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魔力0で最強の大賢者~それは魔法ではない、物理だ!~  作者: 空地 大乃
第四章 マゼル学園奮闘編

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554/561

第551話 魔力0の大賢者、普通に授業を受ける

新章突入です!

いつも感想や誤字脱字報告を頂きありがとうございます!

 イロリ先生の授業が、いよいよ始まった。


 これまでは自習ばかりだった旧校舎の教室に、今日はチョークの音が小気味よく響いている。

 黒板を走る白線。淡々としているのに妙に耳に残る声。


 不思議だ。

 ただ普通に授業を受けているだけなのに、なんだか少し嬉しい。


 学園に通っているんだなって、そんな実感が胸の中に広がっていく。


 そして――昼休み。


 教室には、すっかり魂が抜けたようになっているアズールとメドーサの姿があった。


「こ、こんな筈じゃ……」

「嘘でしょ。先生、こんな厳しいなんて……」


 二人とも机に突っ伏したままピクリとも動かない。


「……俺も反省すべき点はあるが、お前らこのままじゃ次のテスト普通にヤバいぞ」


 イロリ先生が頭を押さえながら深いため息を吐いた。

 その言葉に、アズールとメドーサが恨めしそうな目を向ける。


「仕方ねぇ。お前ら二人はしばらく放課後残れ。面倒見てやる」

「いや、それってつまり放課後も勉強ってことか?」

「当然だ」

「いやぁああああぁぁッ!?」


 メドーサが椅子から転げ落ちそうな勢いで悲鳴を上げた。

 うん。これは流石に仕方ないと思う。


「だ、大丈夫だよ! 先生、僕も放課後一緒でいいですよね?」

「別にいいが、マゼルに教えることはあまりないぞ」

「で、でも協力できることもあるかもしれないので」

「……ま、好きにしろ」


 そう言ってイロリ先生は軽く手を振り、教室を出ていった。

 その背中を見送りながら、アズールが机に額を打ち付ける。


「くっ……自習がなくなったと喜んだが、こんなキツい現実が待っていようとはな! おもしれぇ!」

「絶対それ強がりよね……」

「うぅ、小テストは平均以上だったのに……」


 メドーサが本気で落ち込んでいる。


「二人とも、小テストで覚えた知識がほぼ抜け落ちていますとお答えします」

「辛辣だねメイリア」


 ドクトルが苦笑した。

 でも実際、メイリアの言う通りなんだろうね。


「安心しろ。俺も放課後付き合ってやるから」

「わ、私も一緒に残ります!」

「ガウ!」

「ピィ!」


 ガロンに続き、アニマもシグルもメーテルも声を上げる。


 皆、なんだかんだで放っておけないんだよね。


「よし! そう決まれば食堂に行こうよ!」

「いや、何が“そう決まれば”なんだよ」


 両手をパンっと叩いて立ち上がったリミットに、アズールが半眼を向ける。


「だって放課後に向けて体力つけなきゃでしょ? それに休校中ぜんぜん食堂行けなかったし! ハニーちゃんのスペシャルメニュー食べたくて仕方ないもん!」

「結局自分が食べたいだけじゃない――でも確かに気になるわね」


 呆れながらも、メドーサもその提案には乗り気のようだった。

 確かに、休校中は本校舎側にもほとんど行けなかったからね。


「それじゃあ皆で食べに行こうか」

「私は遠慮いたしますとお伝え――」

「マゼル~! 一緒にお昼行こうよ~!」


 元気な声と共に、ビロスが勢いよく教室へ飛び込んできた。


「ハニーが新メニュー用意して待ってるんだよ! ハニーパフェだって!」

「ハニーパフェ?」


 ちょっと気になるかも。


「で? 遠慮するんじゃなかったのか?」

「……マスターへ提供する料理の参考になる可能性がありますので」

「お昼は皆で食べた方が美味しいよね♪」


 新メニューの存在を知った瞬間、メイリアも同行を決定していた。


 うん。でもリミットの言う通りだと思う。

 お昼は、皆で食べた方が美味しい。


 そんなことを考えながら、僕たちは賑やかに旧校舎を出て、本校舎の食堂へ向かったんだ。

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