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マデリアは元々、イスレード王国の貴族の令嬢だった。
剣を嗜んでいた兄や従兄の影響で、幼い頃から剣を嗜んでいて。
16歳の時に"ある事"がきっかけで家出を決意。
懇意にしていた教会の伝手で、隣国のセルバス王国の片隅にある修道院を頼った。
その修道院の院長の勧めで、街の憲兵隊に入隊。
それから剣術の腕を磨き、18歳の時にフリンゲルツ男爵が開催していた"武闘会"に参加し優勝。
フリンゲルツ男爵家はライニガー侯爵家の末席に名を連ねる武門の一族。
だが、当主も、その後継の嫡男も全く剣術が出来ず、少しでもライニガー侯爵家への面子を立てようと"剣術が出来る者を養子に"と考え、その養子を選出するためにその武闘会を開催したらしい。
マデリアはそれとは知らず、自分の経歴の箔付けと優勝金目当てでホイホイと参加したのだが。
その武闘会で優勝したマデリアは、目出度くフリンゲルツ男爵家に養子として招かれた。
そして数年後、"フリンゲルツ男爵令嬢"として参加したライニガー侯爵家のパーティで侯爵家次男のベルナードに見初められ、結婚を申し込まれて。
以来、宰相であるベルナードの補佐として10年、王宮に出仕していた。文官として出仕していたが鍛錬を怠ってはいない。
暇があれば騎士団の鍛錬場にお邪魔したり、仲良くなった女性騎士達と手合わせしたり、国王主催の武闘大会にも出席して好成績を残したりしている。
フリンゲルツ男爵家の娘として、ウィンドガルム伯爵夫人として、"いざ"という時は剣を取れるように。
「報告します!!
イスレード軍を視認いたしました!!こちらに向かっています!!」
城門に登って周囲を警戒していた見張りの声に、マデリアは大きく息を吐き、そして腰の剣をスラリと抜いた。




