親友
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礼拝堂での祈りを済ませたメニアドールは、時計を見て"もう少し図書館で調べ物が出来そうだな"と思い、再び図書館に足を向けようとした。
「メニアドール!!」
時間が巻き戻る直前まで、十年以上"マデリア"として生きてきた為か、少しばかりその呼び方に違和感を感じながら振り返った。
紅茶ような赤みが強い茶色い髪に、綺麗な青色の瞳。
メニアドールと同い年くらいの女の子。
フワリと、忘れかけていた記憶が蘇る。
「アリーシャ!!」
イスレード王国三大公爵家の一つ、エルファエル公爵家の次女。
アリーシャ・エルファエル。
メニアドールの親友だった少女だ。
同じ公爵家で、年もメニアドールより一歳だけ上。
故に幼い頃はよく一緒に遊んでいた。
「久しぶりね。メニアドール。
最近、お妃になるお勉強ばっかりで、つまんなかったから貴女に会えて嬉しいわ」
メニアドールは"そうだった"と彼女の顔を見て、昔のことを思い出す。
アリーシャは、時間が巻き戻る前にセルバス王国を滅ぼしたイスレードの王、ライオル・フォン・イスレードの婚約者だった。
"婚約者"であって、"王妃"ではない。
メニアドールが15歳の時。突然、彼女はライオル王子に婚約破棄をされる。
その出来事があった3日後、わずか16歳で彼女は自らこの世を去った。
メニアドールが家出をする、四ヶ月程前の出来事だ。
「ホント、久しぶりね。元気だった??」
親友の笑顔に、メニアドールも少しばかり心が温かくなる。
メニアドールの記憶にある、彼女の"最後の記憶"は頬はやつれ、目の下にはクマを作り、この世の全てに絶望した顔だったから。
「元気よ!!
貴方に聞いて欲しい話がたくさんあるの。
この後時間どうかしら??礼拝をすぐに終わらせるから、少し待ってて欲しいの」
快活に笑うその健康的な顔に、メニアドールは"勿論"と笑顔で答えた。




