46話 チアキとデート 本編
「お腹いっぱいになりましたね」
満足した顔でチアキはぽこっと出たお腹を揺すりながらレストランをハヤトと共に出た。ハヤトも無表情ながらも満足したように見える。
「確かに、美味かった。また、来ようかな」
「はい!!また一緒に行きましょう!!」
「おう!!」
そう言って、ハヤトとチアキは指切りをして約束をした。この時、チアキはまたハヤトとデートをすることが出来ると思い、胸が熱くなった。
「次はどこ行く??」
「この辺をぶらぶらしたいです」
チアキが目を輝かせながら答える。それに対し、ハヤトは目を丸くして
「そんなんでいいのか??」
「そんなんでいいんです!!」
チアキの言葉にハヤトは頬をポリポリと掻きながら、チアキの案を了承し、2人で並んで特に目的場所も決めず、ただ歩き出した。
チアキにとって、隣にハヤトがいるだけで幸せな気分であった。世間話しながら、適当にぶらぶらして、何か気になる場所があったら2人で寄って楽しむ。そんな時間をチアキは過ごしたいと思っていた。
30分ぐらい、ぶらぶらしたあと、大きい広場が見えてきていた。
「へぇー、ここにこんな広場があったなんて知らなかった」
チアキが興味深そうに呟いていた。
「面白そうだし、行ってみるか」
「はい!!」
ハヤトとチアキは見つけた大きい広場の中へと入る。広場では、子供たちがわいわいと遊び、それを見守る保護者、のんびりしながら日光浴を楽しむお爺さんお婆さんに、芝生に座って楽しそうに喋ってるカップルなどがいた。
ハヤトとチアキは会話したり、風景を楽しみながら広場をぐるっと歩いた後、ベンチに座りひと息ついた。
「はい、チアキちゃん。」
「あ、ありがとうございます!!」
ハヤトは広場の近くにあった店で『しゅわしゅわコーラ』を2本購入し、そのうちの1本をチアキに差し出す。チアキはペコッと頭を下げ、受け取りぐびぐびと飲む。疲れた後の炭酸はやはり最高なのか、おっさんみたいに「くぅぅ〜!!」と喜びの悲鳴を上げた。
「やっぱり、この飲み物美味いな」
ハヤトも無表情ながらも絶賛しながら、ぐびぐびと『しゅわしゅわコーラ』を飲んでいた
「ねぇねぇ、お兄ちゃん、お姉ちゃん!!一緒に遊ぼうよ!!」
突然、何人かの子供たちにハヤトとアキラは声を掛けられた。これは珍しいことではない。この国に住んでいる子供たちは人懐っこい子が多く、よく遊びたいと思った人に声を掛け、一緒に遊んで貰っている事が多い。ハヤトもたまに公園とかでゆっくりしてると子供たちに声を掛けられ、遊んでいることがある。
ハヤトとチアキは互いの顔を見たあと、頷き笑顔でチアキが答える
「いいよ。何して遊ぼうか??」
すると、子供たちが一斉に答える
「冒険者ごっこ!!」
「は?何言ってんだよ、チャンバラごっこに決まってるだろ!?」
「死体ごっこ!!」
「砂遊び!!」
「おままごと!!」
「カードバトル!!」
「うるせー!!せめて、遊びを考えてから誘ってこいや、てめーら!!」
ついに、プチっと堪忍の尾が切れたハヤトは大声で叫ぶ。それのせいで、子供たちがビクッとするが、ハヤトはそれを気にせず、言葉を続ける。
「そもそもこんだけ、人数がおればやる遊びなんて1つしかねぇだろ!!」
「何ですか??」
チアキが気になって、質問するとハヤトはニッと笑い、空に指を指して
「ドロケイだ!!」
ババン!!と効果音が出てそうな感じでハヤトは大声をあげる。
「ドロケイ??」
「あ、もしかしてお前らはケイドロ派だったり??」
「いや、そもそも分かりませんから」
ロケイを分からないチアキと子供たちは首を傾げた。
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「よし!!とりあえず2手にわかれたな??」
チアキと子供たちが「おー」と言う。
「今からルール説明をするぞ。俺、ルル、レオナルド、クルーガの4人は悪いものを捕まえる役、すなわち警察だ。」
ハヤトはビシッと敬礼をする。
「けいさつ??」
「ここで言うと、冒険者みたいなものだな。」
すると、警察側の子供たちは冒険者に憧れているのか、喜びの声をあげる。
「そして、チアキちゃん、ガントン、ナル、シュンスケの4人は逃げる悪党、すなわち泥棒だ。」
「どろぼう??」
「ここで言うと、闇ギルドみたいなものだな」
すると、今度は逆に激しいブーイングが起きた。しかし、ハヤトはそれを見事にスルーする。
「ルールは簡単。この広場の中の範囲で泥棒は警察に捕まらないようにひたすら逃げる。警察に運悪く捕まった泥棒はこの線の中に入れ。一応、これが牢屋代わりになるから」
ハヤトは前もって地面に掘っていたそこそこ大きい長方形の線を子供たちに見せる。
「そして、泥棒たちは捕まってしまった泥棒にタッチすると、捕まっていた泥棒たちは全員、解放されるっていうルールだ。分かったな??」
ルールを説明すると、子供たちは「面白そう!!」と興味津々の声を上げる。
「よし!!じゃあ、10秒数えるから、その間に泥棒たちは逃げろ!!よーい、スタート!!いーち、にぃー、」
ハヤトたちがカウントすると、泥棒役の4人は急いでこの場から離れた。
「きゅー、じゅう!!よし、みんな捕まえろぉー!!」
10まで数え終わり、ハヤトが指示を出すと、警察役の子供たちはダッと走り出した。
ハヤトも泥棒を捕まえようと走り始める。当然、子供相手だと大人気ないのでターネットはただ1人
「やっぱり、そう来ますよね」
チアキはバツの悪そうな表情で、ハヤトを眺める。
「悪いけど、速効で捕まえさせてもらう」
「捕まえれるなら、捕まえてみてくださいよ!!」
ダッとチアキはハヤト相手に走り出す。ハヤトもチアキに向かって走り出した。しかし、ここで意外な事実をハヤトは知ることとなる。
「俺より速いだと!?」
そう、チアキは足が速かった。冒険者の中でトップクラスの速さを誇るハヤトでも追いつけることが出来なかった。
「こう見えて、私、山育ちなんで足の速さだけは自信あるんですよね!!」
チアキはドヤ顔しながらそう言って、どんどんハヤトと距離を離した。
「そう簡単に俺から逃げれると思うなよ!!レオナルド!!ルル!!このお姉さんの道を塞げ!!」
「「了解!!」」
レオナルドと呼ばれた男の子とルルと呼ばれた女の子がチアキの目の前にドン!!と立ちはだかる。
「甘い!!」
チアキはぴょんとジャンプし、バク宙しながら2人を飛び越し、見事に着地し、再び走り出した。
「嘘だろ!!」
ハヤトは目を丸くする。まさか、チアキがここまで身体能力が高いとは思ってもみなかった。
「ヤバイ!!クルーガ!!牢屋を守れ!!」
「おう!!」
子供ながら、そこそこデカいクルーガと呼ばれた男の子がチアキを警戒していた。。因みに、もうチアキ以外の泥棒は捕まっていた。なので、逃げ回るチアキを応援していた。
「てい!!」
「な!?」
チアキは見事なフェイントをぶちかまし、クルーガを翻弄させ、そしてそのまま牢屋に直行した
「タッチ!!」
「「いぇーい!!にっげろー!!」」
一目散に捕まっていた泥棒たちが逃げていった。
「どうですか??ハヤトさん。」
ハァハァと息を上げているチアキがハヤトに言葉を出す。すると、ハヤトも垂れていた汗を腕で拭いながら
「やるねぇ」
と、楽しそうな表情で答えた。
そして、数時間、ハヤト提案のドロケイが大いに盛り上がった。
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「はぁー、疲れたぁ」
「はは、服が泥だらけになっちゃいましたね」
夕方近くまで遊び、子供たちが「バイバーイ」と帰っていき、ハヤトとチアキも泥だらけになりながら来た道に戻っていた。
「今日、楽しかったか??」
ハヤトがチアキに聞くと、チアキは満足した表情で
「はい!!とても!!」
と答える。すると、ハヤトはプッと笑い始めた。
「なんで、笑うんですか!!」
「いや、チアキちゃんって普段ドジなのに運動神経高かったんだなって思って」
「ふっふっふ、私もそれなりに動けますよ!!どうですか??今日の私に惚れましたか??」
「あぁ。もうゾッコンだよ」
「え?」
「え?」
しばらく沈黙が続いた。そして、ボッとチアキの顔が赤くなり、そのまま倒れた。
「なんで!?」
焦ったハヤトは突然、倒れたチアキをお姫様抱っこをして、『スズラン』に向かって走り出した。どうやら、まだ鈍感なハヤトは自分がチアキにとって爆弾発言をしたことに気づいていなかった。
そして、この後、1週間はチアキは不気味にニヤニヤしながら働いていたという。
みなさんのところはドロケイでしたか??それともケイドロ??
あの遊びって本当に楽しいですよね。考えた人、マジ神°˖ ✧◝(○ ヮ ○)◜✧˖ °
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