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15

僕達は機体を駐機しておいたハンガーに着いて直ぐに自機に駆け寄る。自機のキャノピーは開放されており、コックピットに駆け込んだ。そして、先程まで機体を弄っていた整備班の人が来て、機体の状態を教えてくれる。その間もエンジンスタート前の通常より短縮された12項目のチェックの手は止めない(通常は72項目)


「今のこの機体の状態は我々の知ってるF-15と同じなら至って良好だ。搭載したミサイルは04式短距離空対空誘導弾と99式中距離空対空誘導弾だ。燃料も満タンにしてあるし増槽にも補給したから空母まで持つだろう。あんたらは、ここの基地の人間じゃないが、これから苦楽を共にする人達なんだろう?なら必ず生きて帰ってこい!そして、またこの基地にこの機体を持ってこい!そして俺らに弄り回させろ!だから死ぬなよ!」


「分かりました。ありがとうございます」


敬礼すると整備班の人はラッタルを降りて行き、地面に着地するとラッタルを機体から外す。それを見届けてからちょうど12項目のチェックが終了した。そして、さっきの人とは別の整備班の人に右手の人差し指を立て上に向けて、円を描くように指を回しエンジンスタートの合図を送りエンジンマスタースイッチをオンにしてJFS(ジェット燃料スターター)をオンにして、スターターのレディランプが点灯するまでの約15秒の間に戦闘機でのシートベルトであるハーネスを着け体を座席に固定しているとレディランプが点灯した


『エンジン始動させてください』


正面に居る整備員が無線機とジェスチャーでエンジンの始動を促した。それを見た僕は、火災警報灯が点灯して無いことを確認してエンジンをスタートさせる。するとスターター独特の甲高い音が響き始める。そして、今度は右手の中指と人差し指を立てて指を回し、整備員にエンジン始動の合図を送る


「ライトスタート」


右エンジンのスタートを宣言して左手で握っている右側のスロットルレバーに付いているボタンを押すと今までの甲高い音が更に甲高くなり2つのエアインテークの内右側のエアインテークが空気を吸い込み始める


「ライトオン」


右エンジンの点火宣言をして右側のスロットルをゆっくりと押し込み、右エンジンの回転数が徐々に上がって行くのを自分の耳とグラスコックピットのモニターを見て回転数が上がっている事を確認してスロットルレバーを更に2割程押し込むと右エアインテークがカクンと下を向いた


『ライトエンジンチェック』


正面の整備員が右手でサムズアップをしながら正常に動いている事を教えてくれる。次に左エンジンを右エンジンと同じ手順で始動させる


「レフトスタート」


左エンジンのスタートを宣言して左側のスロットルレバーに付いているボタンを押すと右側と同様に今までの甲高い音が更に甲高くなり2つのエアインテークの内残った左側のエアインテークが空気を吸い込み始める


「レフトオン」


左エンジンの点火宣言をして左側のスロットルをゆっくりと押し込み、左エンジンの回転数が徐々に上がって行くのを右エンジン同様、自分の耳とグラスコックピットのモニターを見て回転数が上がっているを確認し、右側同様2割程押し込んだ所で、左エアインテークがカクンと下を向いた


『レフトエンジンチェック』


それを聞いてJFSを切り、テストスイッチボタンを押して、各システムの警告灯が正常に点灯するかチェックするのと同時にINS(慣性航法装置)の調整をする。それらと同時に整備員達はミサイルや機体各部に付いている赤い布が付いた安全ピンを次々と抜いて行き、最後に整備員が機体の左斜め前に移動して赤い布が付いた安全ピンの束を掲げ、安全ピンが全てが抜けた事を示す。それを確認し、タキシング前チェックを始める


「タキシング前チェックオールグリーン」


その言葉を聞き、整備員が車輪止めを外す。外し終わった整備員が左側に全員居るのを確認してキャノピーを締めながらタキシングを開始する。タキシングしながらフラップとラダー、エアブレーキの動作をグラスコックピットのモニターと目視で確認し、レーダーをオンに、ハーネスを確認してキャノピーの密閉を確認。右斜め後ろを見ると梨沙がちゃんと付いてきているのを確認し、そのまま滑走路に進入。滑走路上で一度停止し、ブレーキを踏み込み左右のスロットルレバーをミリタリーまで押し込み回転計、油圧計、燃料流入計、ファンタービン入り口温度計をチェック…正常、スロットルを戻し管制塔に無線を入れる


「タワー、こちらアンタレス隊離陸許可を求む」


『アンタレス隊、こちらタワー。離陸を許可する。使用滑走路は2番』


「アンタレス1、ラジャー」


『アンタレス2、ラジャー』


梨沙も滑走路に進入して居る


『アンタレス隊。離陸後は方位3-1-0高度33,000ftまで上昇。アトランティス軍チャンネル1にてコンタクトを取れ』


「了解。離陸後方位3-1-0、高度33,000ftまで上昇、アトランティス軍チャンネル1にてコンタクトを取る」


『アンタレス隊、風はやや左に強く吹いている。2番滑走路からの離陸を許可する。グットラック』


「サンキュータワー。アンタレス1、テイクオフ」


「アンタレス2、テイクオフ」


タワーとの通信が終わり、ブレーキを離しスロットルをミリタリーまで押し込み、速度120ノットに到達し、ピッチを10度上げると少ししてからふわりと浮遊感と共に離陸し、速度250ノットに成る前にギアアップして、速度350ノットまで増速を続けてその後速度350ノットを維持して高度33,000ftまで上昇してから水平飛行に移り、方位3-1-0へ機首を向け、無線機のチャンネルをアトランティス軍規格のチャンネル1に切り替え空母とコンタクトを取る


「アンタレス1よりエアクラフトキャリアー。応答を」


『こちら空母天空、貴隊の管制をまかされている。こちらのコールサインはスカイキャリアーだ』


「ラジャー、スカイキャリアー」


『早速だが、増槽を着けているとの事なのでな、方位を2-1-0に修正し他のアンタレス隊、サジタリウス隊、フェザント隊、アクエリアス隊と合流せよ』


「アンタレス1、ウィルコ」


『アンタレス2、ウィルコ」


そう言うなり、僕と梨沙はスロットレバーを押し込み、アフターバーナーを使って急加速して合流空域まで急いだ


日米アト合同艦隊----------------------

各艦のCICは蜂の巣を突いた様な状況になっていた


「接近して来た対空目標全機撃墜‼︎」


「落着物から再度小型飛行物体分離‼︎こちらに向かって来ます‼︎数およそ700‼︎」


対空レーダー員の報告が砲雷長に届く


「落着物前進を始めました‼︎」


対水上レーダーを監視していた隊員が言う


「遅れて着水した落着物尚も艦載機と思われる物を射出し続けています‼︎」


対空レーダーを見ていいた隊員が言う


「皆落ち着け‼︎」


樹里が声を大きくして言うと騒がしかったCICは機械が発する目標接近を知らせる警告音だけとなる


「皆、落ち着いて事態に対処しろ。我が国は建国して半年になるまだまだ未熟な国だが常に厳しい訓練を行って来たはずだ!今は不測の事態ではあるがこう言うときの為の訓練もして来たはずだ。訓練を思い出して冷静に対処しろいいな!」


『『了解‼︎』』


CIC要員が全員返事をする。この樹里が話している間も手を休めず対空、対水上目標の監視をし続けているところは日頃の厳しい訓練の賜物だと言えるだろう


「現時刻を持って落着物を敵艦と認識、その後方に着水、艦載機と思われる物を吐き出している落着物を敵空母と認識しろ。後方の落着物から吐き出されているのは敵艦載機と認識だ!」


砲雷長が落着物を完全に敵と認識する旨を伝える


「いいか、この現状は最悪だ。我々は空母を連れておらず。円卓島またはアトランティス空母からの航空部隊の到着にはしばらく時間がかかるだろう。日米の空母ならもっと時間がかかるだろう。その間、我々は一艦も失う事なく生き延びる!この旨日米アト全派遣艦隊艦艇に伝えろ!我々は絶対に生きて帰ると!」


樹里が演説の様に言う


「了解‼︎日米アト全艦艇に伝えます!」


通信長が答えこの海域に居る全味方艦艇に今の言葉を伝える


「砲雷長」


「はッ!」


「敵艦載機の到達までの時間は⁇」


「敵艦載機は現在の速度を保てばあと40分ほどです。先行して向かってくる敵飛行物体は到達まで5分です」


「よし、敵艦から分離した飛行物体をミサイルと断定、先程と同じく全機撃墜せよ」


「了解」


「現在接近中の飛行物体を敵ミサイルと断定、全機撃墜する!対空戦闘CIC指示の目標、攻撃開始!」


砲雷長が部下に命令する


「雷風ECMの発信を開始しました」


「神雷からもECMの発信を確認」


データリンクを確認していた隊員からの報告だ


「敵ミサイル12発艦隊への進路より外れました。しかし、その他は以前接近中です」


モニターにグリッド表示されたチャートを監視していた隊員が言う


「敵ミサイル、艦隊防空圏に到達」


対空レーダーでミサイルを監視していたレーダー員が報告する


「各艦、撃ち方始め!」


樹里が言うと同時に桑崎艦長が下命する


「了解、右前方対空戦闘、CIC指示の目標SM-2発射始め!」


「SM-2、CIC指示の目標、目標諸元入力、SM-2発射‼︎サルボー‼︎」


砲雷長が対空要員に目標の諸元入力を伝達、対空要員はすぐに諸元入力を済ませる。元々追跡していた為、諸元入力は最後のボタンを押すだけで時間にして0.5秒程で諸元の入力が完了する


「SM-2諸元入力よし、サルボー」


対空要員が最後に復唱し発射ボタンを押す。

ガコン、ゴーーー!

ボタンが押されると同時に前部VLSのハッチが開放され、データリンクで割り振られた水風担当の対空目標に向けて10本のSM-2が放たれた。周りでも各々の対空目標に向けてそれぞれ10本ずつ放たれている


「友軍全艦からもSM-2対空ミサイルの発射を確認」


「SM-2順調に目標に向け飛行中」


メインモニターに移されたグリッドに飛行中の対空ミサイルを示すミサイルの形をしている緑色の光点が同じくミサイルの形をした敵艦対艦ミサイルと思われる物を指す赤い光点に向けて飛行している様子が映されている。そして…


「SM-2着弾確認‼︎全弾命中しました‼︎」


レーダー員が言う

グリッド上でも敵味方のミサイルを示す光点が重なり消滅する


「対空目標600撃墜‼︎残存対空目標88‼︎」


「敵弾なおも突っ込んでくる‼︎」


「SM-2第2射よーい‼︎」


砲雷長の命令に直ぐに対空要員がデータリンクにて、すでに割り振られた目標の諸元を入力し、発射準備を整える


「SM-2諸元入力‼︎射撃用意よし‼︎」


「ってぇーー‼︎」


「発射‼︎」


ガコン、ゴーーー‼︎

砲雷長の合図と同時に再度前部VLSのハッチが解放され、SM-2スタンダード対空ミサイルが放たれる。味方艦艇からも艦隊の中衛、後衛に位置する艦艇からは一発、前衛に位置する28隻の艦艇からは2発ずつSM-2を放つ


「友軍全艦からも第2次迎撃開始されました」


メインモニターに映っているグリッドに再度緑色のミサイルの形をした光点が表示され敵弾に向かって突き進んで行く


「…」


そして、SM-2を示す光点が敵弾を表す光点と重なり、またしてもすべて消えた


「全弾撃墜‼︎」


そのレーダー員の言葉にCICに安堵の息が流れると同時に反撃の準備が始まる


「データリンクより本艦への目標指示来ました‼︎本艦目標ターゲットナンバー2608から2614」


「対艦ミサイル諸元入力完了‼︎」


CIC要員が反撃の準備を進める中、樹里は今の迎撃戦に違和感を感じていた

(外宇宙からの侵略でも、簡単に迎撃されすぎじゃないか?さっきの攻撃はどうも決定打に欠ける…そう思う)


「司令、発射命令を…」


「司令、先程からの攻撃少し妙ではないでしょうか」


樹里が考えていると桑崎艦長が樹里の思考を裏付ける様なことを言ってきた


「艦長もそう思うか?」


「ええ、あっさり迎撃されすぎだと思います」


「奴らの星ではミサイルはそこまで発達し無かったのか、それとも…」


「別の何かがあるのか…ですかね…」


樹里の言葉に被せるように桑崎艦長が言う


「ですが、宇宙に進出できるだけの技術を持っているのならミサイル技術もそれなりに高いのでは⁇」


それまで、黙っていた主席参謀が言う


「そうだな…」


「航空機による攻撃の為の陽動とかでしょうか?」


「いえ、それでは既に我々が補足して居ますから陽動の意味を成し得ないのでは?」


「確かにそうだな。それに敵艦の少々派手な立ち回りも気になる」


(そうなると、我々がまだ敵の全てを捉えていないという事か…もしくは超高速のステルス戦闘機を発艦中と思われる戦闘機に紛れ込ませているのか?)


「砲雷長、対艦ミサイルの発射中止。通信長、各艦に通達各種警戒を厳にせよ」


「了解、直ちに通達します」


「ですが司令‼︎今でも敵空母からは艦載機が発艦しています空母だけでも叩くべきでは⁇」


通信長が答えるが砲雷長はせめて空母だけでも沈めるべきだと主張する


「いや、攻撃中止だ。敵空母を叩きにこれ以上近ずけば敵艦載機の射程に予定時刻より早く捉えられてしまう可能性がある。今は我慢の時だ砲雷長」


「了解…ミサイル発射中止」


(それにしても、何なんだこの胸騒ぎは…まだ敵が我々の知らないどこかに居るような…)


「…うん⁇」


また、考え込みそうになった時ソナーを担当している隊員が声を出した


「ソナーどうした?」


「いえ、一瞬極小さいですが今までとは違う音が聞こえまして…ですがもう聞こえないので気のせいだと思います」


(水中での極小の異音、敵の派手な立ち回り、異常な程落としやすいミサイルそして陽動か…まさか!)


「全艦に通達!アクティブソナーを放て‼︎海中に敵潜が居る可能性がある‼︎探せ‼︎」


「‼︎、了解‼︎」


ピン‼︎ーー…

ソナー要員が答えアクティブソナーを放つ。その傍で通信長も全艦に通達していく


「司令どう言うことです⁇」


「今我々が特定している情報を整理しよう。まずは敵艦隊による派手な攻撃。そして、その攻撃の容易な迎撃、そして航空機の発艦。これで水上と航空が揃ったわけだ、さらに航空に関しては発艦を未だに続けている。そうするとこちらは、突然の宇宙からの機械的な何かの接近と落着により敵か、それとも友好を求めて来たか一瞬でも対応が遅れる、そしてそれらからの突然の攻撃によりこちら側は浮き足立つその隙に敵側は直ぐに部隊を展開させ、出来るだけ派手に攻撃し更に対応を遅らせると同時に大量のミサイルにより動揺も与える。そして第1波のミサイルが向かっている最中に第2波も用意しつつ空母も落着、展開させる。そして第2波を放っている間に続けざまに艦載機も発艦させ。我々が接近して来るのを防ぎつつその数でも多少の動揺を与えようとする。そうこうして水上と航空に気を向かせ水中から気をそらし…」


「‼︎、水中にバレないように展開した潜水艦部隊で決定打を与える‼︎」


「そういうことだ」


「水中推進音多数聴知‼︎」


ソナーが叫ぶ


「やはりいたか…」


「司令魚雷を撃たれる前に撃沈しましょう」


桑崎艦長がそう進言する

「そうだな…各艦対潜戦闘よーい‼︎」


「了解‼︎対潜戦闘よーい‼︎」


桑崎艦長が下命する。それと同時に通信長もまた各艦に対潜戦闘用意を伝える

「対潜戦闘よーい‼︎」


『対潜戦闘よーい‼︎』


ファン‼︎ファン‼︎ファン‼︎

砲雷長が復唱すると同時に艦内放送が流れ、その後アラームが流れる

艦内での配置が対空戦闘配置から対潜戦闘配置に素早く移行していく


「艦長、配置完了しました」


「了解」


「司令、各艦より対潜戦闘用意よしとの事です」


通信長が報告する


「分かった…では、反撃の狼煙をあげるとしようか」


そう言い樹里はニヤリと笑う


「各艦‼︎対潜戦闘始め‼︎」


「了解‼︎対潜戦闘始め‼︎アクティブ再捜索」


桑崎艦長が指揮し始め対潜戦闘が開始された。反撃の狼煙が今上げられようとしていた


先月は、更新できなくてすみません左腕の方を折ってしまいまして、それから何だかんだ

でやる気が起きない&スランプと言うおまけ付きでして…まぁ、そんな言い訳は置いといて今月は先月分含めて2話投稿しようと思うのでよろしくお願いします。

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