交渉決裂
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国王が出発して一刻後。
戦々恐々と王都の門を守っていたマデリアを含めたライニガー侯爵家の者達に知らせが届いた。
「ご報告します!!交渉は決裂致しました!!
国王陛下、ならびにライニガー前公爵閣下はイスレード王により殺害!!
セレスティア第二王子妃殿下は捕虜になりました!!
イスレード兵が攻めてきます!!」
知らせを持ってきた兵は到着早々、地に膝をつき、息も切れ切れに声を上げた。
瞬時に動揺が走る。
「なんという·····一番恐れていたことが。」
ベルナードは肩を震わせ、そんな弟を慰める様にライニガー侯爵はベルナードの肩に手を置き、深い溜め息とともに首を振った。
「陛下····お義父様·····」
マデリアもあまりの衝撃に言葉が出ない。
そんな中、父親の死に肩を震わせていたベルナードがグッと歯を食いしばり、通達を持ってきた兵に目線を合わせるように膝をついた。
「当時の状況を詳しく」
「はっ·····。
まず、陛下はあちらと交渉をしようと、イスレード王にライニガー前公爵閣下を使者として送りました。
ですが、帰ってきたのは閣下の首でした。
"交渉決裂"と判断した陛下は、進軍するイスレードに対し守りを固めましたが、それを突破されました。」
「何故、妃殿下だけ捕虜に??」
「·····わかりません。
ただ、イスレード王が妃殿下を見てすぐに"自分の側室にする"といって·····。
彼奴等····陛下の首を落とすだけでなく、その目を潰し晒し者にするなど·····これはもはや我が国への侮辱。奴等は徹底的にこの国を蹂躙するつもりでしょう···」
その言葉に悔しそうに周囲の人々は息を呑む。
イスレード国が進軍してくる。我々がいる"王都の門"は最後の砦。
なんとしてでも守らなくてはならない。
義兄であるライニガー侯爵が大きく息を吐いて、そして大きな声をあげた。
「命をかけて、なんとしてでもこの門を死守する!!」
「はっ!!!」
マデリアは覚悟を決めた。
祖国を敵にし、セルバス王国を守る覚悟を。




