ヘイストス教
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"ヘイストス教"。
それがイスレード王国含め、この近辺の諸国で信仰されている宗教だ。
イスレード王国の西側、丁度隣国セルバス王国との境辺りに"ヘイストス山"と言う山がある。
この山には"一晩で国一つ丸呑みする"火竜が眠っている"という言い伝えがあり、この国は、その火竜を神として建国以来ずっと信仰している。
セルバス王国も"ヘイストス教"を信仰していた。
朝食を取ったあと、簡単に支度を済ませたメニアドールは早速王都にある大教会に向かう。
王国内に教会はたくさんあるが、この大教会はそれらの教会を纏めるモノで。
"大教会"と呼ぶにふさわしく、そこに務める聖職者は百人近くおり、建物の大きさ的にも王宮とそこまで変わらない大きさだ。
<"ガイアスの聖なる大樹を再び"···。再びって事は、かつてそれが"存在した"ってことよね??>
馬車の外の移り変わり景色をぼんやりと眺めながら、メニアドールは考える。
<"聖なる大樹"····。
そのままの意味を取るならば、"樹木"よね····??私が知らないだけで、ヘイストス山にそういうのがあったりするのかしら??
"火竜"が眠っている"山"だもの
。"聖なる大樹"の一本や二本生えていても不思議ではないわ。>
ヘイストス教はこの近辺の諸国の国境を越えて信仰されている宗教。
故に、ヘイストス山を含むあの辺り一帯は、どこの国にでも属してはいない山だ。あくまでも"ヘイストス教"が管理する山である。
ヘイストス山は"神域"であり、ヘイストス教の聖職者以外は立ち入り禁止である。
<仮に"ガイアスの聖なる大樹"がヘイストス教の関係なら、厄介な相手になるわ>
ヘイストス教は、どの国にも属している宗教団体。
"どの国にも属している"ということは、"どの国にも属していない"ということだ。
その規模は一種の"宗教国家"と言っても過言ではない。
加えて近隣諸国につながりがある為、イスレード王国を相手取るよりも厄介である。
それでも、"守る"と決めたのだ。
<弱気になってる場合じゃないわよ!!>
メニアドールは両手で頬をパチリと叩き、己に喝を入れたのだった。




