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ガイアスの聖なる大樹  作者: 琵琶ノ弦
序章

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3/26

降伏


***


「来たか、ベルナード。」


急いで国王がいるという大広間に向かえば、そこには国王の他に、第二王子妃、皇太子夫妻、その子供らの王子王女、要職に就く貴族たちがいた。



「お呼びと聞いてまいりました」


ベルナードは深々と頭を下げる。マデリアも彼の少し後ろで頭を下げた。

随分な顔ぶれである。


一体どの様な話なのだろうか。マデリアは一抹の不安を覚えた。


「うむ。

まず、ウィンドガルム伯爵夫人、フリンゲルツ男爵家の事は申し訳なかった。申し開きもない-----」


全ては自分の采配ミスであり、恨むなら自分を恨んでくれ。言外にそう聞こえた。

自身だって息子である第二王子を亡くしているのに、だ。


「陛下·······、その様に仰らないで下さいませ。

養父母(両親)や義弟は、必死に国を守ろうとしただけでございます。」


それだけ言うのが精一杯だったが、その言葉は本心である。

セルバス国王を恨む気は毛頭ない。全ては侵攻してきたイスレード王国に非があるのだから。


「······申し訳ございません」


思わずそんな言葉が口をつく。

その謝罪の言葉に、セルバス王国はフッと黄金色の瞳を綻ばして優しく笑った。


「お主が謝る事はない。」


マデリアは悔しさのあまりに奥歯を噛んだ。

セルバス国王は一度大きく息を吐き出して、それで意を決して口を開いた。


「降伏しようと思う」


その言葉に周囲にどよめきが起こる。


「私の首一つで事態が収まるなら、易いものだ。

その後はイスレード国王の属国か、吸収されて領地になると思う。

イスレード王は幼い頃からの顔見知りだ。なんとかその二つのどちらかで収めてみせよう。


どちらにしろ、今後の事は皇太子であるアルベルトに任せるから、皆の者は···どうかアルベルトを支えてあげてほしい」


静かなその言葉に、周囲の者たちは悔しそうな顔をして国王に頭を下げる。


<何故、こんなことに>


ここにいる皆が同じ気持ちだろう。

我々が何をした。何故こんなことになった。


数日前までは、穏やかで笑顔溢れる国だったのに。   


そんな中、唐突に第二王子妃・セレスティアが一歩前に出て、国王に頭を下げた。

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