43話「アキラのツッコミ力は健在でした。」
今日からまじで暑くなるらしいですね!!塩分とかとって熱中症対策しましょう!!
キングオーガのクエストから早2ヶ月が経過した。このクエストの加害者及び闇ギルドの被害者であるチアキは1ヶ月間はギルドで事情聴取をさせられていたが、現在では、今まで通り『スズラン』で働いていた。
キングオーガのクエスト以降、すぐにS会議が開かれ、国の状態や復旧について、そして闇ギルドについて話し合った。その結果、国の復旧が進むまで「決闘トーナメント」は延期とし、引き続き闇ギルドの件はジーナ、リュウ、シュンの3人が調べることとなった。
そして、さらに今回のクエストに関わった冒険者たちのランクや順位が大幅上昇し、なんとAランク冒険者であるフェイ、ギラ、バーンの3名は活躍が認められ、Sランク冒険者に昇格したという。
さらにハヤトもSランクの昇格の話があったのだが、彼はブレることなくその話を断った。それ以降、アキラとフェイの勧誘の行動がヒートアップしたり、何週間かコリンが口を聞いてくれなかったりと色々と面倒くさいことが起きたのがハヤトにとって辛いところだった。
そして、現在でも…………
「ねぇってば!!Sランク冒険者になろうよ!!今がチャンスだって!!」
「ハヤトさん!!私、Sランク冒険者になりましたよ!!一緒にパーティ組みましょうよ!!」
「うるせぇーー!!アンタら食事の間くらい黙って食わせろや!!」
『スズラン』で食事しに来たにも関わず、懲りずにアキラとフェイが勧誘をしていたので、堪忍の緒が切れたハヤトはブチ切れる。
「ったく。せっかく久しぶりにチアキちゃんの作った料理が食えるっていうのによ。」
「ありがとうございます!!」
「うおっ!!びっくりした!!急に現れんなよ!!」
いつの間にか、ハヤトの隣に立っていたチアキがいつものエプロンを身につけてニコニコとして立っていた。右手にキランと刃先が輝いている包丁を持って…………
「ストップストップストップ!!その手に持ってるものは何!?」
「包丁ですよ??」
「素直に言っちゃうんだ!!凄いねぇ!!」
久しぶりにアキラが豪快にチアキにツッコミを入れる。それを見て、フェイが
「チアキさん、包丁の持ち方はもっとこうした方が………」
「おい、そこ!!アドバイスすな!!」
フェイがチアキにナイフの持ち方を教えてるところでさらにアキラが指を指してツッコミを入れた。どうやら、アキラのツッコミ力は健在だったようだ。
「いやぁ、良かった。良かった。」
「君は何を喜んでんの??」
ハヤトは安心そうにうんうんと頷きながら呟くとアキラはジト目で言葉を投げかける。
「あぁ!!ハヤトさん!!いいところに!!」
突然、厨房から『スズラン』の店長が現れ、今まさにアキラに向かって包丁を刺そうとしているチアキを飛び蹴りして吹っ飛ばし、そのままハヤトの所へと駆けつけた。チアキはぽわーんと口から魂が出ようとしていたので、アキラとフェイが必死にその魂を口の中に入れようとしていた。
「いや、店長さん。急いでるからって流石に従業員に飛び蹴りはあかんよ。助けた意味なくなっちゃうよ」
「いいのいいの。私、チアキに貸してあげたアイテムを未だに借りパクされてるからその報いよ………じゃなくて!!」
そして、店長はハヤトに向かって頭を下げる
「お願い!!ハヤトくん!!1時間以内に250人分の材料集めてきてくれる??」
「「「250人分!?」」」
アキラとフェイと復活したチアキが声を揃えて叫ぶ。理由を聞くに、また以前のギルドパーティメンバーが1時間後に『スズラン』に来るそうでその材料を仕入れて欲しいという事だった。
「でも、1時間以内に250人分はちょっと………」
フェイが顔をしかめて答える。
「店長………流石に今回は断った方がいいんじゃないですか??」
チアキがそう答えると、店長は首を横に振る。
「無理よ。前も言ったかもしれないけど、この店が安心して営業できてるのもそのギルドパーティのおかげなの。だから、背くようなことは出来ないのよ」
「もし、出来なかったら??」
「絶対に『スズラン』は潰れるわね。」
「そんな!!」
店長が弱々しく呟くと、チアキは膝を床に付けた。側にいるアキラとフェイも気の毒すぎてかける言葉が見つけられなかった。
「250人分でいいんだな??」
「え?」
ハヤトはチアキが作った料理を口の中に入れ、リスみたいに頬を膨らませながらモグモグとし、ゴクンッと飲み込むと、席を立ち、店から出ようとした。
「ちょ、あなた本気??」
アキラは急いでハヤトの腕をつかむ。すると、ハヤトは「ふんっ!!」と言ってアキラの腕を払う。
「『スズラン』は潰せさせねぇ。ここの料理が食えなくなるぐらいだったらSランク冒険者になった方がマシだ」
「えぇ〜〜〜……………」
アキラはぷくぅと頬を膨らませる。
「店長。今日の俺たちの飯代をチャラにしてくれるなら、そのクエスト、引き受けるよ」
ハヤトが店長にそう言うと、店長は目を丸くして
「本気!?なんなら、今日だけじゃなくて1ヶ月間はタダにしちゃうよ!!」
ハヤトは苦笑いしながら手を振り、
「別にいいよ。じゃ、ちょっくら行ってくるわ」
そう言って、ハヤトが店から出ようとすると、
「待ちなさい。」
「あん?」
アキラとフェイも席を立ち、ハヤトの隣へと行く。
「私たちの分もタダにになるなら、当然、私たちも働かなきゃでしょ」
「ハヤトさん、手伝いしますよ!!」
「アンタら…………」
すると、ハヤトは無表情からニヒッと笑い、
「っしゃあ!!行こう!!」
「「おう!!」」
そう言って、3人は森へと走り出した。
それを見たチアキは
「やっぱり、ハヤトさんは素敵です。」
と、頬を赤色に染まらせながらボソッと呟いた。そして彼女は決心していた。このあと、勇気を出してデートのお誘いをしようと…………
そして、1時間後にハヤトとアキラとフェイは300人分の食材を持ってドヤ顔しながら帰ってきた。
その後、チアキは無事にハヤトにデートのお誘いをすることが出来ました。
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