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ばぁやが入れてくれたホットミルクを飲んだあと、メニアドールは朝食をとるために食堂に向かった。
「おはよう。メニアドール。」
食堂で出迎えてくれたのは、己と同じ銀髪と紫色の瞳を持った少年、兄のカルロスだった。
家出の際、メニアドールの唯一の心残りが兄だった。
"マデリア"が結婚した頃、風の噂でイスレード王国騎士団長になったと聞いたが、それ以降は何も聞いていない。
<騎士団長がお兄様······。
だとしたら、お兄様はセルバス王国侵略に関係しているのよね>
兄のカルロスはメニアドールの二つ上。
つまり今、彼は12歳の子供である。流石にこの年齢で関係があるとは思わないが、いずれは"関係者"になるに違いない。
「おはようございます。お兄様」
メニアドールはにこやかにカルロスに挨拶を来て、兄の隣に座った。
席についたタイミングで、二人の目の前にはサラダと焼いたパン、スープが使用人たちによって置かれて。
「お父様は既にお仕事に行かれたから、僕達だけでいただこう」
「はい」
そう返事して、メニアドールは目の前の食事に手をつけた。
黙々と食事をしながら、これからの事を考える。
<"ガイアスの聖なる大樹"を調べるのはいいけれど····、どうやって調べようかしら??>
"聖なる"と付くくらいだから、教会関係の言葉だろうか。だが、"ガイアスの聖なる大樹"という単語は聞いたことはない。
聞いたことはないが、"関係ない"と決めつけるほど、詳しくもない。
<取り敢えず教会辺りから当たってみましょう。>
そう思いながら、サラダの付け合わせのトマトにぷすりとフォークを刺した時だった。唐突に"メニアドール"と兄に話しかけられ、ふとそちらに視線を向ける。
「はい」
「午後から剣術の稽古をするけどお前もやるかい??」
この頃のメニアドールはお兄ちゃん子で、兄がやる事は何でも真似する年頃だった。
剣を振るうきっかけになったのも兄だ。
イスレード王国では女性は剣を振るうことはないので、実力を発揮する場面はなかったが、巡りに巡ってそれがセルバス王国でとても役に立った。
「はい。是非ご一緒させていただきますわ」
これからメニアドールが対峙するのは、一国を滅ぼさんとする大掛かりな計画だ。
"知ってしまった"が為に命を狙われるなんてこともあるかもしれない。自分の命は自分で守らなければ。
故に、"身を守る術"を鍛えておいて損はない。
「午前中は教会に行ってもよろしいですか??」
「あぁ。構わないよ」
予定は決まった。
"教会で収穫があればいいけど"。そう思いながら、メニアドールは、フォークに刺したトマトを口の中に入れたのだ。




