18話
その後、アミュリシアが立ち去った後も作業をしていた内の一人近づいて来てこう言った。
「君がレオン・ウェスコット君だね、俺の名前はロバート・タジウスだよろしくな、アミュリシア様から話は聞いている、どこに宿泊しているのか教えてくれるかい?そこまで案内しよう」
そう言ってきたのは、年は割りと若そうな金髪の男性だった。
案内してもらえるのはありがたいし断る理由もないので、宿泊先を言おうとした時、ある事実が浮かび上がってきた。
俺、どこに泊まってるのか分かんないじゃん!!
そういえば、初めての王都でうかれまくって、宿泊先の名前を聞いてなかった…
やばい…どうしよ…
そうすると、こっちが固まっているのが分かったのか、ロバートさんが恐る恐る尋ねてきた。
「ま、まさかどこに泊まってるか分からないわけじゃねえよな!?」
はい、そのまさかです…
「はぁ…まあいいや、取り敢えず一度城まで行って、お前の親父殿を探すか」
そう言うと俺の手を掴み歩きだすロバートさん。
「あーあ、これならさっき他の連中に、ついてきゃよかったな」
「と、ところで」
「ん?どうした」
ここで俺はさっきから気になっていること、を尋ねてみることにした。
「城ってどこのですか?」
「ああ、そんなの決まってるだろ、王城だよ」
お、王城…
はは、そんなの嘘だよな…
ロバートさんも冗談がきついなぁ…
「現実放棄してるところ悪いが、本当だからな」
ここでとどめを刺してくるロバートさん、せっかく現実を直視しないようにしてたのに…
「むしろ当然だろ、お前は一国のお姫様を助けたんだぜ、逆に何でアミュリシア様が、お前をすぐ宿に帰らせようとしたのか不思議だぜ」
それもそうか、確かに普通だったら、それが当然の対応だろう。
まあ俺も大事になるのは嫌いだからいいけど…
「お、見えてきたぞ」
ロバートさんがそう言いながら王城を指さす。
そこには、馬車で王都を見たときにあった、質素ながらも厳かさを感じさせる城があった。
「ほら、ボーッと突っ立ってないでさっさと行くぞ」
「あ、はい」
こうしてロバートさんと談笑をしながら歩くこと二十分程、王城に入るための門の所に行く。
門の前には門番をしている騎士が二人いた。
むこうは近づいて来る俺達に声をかけてきた。
「おいロバート、子供を誘拐してきて何しようってんだ?」
「ばか野郎!!そんなんじゃねえよ!!」
「じゃあ何だ、お前の隠し子か?」
「そんなんでもねえって!!」
二人の騎士にからかわれて必死に反論するロバートさん、そしてそれから五分くらいたってからようやく本題に入れた。
「それで、その子は誰なんだ?」
「だから迷子だよ迷子」
「おいおい、お前がただの子供を連れてくるわけないだろ」
「ああ、こいつはアミュリシア様を助けてくれたんだよ、そんで泊まってる場所が分からないって言うから、親を探そうと思ってな」
「何!!この子が!!」
「さっき帰って来た奴等の言ってた事は、本当だったのかよ!!」
え、そんなに問題になってんですか俺…?
「ふぅ、まあ取り敢えず中に入れてくれるか?」
「あ、ああ分かった」
そう言って道をあける門番さん二人、その二人の間を通って王城に入る。
初めて王都に来たと思ったら、王城にまで入る俺…
無事に故郷に帰れるのだろうか…
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