↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
22/65

22話「S会議 ⓪」

 S会議当日。


 アキラは、昨日一緒に同行してくれとお願いしてきたハヤトと合流しギルドへとやって来ていた。


 「本当にだるいんだけど」


 「ワガママ言わないの!!すぐ終わるわよ」


 「呪いさえ無ければ………。俺、あのイオリっていう人絶対に好きになれんわ。」


 「あぁ見えてあの人、女性人気ランキング一位だからね!!」


 「それは納得。あの人にだったら抱かれてもいい」


 「好きになれないって言ったばかりだよね!?」



 久しぶりにボケるハヤトに対してアキラがツッコミを入れるというやり取りをしながらギルドの中に入り、奥にある『関係者以外立ち入り禁止』と貼ってある扉の前へと進む。


 「へぇ、いつの間にこんな扉が出来てたんだ」


 「いや、最初からあったわよ」


 全く………、とため息を吐きながらアキラはギルドカードを扉のドアノブの方へと近づける。すると、ピッと反応しガチャという鍵が外れたような音がした。これを見たハヤトは、無表情のまま呟く。


 「立派なセキリュティあんじゃん。これだったら、こんな張り紙いらなくね??」


「それは言わないお約束。Sランク冒険者みんなが思ってることよ」


 アキラはズバッとそう言って、扉を開ける。ハヤトは「あ、そう」と一言だけ呟いてアキラに続いて入っていった。


 そのまま、奥に進むと今度はでかい扉が目の前に現れた。アキラ曰くこの扉の中の部屋でS会議をやるらしい。


 「お、アキラとハヤトくんじゃん。お久〜」


 後ろから、聞き覚えのある声が聞こえてきた。ハヤトとアキラは背後を見ると相変わらず露出の高い防具を装着しているランが手をひらひらさせながら近づいてきた。


 「なんだ、アンタまだこの国にいたのかよ。早く旦那と一緒にこの国出ろよ。」


 「その言い方酷いなぁ。君が入院してたあの日の夜にご奉仕してあげたというのにい」


 「え!?」


 顔を赤くしながらアキラはグイッとハヤトの方へに顔を向ける。ハヤトは無表情でため息を吐きながら


 「いつの日の夜のことだよ。仮に、もししてたらフィーラちゃんに殺されるわ。」


 と、ハヤトは誰もが納得するような弁解をする。確かに、病室で性的行為なんてしてたらナースであるフィーラが黙っているはずがない。


 「もう!!ランったら………」


 「冗談よ、冗談。でも、明日にはこの国を出るわ」


 「え!?そうなの!?」


 「うん。最後にSランクのみんなの顔を見ておきたくてね。最低でもお腹の子が生まれるまでは会えないし」


 「そっか、じゃあ明日は見送ってあげるね!」


 ランは嬉しそうに「ありがと」と一言だけ呟いたあと、でかい扉のドアノブに手をかける。


 「じゃあ、そろそろ入りましょ。多分、私たちだけのはずだから」


 そう言うと、アキラも「そうね」と言い、ランは扉を開け、3人は中へと入った。



 ♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎


 中の構造は至ってシンプルだった。細長いテーブルが1つあり、そこに9人ほどの人間が座っている。まさにどこでもある会議室のような雰囲気の部屋だった。


 そして、よく見ると、テーブルの上にネームプレートが置いてあったので、アキラの指示で自分の名前が書いてあるネームプレートのところに座ろうとした


 「うげっ!!」


 「ガチの嫌なトーンで言われては流石の僕でも悲しいよ」


 「そんなこと言うなら、初対面の相手に呪いをかけられた俺の方が悲しいよ。」


 ハヤトの座るところの右側には、ニコニコとイケメンスマイルをしているイオリが座っていた。ハヤトは無表情で許す限り左側の方に椅子を移動させイオリと遠ざかった。因みに、左側にはランが座っていた。


 「え?何?ハヤトくん、もしかして私のこと好きなの??」


 「少なくとも右側のやつよりはね。」


 「酷いなぁ。僕はハヤトくんのこと好きだけどね」


 「だったら、今すぐ俺の呪いを解けよ。」


 「この会議が終わってからね。」


 「この〇〇〇〇野郎!!」


 そんな感じでハヤトとイオリのやり取りがしばらく続いていたら、ギルド長であるバルバークがパン!!と両手を叩く。


 「2人とも、仲が良いのは分かったからそのへんにしなさい!!そろそろ会議の方を始めるぞい」


 「はい、ギルド長。失礼しました。」


 「ちっ、終わったら絶対に解けよ。」


 そして、2人はバルバークの方へと身体を向け聞く態勢をとる。それを確認したバルバークはゴホンと咳払いをしたあと、


 「では、まずSランク冒険者諸君。集まってくれてありがとう。今日の会議では3つのこ…………」


 「ギルド長、1つよろしいですか??」


 ハヤトの目の前に座っている1人の女性が手を挙げバルバークに質問する。顔はアイドルみたいな可愛らしい顔つきで丸メガネをかけており、身長は少し低めの145ぐらい。髪型は黒髪でロングヘアーだ。


 「うむ、マオよ。どうした?」


 「この男性は一体誰なんですか??見た感じSランク冒険者じゃないですよね??」


 マオの指摘でバルバークは「うむ。」と一言呟いて頷く。


 「ちゃんとこのあと紹介するつもりじゃったが………、まぁ、よかろう。」


 そう言って、バルバークは席を立ち、ハヤトの方へと近づく。


 「皆の者よ。紹介しよう。Fランク冒険者のハヤトくんじゃ。今後、彼の活躍を期待して今回のS会議に参加してもらった。」


 「ハヤトって、あの『アンチドラゴン』のハヤトか??」


 「そうじゃ。ほら、ハヤトくんも何か一言だけよろしく頼むぞ」


 バルバークの言葉で、ハヤトは「え!?」と驚愕した表情となるが、隣にいるイオリが何やら呪文を唱えるような仕草をし始めたので、溜息をついて席を立つ。


 「え〜、皆さんはじめまして。先程、ギルド長から紹介を頂きました。ハヤトといいます。低ランク冒険者なので、皆さんの中に癇に障ってしまう人もいるかもしれませんが、今日だけの付き合いになると思うのでそこら辺は我慢して下さい。よろしくお願いしまーす」


 ハヤトは棒読みで自己紹介をし、頭を浅くペコッと下げると席に座ると同時に、先程の行動が腹に立っていたのでイオリの足を思いっきり踏みつけた。だが、イオリはイケメンスマイルで1つも表情を変えず、ハヤトに対して何も言ってこなかった。しかし、突然手を挙げてバルバークに


 「ギルド長。折角でしたら、こちら側も一人一人自己紹介しませんか??その方が、この後の会議もやりやすい雰囲気になるでしょう」


 「うむ!!それはいい提案じゃ。皆の者よ。よいか??」


 バルバークの言葉で、他の人達は全員頷く。


 そして、Sランク冒険者1人1人が、席を立って自己紹介をし始めた。


ブクマ・感想・レビュー求む

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。