26話「S会議 終」
「決闘トーナメント??」
「そうじゃ!!このギルドに登録している冒険者達が競い合い、1番を決める大会じゃ!!面白そうじゃろ??」
どうやら、3ヶ月前から、冒険者たち全員で楽しめるイベントとかを開きたいという考えから、この決闘トーナメントという大会を開催する形になったらしい。
「でも、そんなもん、最終的にSランクのあんたらか、Aランクの上位陣の冒険者たちだけの戦いとかになるんじゃないのか??」
「そんことはない。確かに後半は高ランク冒険者だけになるかもしれんが、ワシらが知らないだけで、低ランクの冒険者の中に掘り出し物はいくつかあると思っておる。Fランク冒険者でドラゴンを討伐するほどの実力を持つお前さんみたいにな。もしかしたら、他にもそういう者がいるのではないか、と期待するのも面白いとは思わんか??」
「まぁ、確かに。気持ちは分からんでもないけど」
「うむ、今からはそれについて話しておくぞい。まず、これの担当をしているゆーみんとイオリよ。報告を」
「デュフ、了承でござる。」
「はい、お任せ下さい」
ゆーみんはメガネをカッコをつけてクイッと上げながら席を立ち、イオリはイケメンスマイルをしながら席に立ってゆーみんの側まで移動する。イオリは先程のジーナさん同様、紙を何枚か取り出し、
「まず、前の会議では開催する会場をどうするかという話でしたが、ここ周辺の闘技場に連絡したところ、いくつかの闘技場から貸出のOKを貰いました。ただし、もし何かあった時の場合は全て、こちら側の負担という条件つきですが………」
「問題ない。想定内の範囲じゃ。」
「OK貰った闘技場でどれがいいのか、と僕とゆーみんさんの2人で話し合った結果、開催する場所はここから西の方にある『グリーンフィールド』がいいかと」
イオリの言葉を聞いて、バルバークは「ほう」と呟く
「『グリーンフィールド』だったら、この国のちょうど中心部にありますしな。しかも、この地域では温泉が有名な場所である故に泊まれる宿も多いでござる。大きいイベントをやるなら最適な開催場所でありますな」
ゆーみんはドヤ顔をしながら、説明をする。少しイラッとくるが、内容自体は正論なのでハヤトは黙ることにした。
「よし!!では、開催場所はグリーンフィールドに決定じゃ!!」
Sランクの冒険者たちはこの言葉でパチパチパチと拍手をする。ハヤトも何となく空気を読んで拍手をした。
「次に、決闘トーナメントの予選と本戦の内容についてですが、こちらもゆーみんさんと話し合った結果、予選は決闘のバトルロワイヤル方式という形はどうだろうか、という話になりました」
「バトルロワイヤル方式か……。面白そうではあるが、もしやるとなったら場所が必要にならんか??」
「決闘トーナメントの開催日を2日か3日に分ければ場所は『グリーンフィールド』で十分でしょう。」
「ふむ、確かにそうじゃな。他の者で何か意見はあるかの??」
ここでアキラが、手をあげる。
「バトルロワイヤル方式は賛成だけど、何人で闘わせるんですか??この国のギルドは他のギルドと違って登録している冒険者が多いからやっぱり何個かのグループに分けるの??」
イオリはアキラの質問に対し、イケメンスマイルで対応する。
「はい。予選では4、5グループ作り、1グループで500人程で、バトルロワイヤルしてもらいます」
「「500人!?」」
アキラだけではなく、マオも人数を聞いて声を揃えて大声を上げる。声が揃ったのが、気に入らなかったのか、マオはムッとなった。
「ちょっと500人は多くないですか??」
「いえ、『グリーンフィールド』はかなりの広さがありますからね。心配はないでしょう。しかも、1箇所で500人いる中、戦うという状況になったらどういう戦術を使うのか気になりませんか??」
「確かに、気にはなりますけど」
ここからはアキラは何も言うことが無かった。なんか、何を言ってもイオリに正論を言われてしまうからだろう。
「他に誰か意見はあるかの??…………お?ハヤトくん何かあるのか??」
ここで、ハヤトは無表情で手を上げる。バルバークとイオリは意外だったのか少し驚きの表情となった。
「やっぱり、その大会って参加するのはギルドに登録している冒険者だけなのか??」
「一応、そうする予定じゃ」
「俺の可愛い一番弟子がいるんだけどさ、その子をこの大会に出したいなって考えてるんだけどダメか??」
「ほぅ、先程のジーナの自己紹介にも弟子がいると聞いて気になったが、その子は戦えるのか??」
「あぁ、強いぜ。あいつは努力の天才だからな。今だったら、Bランク並の実力を持ってるんじゃないかな??まだ10歳だけど」
「まさか、ハヤトくんが幼女好きだったとはね」と哀れみの目をするイオリ
「はっ倒すぞ!!サイコパス野郎!俺はロリコンじゃねぇ!!」
「俺は何歳でも、行けるぞぉ!!」と、腰をグイグイ動かすグラン
「ロリコンは正義だぁーーー!!」と立ち上がって大声で主張するゆーみん
「変態組は黙ってて下さい!!」とツッコミを入れるアキラ
「おい、お前が余計なこと言うから話逸れちゃったじゃねぇか!!」
「済まない。こうなるとは思っていなかったよ」
素直に申し訳ない気持ちで謝罪したイオリを見て、ハヤトは「お、おう。」としか言えなかった。そして、話を戻すべく、バルバークの方を見て
「んで、ギルド長さんよ。どうすんだ??」
「ハヤトくんが認める程の人物とは、気になるのぉ。よし、分かった!!特別枠として参加を認めようではないか!!」
「ありがとうございます!!ギルド長のそういうところ好きだぜ」
「『面白ければ全てよし』というのが、ワシのモットーじゃからな」
バルバークはキメ顔でそう言うと、ハヤトは親指を立ててグッとする。
このあとは特に何も起きず、決闘トーナメントについて話が進み、ある程度決まったところで話が終わった。
「もし、このまま何もなければ今回のS会議はお開きとするが、最後に何かある人はおるかの??」
バルバークの言葉を、聞いても誰も手を挙げなかったのでバルバークは話し合いを閉めようと瞬間、
「ハヤトくん、どうだったな??初めてのS会議は??」
と、グランがハヤトに感想を求めた。ハヤトは「うーん」と唸ったあと
「まぁ、それなりには楽しかったかな。」
「そうか。君も良かったらSランク冒険者にならな……」
「お断りします!!」
「んーー、即答!!君、いいね!!俺もアキラさんと一緒に君の勧誘を始めようかな」
「絶対にやめてくれ!!アキラさんも嬉しそうな表情しないで!!」
ハヤトの言葉で周りが笑いで包まれたあと、バルバークの言葉で今回のS会議は終わりとなった。
そして、終わったあと、イオリはちゃんとハヤトにかけた呪いを解いた。
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