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22/22

家族が増えました

この話にて完結となります。

拙い文章でしたが最後までお付き合い下さりありがとうございました


皆様こんにちは


体は10代、頭脳は1000才のカデリーナ=デッケルハインと申します。


一応この世界…カステカートにも二の季…夏という気候の時があります。流石に日中の気温が40度を越えたりは無いのですが、今年はまさに私には初体験の暑さになっております。


「妊婦さんってこれほど暑くなるのですね。あ、オリアナお義母様…アイスクリムもっと食べます?」


「カデちゃん、悪阻はないの?元気ね~」


私の旦那様ヴェルヘイム=デッケルハイン様のお母様、オリアナ様は現在妊娠31週目…お腹も大きくなっています。どうやらこの世界では…産み月はお腹の子の成長で左右されるらしく…平均はもう少し早く出産…という方が多いようです。


そして私も只今妊娠…8週目になります。なんと悪阻らしい悪阻が無いという妊婦さんであります。それもそのはず…お腹の子が常に治癒魔法を発動しているのです。


別の意味でシュテイントハラルの威力を感じております。


今現在、二人も妊婦さんが居るという我が家ですが、うちの家にはお手伝いしてくれる人がたくさんいます。


今もオリアナお義母様の横で、ウォッテルカリン夫妻がニコニコしながら食事の後片付けを手伝ってくれています。


ガンドレアからカステカートに移り住んで数月、随分落ち着かれたようですね。


ウォッテルカリン夫妻とガンドレアの第二魔術師団長のジーケンス=リバントレ様、子供達男の子三人とメルリンちゃん…皆さんの今後をどうするか…話し合いをしましたところ、ガンドレアから離れて過ごしたいとのことだったので…


ウフフ…私は思いつきましたよ…今計画中の『民間の治療術医院』の医院スタッフが見つかったんじゃありませんか?これ?


それに更に思いつきましたよ、この家を改築して医院兼自宅にすればいいんじゃない?所謂町医者ってこんな感じですよね?


そうと決まれば…とウォッテルカリン夫妻と祖父でもあるジーケンス師団長を口説きましたよ。だって夫のダーンさんは副師団長で治療術士ですよ~まさにプロ中のプロ!


そしてジーケンス師団長は…なんとユタカンテ商会に就職が決まりました。


バルミング主任が同年代のおじさん(失礼)で魔術師団長だと分かると家に押しかけて来て「ユタカンテで仕事を手伝ってくれ」と必死のスカウトをかけたからでした。


要は同世代の友達が欲しかったんでしょう?


と、その話を聞いたレモネア伯母様が笑っておりました…


「今日は内装の工事が始まるんでしたよね?」


ダーンさんが息子のクラエット君(次男)とビューイット(三男)に抱き付かれながらキッチンから出て来ました。子供達はお父様にベッタリですね。今までお仕事で一年以上離れて暮らしてきたし、甘えたい年頃ですものね。


ダーンさんに聞かれて壁に張っているホワイボードの施工日程表を確認しました。


「業者の方が来られるのはお昼からですね。それまでは子供達と術のお勉強をしましょうか」


因みに私の旦那様、ヴェル君は今日は泊まり勤務です。ジーケンス様は先程ユタカンテ商会に出勤して行かれました。


居間にロイット君(長男)クラエット君、ビューイット君とあのロブロバリント第一師団長の実子であるメルリンちゃんが集まってきました。


なんと皆『視える目』を持っているのですよ!ヌフフ…未来の治療術士の卵ですよ~!英才教育でビシビシ鍛えますよ~!


「カデ姉ちゃん…これ上手く出来てる?」


「えらいね~上手だよぉ~!」


ビシビシどころか…すっかり孫に甘いおばあちゃん状態です。一生懸命魔術陣を書いているクラエット君を見て目尻が下がっております。


ダーンお父様の魔術授業は非常に分かりやすいです。決して声は荒げず丁寧に分かるまで説明しています。


「へえ~そうなんだ!うん、うんそれで~」


と、メルリンちゃんの明るい声が聞こえてきます。後ろを見るとメルリンちゃんが、オリアナお義母様の隣に座ってお腹の子と会話しているようです。


すごいね…どうして会話出来るんだろう?


メルリンちゃんに聞いてみたところ、


「嬉しいとか楽しい…とかそんなのくらいしか分からないよ~?あの子元気いいよね!」


と曖昧な答えが返ってきました。確かにオリアナお義母様のお腹から感じる魔力波形は、弾むように動いていて、メルリンちゃんの相槌にタイミングよく答え返してるようにも見えます。


「姫様、業者の方来られましたよ」


ルラッテさんが居間に顔を出しました。おっと、もうそんな時間か…昼食の下準備は済んでいるから、後はルラッテさんとロイット君達のお母様のフリジリカさんにお任せして…


私は長男のロイット君と内装業者さんの所へ行きました。


最近ロイット君は私の付き人という立ち位置です。これはヴェル君とダーンさんが私の妊娠が分かった時に、仕事の都合で身重での外出の機会も多い私に何かあっては…と、防御魔法に特化しているロイット君を側付きとして置いておくことを決定したからなのです。


ええ、現旦那様兼元護衛様の意見には従いますよ。それになんだかんだ言ってもロイット君とあちこちのお出かけとか楽しいですしね。ロイット君も「毎日楽しいです!」と嬉しそうだしね。


「ご苦労様です!」


うちの屋敷の一角、裏口辺りを医院の玄関にしようと、絶賛改築中です。今日は壁紙の施工ですよね。


「こんにちは、カデリーナさん。この窓の辺りは飾り窓にするんですよね?」


と、内装業者のお兄様達と話しを始めました。しばらく図面を見たりして現場の指示をした後、隅に置いてある椅子に腰かけました。ロイット君も横に腰かけています。


「医院を始めて医師はお父さんだけって…大変じゃないですか?」


とロイット君に聞かれて、ふむ…とロイット君を見た。


確かロイット君は11才。クラエット君は10才、ビューイット君は7才メルリンちゃんは6才…


「ロイット君…あのね、シュテイントハラルの術士規定で12才からしか資格試験は受けれないけど、来年受けてみませんか?『医療術士』の資格。シュテイントハラルの医術医院の術士資格持っていたら、どこの術医院でも優遇されるらしいですし、持っていればここの術医院の評判も上がりますしね。それに…お父様のお仕事を助けることが出来ますよ?」


ちょっと難しい話だったかな~と思ったけどロイット君は聞いた途端パアァ…と顔を輝かせた。


「…っはい!受けます!僕っ頑張ってお父さんとカデお姉ちゃんのお力になりたいです」


ううっ目頭が熱くなるわ…なんていい子なの。内装工事業者のお兄様達も皆、目頭押さえてるわ。


ここで医療術医院を開設して


ロイット君達を立派な術士にして…


オリアナお義母様の子供、ヴェル君の弟妹…そしてソッと自分のお腹を摩りました。まだ微量ですが魔力の波動が返ってきます。


「すごいね、また治療魔法かけてるね!」


うん、私の子もすごい治療術士になってくれそうね。楽しみだな~。ロイット君の頭をグリグリ~と撫でてあげました。


嬉しそうなロイット君の顔を見ているととても和みます。


まだまだ大変そうですがカデリーナは頑張ります!


                            FIN

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