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「ようこそおいでくださいました。メニアドール様」
大教会の神殿について早々、仰々しく出迎えてくれたのは、白髪交じりの金髪に優しい垂れた目をした紫色の瞳が印象的なこの大教会の司祭長、ハルモニア・リゼ・イスレード。
イスレード王国に在住する神官の頂点に立つ彼女は、"イスレード"の名のから察する通り王族、先王の第一王女であり現国王の姉。先王の第三王子を父に持つメニアドールとっては伯母にあたる。
「御機嫌よう。ハルモニア司祭長様」
メニアドールは"年相応の対応"を心がけつつ、当たり障りのない挨拶をして軽く頭を下げる。
時が戻る前、家出をしたメニアドールはひとまずこの大教会を頼った。その際、セルバス王国の片隅にある修道院を紹介してくれたのは彼女であった。
「申し訳ありませんが、礼拝堂はただいま先客がございます。暫くお待ちくださいますか??」
「はい。大丈夫です」
礼拝堂は訪れる人が心穏やかに神と対話する場所。
故に式典などの特別な場合を除き、基本は礼拝堂に人が入っている場合は待たなければならない。
「図書館で本読んでてもいいですか??」
「勿論でございます。
礼拝堂が空きましたら、お呼びいたしますわ」
大教会の隣にある、"王立図書館"。
そこには、昨今流行りの大衆向けの小説を始め、歴史書や聖典の写しなどの本も貯蔵している。
この図書館こそがメニアドールの目的だった。
ただ、この図書館は大教会が管理している為か用事がある者はこの大教会で祈る為、怪しまれないように来ただけである。
司祭長への挨拶も済んだことだし、さっさとメニアドールは目的の図書館に向かったのだ。




