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「どういう事·····??」
自分はセルバス王国の王都の門を守る為に戦って、そして死んだはずだ。
何故、十年以上前に縁を切った家で寝ていたのか。
そこでふと視線を下ろし、窓枠に置いた己の手を見つめる。
掌も手の甲もじっくりと見つめた。記憶にある手より、さくて柔らかくて、豆一つない綺麗な手。
不思議に思い、母の鏡台に向かう。
そして、鏡に映った己の姿を見て、愕然とした。
「若返っている??」
若返りなんてものじゃない。
鏡に映った、己のその姿は10歳前後の子供の姿だった。
<"夢"??今までのが??>
"夢"というその仮説はすぐに打ち消す。
アレは、あの生々しさは。
養父母や義弟、夫や義家族と笑い合った幸せのあのひとときが夢なんかじゃない。
その幸せが崩れた時のあの絶望感は、"夢"であるはずがない。
ならば。
<何が起こってるの??>
マデリアは鏡に映った己の姿をキッと見つめる。
そこでふと、寝間着の端から、首にかかった装飾品のチェーンに気づく。
<まさか>
マデリアは慌てて、そのチェーンを引っ張った。
小さな宝石がついたネックレス。
夫のベルナードがプレゼントしてくれたもの。
彼が送ってくれた装飾品はたくさんあったが、このネックレスがとりわけお気に入りで、マデリアは四六時中身に着けていた。
やはり。
"あれ"は、夢ではない。
その時、コンコンとドアを控えめにノックする音が聞こえて。"失礼いたします"という声とともに、一人の老婆が入ってきた。




