15話「KYな発言」
イオリが「私が説明しますね」と言い、アイテムボックスから書類を取り出す。
「元Aランク冒険者のオーグさんの件についてですね。彼のことは部下の2人に尋問したところですね、闇ギルドと関わっていたことが分かりました。」
「闇ギルドですって!?」
闇ギルドという単語で、アキラは驚愕した表情をとる。ランも言葉は出さなかったものの、「マジか………」みたいな表情をしている。そして、何も知らないハヤトはぽけーっとした表情をとっていた。
「闇ギルド??」
「闇ギルドとは、犯罪を犯す者達が集まって結成したグループですね。主に希少モンスターやアイテムの密猟や売買、冒険者の殺害などを行っております。最近では、奴隷などにも手をつけていると聞いています」
「あぁ、なるほど。そいつらクソだな」
「えぇ、最もです。早く全員死ねばいいのに」
サラッと残酷な言葉を発したイオリに対してハヤトは一瞬、背筋がゾワッとした。何この人、イケメンなのに腹黒いんですけど
「オーグさんは闇ギルドに関わって、こちらのギルドの情報を与える条件として、ドラゴンの卵を手に入れたらしいです。それを、人があまり通らない『ミミーラ高山』で密かに育てていたそうです」
「なるほど。だから、あのドラゴンはオーグに従っていたのね。」
ランは納得したかのような言葉を話す。いくら、人間嫌いなドラゴンとはいえども、卵から育てれば、オーグを母親として認識する。従うのは当然のことだった。
「まぁ、運良くオーグの手下2人も、闇ギルドのことを知っていたから、少なくともオーグと関わった闇ギルドのやつらが捕まるのは時間の問題であろう。そこから、闇ギルドの目的などを吐かせるつもりじゃ」
そして、バルバークは「早く捕まってくれればありがたいんじゃがのぉ」と呟いた。
「オーグの件についてはこれで終いじゃ。次の報告はハヤトくんについてじゃ」
「俺?」
そこから、側にいたのにずっと無口だった先生が1歩、ハヤトの方に前に出て
「ハヤト様。あなたの身体は爆発に巻き込まれた影響で骨や内蔵などにダメージが入り、ボロボロです。少なくとも、2ヶ月、長くて1年はここで過ごしていただきます。」
「嫌だと言ったら??」
「動けない内に、私が君を殺します」
「2ヶ月で退院できるようにガンバリマス。だから、その片手に持っている危ない注射器をしまってください」
ハヤトは勘弁してくれと言わんばかりに入院を了承した。ここ最近は、ずっとクエスト三昧だったからな………。これを機に、身体を休ませようとハヤトは思った。そしたら、先生はホッとして「そうですか。手間が省けて良かった」と言ってニコニコしながら部屋から出ていった。
「あの先生やば。サイコパスかよ」
「何言ってんの??」
「いや、こっちの話…………」
聞き慣れない単語に反応したアキラを誤魔化すかのようにスルーしたハヤトに対して、バルバークはゴホンと咳払いをし、
「ハヤトくん、君の業績は素晴らしいものじゃ。じゃから、君をSランク4位に昇格しよう」
バルバークの言葉で、辺り一面がシーンとは…………ならなかった。1人の女性が、唖然したかのような表情となり、
「ちょっと待ってください!!Sランク4位って私の座なんですけど!?」
そう言って、アキラはギルド長であるバルバークの肩を掴み、思っきりぐわんぐわんと揺らした。バルバークは「おぉぉぉぉ!?」と、苦しそうな声をあげる。この女、やべぇ
「落ち着いて下さい、アキラさん。貴女も昇格ですよ。」
「うぇ??」
イオリの発言でようやく肩を揺らすのを止めたアキラはよく分からないような表情となる。ちなみに、バルバークは目がぐるぐるマークとなっており、気持ち悪そうな感じになっていた。
「アキラさんはSランク3位に昇格です。」
「マジか!!」
「マジです」
イオリは爽やかな笑顔で告げた。どうやら、以前行ったSランククエストの功績が昇格のきっかけとなったそうだ
「でも、そしたらゆーみんさんはどうなるんですか??」
「あの人は、最近こもってばかりでクエストをあまりやってませんからね。降格して当然です。とは言ってもSランク5位ですけど」
「確かに」
アキラは納得した表情をとる。そして、目をキランとして、ハヤトの方へと見ると
「これで、君もSランク冒険者だね♡」
この言葉で、ランは「おめでとう」と言い、イオリは「よろしくお願いしますよ」と歓迎するかのような言葉を言い、バルバークは「これからが楽しみじゃ」と、期待するこのような言葉を出した。
しかし、この良い感じの雰囲気をぶち壊すのがこの永遠のFランク冒険者だった。
「なんか………、俺がSランク冒険者になる雰囲気になってますけど、俺、入りませんからね??」
このKY発言によって、本当に辺り一面がシーンとなった。
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