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18話「努力は報われる③」

 あれから、コリンの修行??に付き合って、2週間が経過した。この2週間の付き合いでハヤトはコリンについていくつかのことが分かった。


 1つ目は、やはりコリンは剣士としての才能が充分にあることだ。初めて会った時、コリンの素振りを見て予想はしていたが、本格的に彼女の動きを見てみて、それが確実となった。身体の使い方も、上手いし、相手の動きをよく見ている。

この間、彼女が通っている道場でコリンをバカにしていたあの太った男の子とやった決闘(デュエル)で勝利の決め手となった払い面は見事なものだった。


 2つ目は、コリンは道場に通っているのにも関わらず、師範代に剣を習っていなかったこと。理由は、コリンは女で剣士は無理だから………だそうだ。酷い話である。

だから、コリンは道場にいる間、ずっと師範代や生徒たちの動きをひたすら見て、それを見よう未真似でやってきたそうだ。理不尽な環境の中でも彼女は考え、努力して強くなった。それは事実である。


 3つ目は、彼女は将来、Sランク冒険者になるという夢があるそうだ。だから、コリンは女性Sランク冒険者であるアキラとラン、そして会ったことがないが、ジーナの3人を尊敬していた。周りからはコリンの夢について良い印象ではないらしいが、ハヤトはこのまま行けば、コリンはSランク冒険者になれると思っている。

ちなみに、ハヤトはSランク冒険者の昇格を蹴ったことをコリンに伝えたら「は??」とガチトーンで言われた。


 そして、今日もハヤトはコリンの修行を見るべく、いつもの広場へと行くと、コリンはハヤトから貰った木刀を使って素振りをしていた。


 「おっす。コリン」


 「師匠!!こんにちは!!」


 ハヤトの姿を見た瞬間、ビシッと気をつけをしてからの敬礼。お前は軍隊の兵士かよ………と、ハヤトは心の中でツッコミを入れる


 「あ!師匠、もう松葉杖なくても歩けるようになったんですね!!」


 「おう!!あまり激しい運動は控えるようにって専属のナースに釘打たれてるけどな」


 ハヤトはリハビリをきちんとやっていたかいがあってか、予定より少し早めに松葉杖がなくても歩けれるようになった。


 「よし!コリン、今日は俺と決闘(デュエル)するか!!」


 「え!?さっき、激しい運動してはいけないって言ってたじゃないですか!!」


 「俺の地元にはこんな有名な言葉がある。『バレなければ犯罪にはならないんですよ』ってね」


 「無茶苦茶な言葉ですね」


 「まぁ、とにかく!!そんなに激しくはやらない。軽めだ軽め。」


 「は、はぁ」


 「おいおい。よく考えろよ、バカ弟子。今、お前の目の前にいるのは、Sランク冒険者に推薦されるほどギルトから実力を認められてた冒険者だぜ??蹴ったけど」


 「ーーーーーーー!!」


 この瞬間、コリンの顔つきが真剣になる。


 「気にならないか??今の自分が格上の相手にどれだけ通用するのかを…………」



 「試し…………たいです!!」



 コリンの言葉で、ハヤトはニヒッと笑う。そしてすぐさま、アイテムボックスからライトソードαを取り出して構える。久しぶりの感触にハヤトは少し感動した。コリンも同様、この前の決闘の勝利祝いとしてハヤトに買って貰ったライトソードに持ち替えて構える。



 「どっからでもかかって来な。」



 「では、お言葉に甘えて!!」



 コリンはハヤトに向かって素早く走り出し、ライトソードを振り下ろした。しかし、ハヤトはそれを容易く躱す。


 「らぁ!!」


 コリンは諦めずにひたすら剣を振り回し、じわじわとハヤトを追い詰める。ハヤトは無表情でコリンの攻撃を躱し続けた。



 「ここ!!」



 「うおっ!!」


 コリンは隙を見て、後ずさりして地面から離れた直後のハヤトの右足を蹴り、ハヤトの体制を崩した。それを見逃さず、コリンはハヤトの胸に向かってライトソードを突き刺そうとした。この時点で、コリンは自分の勝利を確信していた


 (やった!!師匠に勝った!!)



 「うん。今のは良かったぞ。」



 「え?…………ぐへっ!!」


 ハヤトはこの攻撃を分かっていたかのような感じで、予め握っていた地面の砂をコリンの顔面へと放り投げる。

コリンはモロに受けてしまったが、焦らずすぐさまハヤトと距離をとる。


 「くっ………!!師匠、卑怯な手を使いますね」


 「戦術と言え、馬鹿野郎。勝負なんて、そんなもんだ。」


 コリンは顔に付いた砂を払い、見えるようになったあと、再びライトソードを構える。

ハヤトは決闘が始まってから、大幅には動いていない。表情も無表情だが、余裕のあるオーラが漂ってくる。


 だから、せめてとハヤトの表情を変えたいと思い、再びコリンはハヤトの元へと駆け出そうとした瞬間、


 「え??」


 コリンの肩に何か強い衝撃が当たった。


 コリンは「うっ」と痛そうな声を出し、肩に手をあて、一旦、動きを止める。


ハヤトはあれから動いていなかったが、ライトソードαを振り下ろしていた。そして、また再びハヤトはその場でライトソードαを振り下ろすと


 「うっっ!?」

 

 今度はコリンの腹に強い衝撃が当たった。


 コリンは「おえっ!!」と苦しそうな表情となり、そのまま倒れた。


 「一体………何が」


 「ふふん!!俺の新技『かまいたち』だ。やり方は簡単。思っきり剣を振り下ろすだけだ。遠距離攻撃に使えるぞ〜」


 

どうやら、ハヤトはここ2週間、コリンの修行を見ながら新技を考えていたらしい。


 「参り………ました。流石は師匠です。」


 「コリンも、なかなか良かったぞ。努力の成果が出てるな。ほら、立ち上がれるか??」


 ハヤトはコリンに手を差し伸べる。コリンは礼を言いながら、ハヤトの手を掴み、ゆっくりと立ち上がった。


 「コリン、やってみてどうだった??」


 「はい。いい機会になりました………。」


 その後、コリンは暗い表情となった。そして、弱々しい声で


 「師匠…………、私は本当に強くなれるのでしょうか??」


 と、コリンは目に涙を溜めて、ハヤトに弱音を吐いた。

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