚だ!!欲しいか??」




 「「「「「欲しいぃぃぃ!!」」」」」





 連中は一斉に声を上げる。それを確認したハヤトはニヤッと頬を緩ます。




 「なら取ってこぉぉぉぉぉぉぉぉい!!」




 「「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」」」



 ハヤトはアキラのプロマイドを遥か彼方へと思っいっきり飛ばすと、連中どもはそれ全力で追いかけに行った。流石は人気の冒険者だ。改めてアキラは人気の冒険者だということを確認した。



 「ちょっとどういうことよ!!説明して!!」



 顔をさらに真っ赤にさせたアキラが半泣き状態でハヤトの胸ぐらを掴み、激しく動かす。


 「だって、しょうがないだろ。コリンも困ってたみたいだし」


 「だからって…………あれ?コリンちゃんは??」


 「え?そこに…………」


 先程までハヤトの傍にいたコリンの姿がなかった。



 「「まさか…………」」



 2人揃って言葉を呟くと、バッと連中どもが向かった方向に目をやる。すると



 「アキラさんのプロマイドアキラさんのプロマイドアキラさんのプロマイドアキラさんのプロマイドアキラさんのプロマイドアキラさんのプロマイドアキラさんのプロマイドアキラさんのプロマイドアキラさんの………………」





 コリンが目を血走って超全力疾走でアキラのプロマイド3枚を回収していた。





 「コリンちゃん!?」



 「あ〜、そう言えば、あいつも相当な冒険者オタクだったの忘れてたわ」



 コリンの姿を見てドン引きするハヤトとアキラであった。



 ♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎


 無事にアキラのプロマイドを回収し、嬉しそうにニコニコしているコリンと合流したハヤトとアキラはようやく『スズラン』と書いてある看板が目立っている出店に到着した。


 「いらっ………、あら、ハヤトくんにアキラさんにコリンちゃん。いらっしゃい」


 出店の方に顔を出しに行くと、店長が両手で酒瓶の籠を抱えながら3人を出迎えてくれた。


 「少し時間できたんで来たよ。注文いいっすか??」


 「もちろんよ。はいこれメニューね」


 店長からメニュー表を受け取り、ハヤトは顎に手を当て考えたあと、すぐに注文する。


 「じゃあ、俺は『マッハコンドルの唐揚げ』と『しゅわしゅわコーラ』で。アキラさんとコリンも何か頼めよ。俺が奢るわ」


 「別にいいわよ。さっきジュース奢ってもらったし。私は『チョコナナメバナナ』のキャラメルトッピング貰えるかしら」


 「私も師匠と同じ『マッハコンドルの唐揚げ』であと冷たいミルクください」


 「はいはーい。ちょっと待っててねー」


 店長はニコニコしながら、そう言って隣にある保温機の中からテキパキと注文された料理とドリンクを皿やジョッキに移す。


 「はい、これ。第1予選勝ち抜いたお祝いで少し多めに入れといたからね」


 「ありがとう、店長。愛してるぜ」


 「私もよ。ハヤトくん♡」


 もちろん、このやり取りは本気ではない。お互いがふざけ合ってやっていることだ。しかし、いつもこの行為をするとハヤトは何故か頬をふくらませてるアキラに足を思いっきり踏まれる。


 「ところで、チアキちゃんは??」


 「店でお留守番よ。なんやかんやで、あっちはあっちで営業してるからね。でも、明日はこっちの方に来るから」


 「そっか。じゃあ、また明日くるよ」


 「えぇ。ハヤトくんも決闘トーナメント頑張ってね」


 「おう」


 店長と会話を終えたハヤト達は隣のベンチでむしゃむしゃと買った唐揚げを頬張っていた。


 「第2予選はどういうルールで来るんだろうな??」


 ハヤトは唐揚げを頬張りながらアキラに聞いてみる。


 「第1予選が、ジャングル内でバトルロワイヤルだったけど、今度は違うのかしら」


 「さぁ………。あの爺さんが考えることだ。想像がつかないね」


 「それは同感ね…………。そろそろ会場戻ろっか」


 「おう。コリンも食べ終わったか??」


 「はい。」


 ハヤト達3人はベンチから腰を上げ、会場の方へと戻ろうとした時



 「だぁかぁらぁ!!私は唐揚げ喰いたいって言ってんの!!早く出せよ!!」


 「ご、ごめんね。唐揚げは今揚げてるからもう少しだけ時間かかるの」


 「あ、アズ!!お店の人が困ってるから………」


 隣………すなわちスズランの方がやけに騒がしかった。どうやら、困った客が来たようだったので、ハヤトとアキラは顔を見合わせ頷き、スズランの方へと駆けつける。


 騒ぎを起こしているのは、コリンと同じ歳ぐらいの水色のショートヘアな少女、アズだった。近くにいる黒髪の少年、ダイルはなんとか騒ぎを抑えようとしているが、少女は言うことを聞かず、ギャーギャー騒いでいた。



 「こらこらこら、お店に迷惑かけちゃダメじゃないの」



 アキラは優しく微笑みながら、アズに話しかける。


 「うるせぇ!!ババァは引っ込んでろ!!」


 「バ、ババァ!?…………うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」


 アズのババァ発言によって心を折られた24歳であるアキラはハヤトの身体にしがみつきながらわんわん泣き始めた。


 「おいコラ、ガキンチョ。一応、この人は24歳だ。少なくともババァじゃねぇ。ロリだ」


 「ロリでもないわよ!!馬鹿ぁ!!」



 「ふんだ!!…………あー!お前は!!」


 「!?」


 アズはコリンの姿を見つけたあと、彼女の側まで駆けつける。


 「お前、赤グループの第1予選で一位通過しただろ!?」


 「え、あ、はい。」


 アズはコリンにビシッと拳を突き刺す。そして、真剣な表情でコリンに目がけて言葉を出す。



 「次は絶対負けねぇからな!!ほら、行くぞダイル!!」



 言葉を出したあと、アズはダイルの腕をつかみ会場の方へ行こうとしていた



 「あわわ、ちょ、皆さん。連れがご迷惑お掛けしまい、すみませんでしたぁ!!」



 ダイルが引きずられながら、ハヤト達に謝罪をしてそのまま姿を消した。姿が見えなくなったあと、コリンはボソッと内心思っていたことを呟いた。



 「第2予選、私出ないんですけど………」



 「コリン、それは言ってはいけないお約束だ。」



 そう言ったあと、俺達は苦笑いをし、未だにわんわん泣いているアキラの機嫌を取り戻しているうちに第2予選の準備が出来たという連絡が届いた。

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