16話
まさかこの年で迷子になるとは…まあ五歳だからいいと思うけど
はぁ、それにしても、こんなにも人がいるとは思わなかったなぁ、さすが王都!!
なんて思ってる場合じゃないか、とりあえず宿まで行けば大丈夫だろ。
…なんて思ってる時もありましたよ、ええ
宿を目指していたのに、着いたのは人通りの少ない路地裏…
周りは薄汚れた壁だらけで、道にはいろいろな物が捨ててある。
こんな所にいつまでもいたら危険だよね、というわけで失礼しました。
そんな感じで、その場を立ち去ろうとした時、目の前を走り抜ける三人の男達、しかし俺の気を引いたものは男達ではなく、男達の一人が持っていたボロボロの袋から出ている子供位の足だった。
これはあれですかね、誘拐的な感じでしょうか…
そう考えると同時に体は動いていた。
「火の精霊よ我魔力を使いてその力を表さん!!ファイヤーボール!!」
ファイヤーボールは初級で習った火魔法で、一番練習したためコントロールしやすく、同時に三個までなら出せるため、この場では一番いいと思った。
そして拳位の大きさのファイヤーボールは、男達の背中や足に当たり、突然の攻撃に驚いた男達は足を止める。
「うわ、なんだ!?」
「あちっ!!」
「ぐっ!!どこからだ!?」
三人が振り向いた時、辺りにいるのは俺一人、当然気づいた男達は怒りをあらわにしている。
「このガキ!!」
「ま、まてうかつに近寄るんじゃない!!」
一人が静止するものの、頭に血が上っている誘拐犯Aは、こちらに近づいてくる。
その前に出てきた一人を狙って、ふたたびファイヤーボールを放つ、しかも今度はさっきのより大きいサイズで、ボウリングの球位はある。
「ぐわぁ!!」
「ちっ!!だから言ったろ!!」
一人がやられた為か残りの二人は、警戒していて近寄ってこない。
向こうは近寄らないと攻撃できないかも知れないが、こっちは魔法で遠距離攻撃ができる、このまま攻撃し続ければ、誘拐犯どもを捕らえる事ができるだろう。
「できたぞ、どけ!!」
子供を抱えていたと思われる男(誘拐犯C)が、そういうと入れ替わるように、前にいた男(誘拐犯B)が下がる。
すると誘拐犯Cは、水属性と思われる魔法を使ってきた。
慌ててそれを避けると鑑定眼で、誘拐犯Cを視る。
名前:マッケイラ
レベル:22
種族:人間
HP:103/103 MP:53/83
職業:盗賊
先天性スキル
水属性魔法レベル23
後天性スキル
短剣術レベル18
盗術スキルレベル22
消音スキルレベル9
水属性魔法のレベルが20を超えているということは、中級辺りが使えるということだろう。
さっき急に水属性魔法を使ってきたのは、中級魔法のため詠唱が長かったのだろう。
「どうだ、くそガキ!!てめぇの初級火魔法じゃ勝てねえぜ!!」
誘拐犯Cの言った通り俺の使っている初級火魔法では中級の、ましてや水魔法など打ち消せる訳がなかった。
しかし一つだけ中級の水魔法に打ち勝てる魔法を知っている。
火魔法と風魔法の合成魔法ファイヤーワインドを…だが練習では一度も正解しなかったし、これで出来なかったら魔力も0になるだろう、だが何もしずに終わるわけにはいかない。
…やるしかない!!
そう決めると俺は詠唱を始める。
「火と風の精霊よ、我魔力を用いてその力を表さん!!」
「初級火魔法じゃ俺に勝てねえぜ!!」
「ファイヤーワインド!!」
ファイヤーワインドを使うと誘拐犯Cが驚いたのが分かる。
「な!!このガキなんで上級火魔法が使えるんだ!?」
誘拐犯Cが必死に水魔法で打ち消そうとするものの、火の勢いは弱まらずやがて誘拐犯Cを包み込むと、中から凄まじい叫び声が聞こえた。
死んでないよね?
「ひ、ひぃぃ!!」
その様子を見ていた誘拐犯Bは、誘拐してきたであろう子供を置いて逃げてしまった。
追いかける元気がない俺はボロボロの袋に近寄って中の子の様子を確かめる
中にいたのは身形のいい子で貴族か豪商の子だろう。
しかし一番目を引いたのはその子の顔だ。
将来絶対に、美女や美少女と呼ばれるであろう美貌を持った少女。
これなら誘拐されるのも分かるなと、考えていたら不意にその子が目を開けた。
「ここはどこ?」
それが俺とアミュリシア・ディアシスとの出合いだった。
急展開すぎますかねw
誤字脱字、アドバイス等ありましたら感想で教えてください。




