12話「オーグの復讐②」
オーグは不気味な笑みを浮かべながら、ドラゴンの上で冒険者たちを見下していた。
「オーグ!!あなた何考えてるの!!」
アキラはオーグに向かって怒りの声を上げる。それは当然のことだ。街を守るべきである冒険者、しかも高ランクである彼が街を襲ったドラゴンを引導している張本人なのだ。
「何って、見れば分かりませんか??ドラゴンを使ってその俺に調子乗っている低ランク野郎をぶっ殺すんですよ」
「だからって、なん……………!」
アキラが話している途中で、ランがアキラの肩を掴み、後ろの方へと移動させた。アキラが「な………」と驚いて言葉を出したが、ランが手で
『あんた焦りすぎ。ここは私に任せて』
と、メッセージを込めた合図を送る。これを見たアキラは歯を食いしばるが、言葉を出すことはなかった。
そして、ランはオーグに向かって普段通りに喋りかける
「そのドラゴンはどうしたの??あなた、確か剣士のはずよね??見た感じ、獣使いには見えないけれど??」
「ハッ!!誰が教えるかよ。バカか!!」
「あっそ。なら、質問を変えるわ。確か、情報によるとこの先でギルドパーティーと戦闘中ということを聞いたのだけれど??」
「あぁ、あのカス共か!!俺のドラゴンでぶっ殺してやったぜ!!無様に散っていったよ!!あひゃひゃ、あれは見ものだったな」
「き、貴様ァ!!」
オーグの発言で耐えられなくなったアキラはユニコーンランスを取り出して、オーグに向かって突き出し、衝撃波を放った。
しかし、オーグはドラゴンに指示を出し、指示を聞いたドラゴンは爪で衝撃波を呆気なく弾いた。
「おいおい急に酷いぜ、アキラさんよぉ!!本当のこと言っただけじゃねぇか」
「許さない!!絶対に!!」
「おいおい、勘違いしてんじゃねぇよ。俺はその低ランク野郎をぶっ殺したいだけなんだぜ??あんたとは別に戦わねぇよ。邪魔するなら、話は別だけどな」
オーグはドラゴンの上であひゃひゃと、笑いの声をあげる。その姿を見たアキラはプチっと何かが切れ、怒りの気持ちが爆発しそうだった。アキラは属性スキルを発動しようとし、さらにオーグも、負けずとドラゴンでアキラを攻撃させようとした瞬間、
アキラの背後から、とんでもない量の殺気を感じた。その殺気を感じたアキラ含め、他の冒険者+オーグとドラゴンも本能で戦闘態勢に入り、殺気を放す方へと向いた。
殺気を、放っていたのはハヤトだった。表情は普段通り無表情のままだったが、殺気だけ放っていた。その姿を、見たアキラは恐怖に感じた
「ハ、ハヤトくん…………??」
そして、ハヤトは無言で1歩を歩いた直後、
ハヤトの姿が消えた。
そして…………
「は?」
「え?」
先にオーグが声を出したあと、アキラも何が起こったのかわからず、情けない声を出した。そして、目の前に映る光景を理解したオーグは驚愕する
自分が乗っているドラゴンの首から先が無くなっていた。
それから、飛ばすために動かしていた翼も動きが止まり、落下しようとしていた。
「一体、何があっ…………」
ことの出来事に焦っていたオーグは急に顔面から強い衝撃を喰らい、そのまま首のないドラゴンと共に墜落した。
流石は犯罪に手を出したといえども、高ランク冒険者。顔に手を当てながらも咄嗟に受け身を取って大ダメージを回避した。そして、オーグは首がないドラゴンの死体を見て、顔を青ざめる
「どうしt……………」
起きた出来事を理解することが出来ないオーグはまたしても、急に顔面、そして腹にも強い衝撃を喰らい、吹っ飛んだ。
「がはっ!!」
吹っ飛ばされたオーグは血を吐き出しながらも、ヨロヨロも立ち上がった。オーグは、大剣を出して、自分を吹っ飛ばされた場所を見ると、そこにはハヤトの姿があった。片手には血だらけのライトソードαを持って………
「まさか………お前が…………」
オーグは声を震わせながら、ハヤトに声をかけるが、ハヤトは反応しない。ただただ、殺気だけ放出して、オーグを睨みつけていた。
「ド、ドラゴンを一瞬で…………」
唖然していたのはオーグだけではなかった。周りにいるアキラ含めランや他の冒険者たちもハヤトの謎の戦闘能力の高さに驚きを隠せなかった。
ハヤトは無言のまま、また1歩歩き出す。すると、オーグは先程の威勢が嘘のように短く「ひっ」と悲鳴を上げた。
2歩目、3歩目…………
ゆっくりと歩き出し、確実にオーグに近づいてるハヤトの目は正しく獲物を狩るかのような目をしていた。
オーグはビクビクとしていながらも、大剣を構えてた。
「何なんだよ!!お前!!低ランクの癖に…………高ランクに歯向かうんじゃねぇぇぇぇぇぇぇよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
オーグは大剣をハヤトに向かって振り下ろすが、ハヤトは簡単に躱した。すぐさま、オーグは次々と大剣をハヤトに振り回すが、ハヤトは武器も使うことなく身体を動かすだけで全てのオーグの攻撃を躱した。
スタミナの切れたオーグは、ぜぇぜぇと声を荒らげ動くことが出来なくなった。それでも、ハヤトは無表情のまま、オーグの方に近づいた。
「お前、遺書はちゃんと書いてきただろうな??」
ようやく口を開いたハヤトは、ライトソードαの刃先を疲れきってオーグの方へと向かせる。
「俺、もうお前のこと許さねぇから。覚悟しろよ。」
ズバッと、ハヤトはオーグに向かって死の宣告を言い放ったのだった。




