ⅩⅣ 秘密の部屋
「貴殿の邸宅に呼ばれるのは初めてですね。しかもこの様なタイミングに―― 何か重要なお話があるのでしょうか?」
帝都ティタン中心部より少し北に位置する皇位継承者直轄地。その地と官庁区との境にその邸宅はあった。
もともとこの邸宅は邸宅ではなく直轄地警護の衛兵が用いる事務所であり拠点であったが、その事務が正規軍に移管されてから資料庫となっており、クローヴィス第一皇子はこの建物をヴォイニッチの邸宅として彼に下賜していた。
ただ、ヴォイニッチは住の拠点を与えられたものの出先で睡眠をとる事が殆どであり、ヴォイニッチ邸は今も資料庫時代と姿は変わらず、人の匂いが無いものであった。
「招きに応じてい頂き感謝しますクレナイ殿。
では“重要な話”をするに相応しい場へとご案内いたしましょう」
出迎えたのはヴォイニッチ本人。彼がパーソナルスペースに他人が立ち入ることを嫌うのか、この邸宅には使用人の一人もいなかった。
「ええ、お邪魔しますわ」
スカーレット・クレナイがヴォイニッチの邸宅に招かれた日、帝都は奇妙な空気に包まれていた。
レクイエムが失敗に終わり、帰還兵が続々と帝国の地に至る昨今。さぞ空気が重いかと思えばそうではなく、帰還兵は絶望どころか次の戦いへの気迫に燃えており、市民の間にも伝播していた。それは毎晩の宴という形で昇華されており、帝都商業区では電力物資制限が課されているにもかかわらず夜も光が消えることは無かった。
「オルタリアからの船路、さぞお疲れでしょう」
職務上ヴォイニッチが管轄する事になっている巨兵騎士が動かされた事に彼は不満を抱き、その事について、加えてこの馬鹿騒ぎについても聞かれるとスカーレットは考えていた。
「いえ。いい気晴らしになりましたよ」
「我が軍は先の作戦に敗走しました。ですが、今回の作戦にクローヴィス様は一切お関わりしておりません。どうかその事は――」
「ルートヴィッヒ殿下の指示なのでしょう? 無論わかっていますとも。ただ何よりだったのは敵の怪物兵器と相対してこれだけの生存者を出せたことです」
「怪物兵器…… マウントウォールは突破されるでしょうか?」
スカーレットが口にしたマウントウォールとは帝国領頭部に存在する山脈と基地が融合した防衛施設であり、リーリシア王国や旧リーディア王国による本土中枢侵攻を防いだ最大の功労者であった。
「さて、どうでしょう。かの自然の要害は巨兵騎士を含むあらゆる王国の侵攻を防いだ。だが逆に言えば、王国はマウントウォール突破の為の準備をしているのかもしれない。その集大成があの兵器であれば、突破される可能性は十分にあると言うべきでしょう。
おっと、この話はまたの機会に」
先手を打ってスカーレットは聞かれると予想した話を切り出したが、ヴォイニッチはその話を半ばで中断した。そもそもそのような事であれば邸宅に招く必要も無くスカーレットに対してではなく直接クローヴィスに聞けばいいだけの話だった。
「失礼」
話を終え数歩進み、この言葉と共にヴォイニッチは立ち止る。そこにあるのは他の部屋とは違う重厚な鉄扉。彼はズボンのポケットから鍵を取り出すとそれの端にある鍵穴にねじ込んだ。
この部屋はかつて兵装庫として使われていた。内部には予備の銃器や銃弾、火薬が保管されており敵対者の侵入を防ぐために他の部屋よりも厳重な扉を必要としていたのだ。
スカーレットはその一枚の黒鉄に一時固まる。異様な扉の姿が“彼女のいるべき場所”を思い出させたからだ。
「どうか致しましたかクレナイ殿?」
「え? あ、いえ。なんでもありません」
首を傾げて放たれたヴォイニッチの言葉にスカーレットは我を取り戻す。そしてトラウマに近い恐怖心を胸に鉄扉の先、開けられたもう一つの木製扉を介して彼女が見たのは優しい光。そしてその瞬間ほんのりとコーヒーの香りが鼻を撫でた。
「それではそうぞ。ふふふ、この部屋に招いたのは貴女が初めてですよ」
見えない力に引っ張られるようにスカーレットは部屋へと歩み寄る。そして部屋内の“もの”が見えると歩みは速度を増した。
「これは一体……」
まず目についたのは壁に飾られた一枚の絵。それはどこかの街を描いたもので、それだけなら彼女の興味をひくものではなかったが、絵の中央に存在する見た事のない建造物が彼女の持ち前の好奇心を刺激していた。
「コーヒーをどうぞ。
これは私の故郷の街です。恥ずかしながら私がここに来てすぐに描いたものですよ」
「街…… それでこれは?」
ヴォイニッチが持って来たコーヒー入りカップのソーサーを手に取ると、スカーレットは余った手で目を引く建造物を指差した。
「これは高射砲塔。空の敵から街を守るための施設です」
「なっ? それでは貴公の故郷では鳥と戦っているのですか!?」
「ふふふ。まさか」
子供のような目をするスカーレットの言葉を軽くいなすと、ヴォイニッチは様々な模型が置かれたテーブルに自分のコーヒーカップを置いて彼女の視線を誘導した。
「これは一体何でしょう?
砲車の様ですが、何か違う。重いというか……」
ヴォイニッチの思惑通り、スカーレットはテーブルの上に置かれた模型の一つに標的を変え、舐めるように見回し始めた。
「それは戦車というものです」
「センシャ?」
「ええ。砲車のようなものです。ただ、主砲はその場で旋回し、キャタピラという帯を纏った車輪は大地の凹凸をものともしない」
「なんと……」
ヴォイニッチはもの知らぬ少女に対し、敢えて大げさに故郷の兵器について説明した。そして驚きに目を光らせる彼女を見て満足気な笑みを浮かべ、テーブル傍のくたびれた椅子に尻を乗せた。
「そのお顔…… もしや全て嘘なのでは? 私を騙して遊んでいるのではないですか!?」
ヴォイニッチのいやらしい笑いに遊ばれていると感じたスカーレットは顔を赤くして睨むと、そっぽを向き手にしたコーヒーを啜った。
「そうです。もし貴方が仰る事が真なら世界は貴方の祖国に蹂躙されていてもおかしくはないですし、帝国に於いてその技術を生かさぬのも些か解せません。つまりここに在るものは空想の産物でしかない。そうなのでしょう?」
「痛いところをつきますね。
実のところ、この世界のいずれの国も戦車を開発、まして量産なんて事は不可能でしょう」
「ほら、やっぱりそうじゃないですか」
ヴォイニッチの返答にスカーレットはしたり顔をし、腰に手を添えた。
「この世界の鉄は余りに異質すぎる。加工する過程でどうしても歪みのような構造が内部に出来てしまう。海水に対して脆弱というだけではなく、それ自体が脆いのだ」
「???」
スカーレットにはヴォイニッチの言っている事の意味が分からなかった。金属が海水に極めて弱いというのは常識であるし、だからと言ってそれが脆いという認識は無かったのである。
「そうですね。とどのつまり。
“この世界の金属”は“私の世界の金属”に比べると酷く脆く、私の世界で作れたものがここでは作れないのです。この世界では戦車を作る十分な環境が無く、砲車という未完成で不安定なものが運用されている。私に出来るのはその限られた条件で砲車を戦車に砂粒程度近づける事だけだという事です」
ヴォイニッチの言葉はスカーレットをさらに混乱させるものであった。そして彼女が彼の言っている意味を理解しようとした時、どうしても出ざるを得ない問いがあった。
「あなたは一体誰なのですか?」
まるで“この世界”ではない“私の世界”から来たような言葉に、彼女の口から自然と言葉が零れた。
そしてその言葉を待っていたかのようにヴォイニッチは立ち上がり、一息ついてから彼女の瞳を睨みつけてゆっくりと口を開く。
「私はこの世界に生まれた者ではない。こことは違う別の世界、或いはこことは違う時間軸に生まれた。言うなれば異世界人という事になろうか」
ヴォイニッチの告白にスカーレットは一瞬硬直するが、すぐに「プッ」と吹き出し、一笑に付した。
「ふふふ。あははははは。
失礼、冗談にしては陳腐すぎてむしろ笑ってしまいました」
「はぁ、予測はしていたけどそのような反応をされると少し堪えますね」
スカーレットの反応に対し、ヴォイニッチは少し大げさに溜息をついた。
そしておもむろにテーブルの脇からスケッチブックを取り出すと、仕掛けのない事を証明するマジシャンのように彼女に見せ、一枚を器用に切り離した。
「その紙がどうしたのです?」
「まぁ、見ていて下さい」
ヴォイニッチはそう言うとテーブルの上で紙を折り曲げていく。そしてそれは立体感を帯び、最終的に二枚の翼を持つ矢のようになった。
「それはいったい?」
「ペーパーダート。紙の矢です。我が国の技術者は飛行機を設計するのに先ず紙で模型を作ったものだ」
「え? 今飛行機と申しましたか? そんなものおとぎ話に過ぎません」
クレスト教の古文書にのみ存在する空飛ぶ車――飛行機。伝説上の生物と同一視されるほどそれは空想上のものと捉えられていた。
「まぁ、そう熱くならず。見ていて下さい。久しぶりに作った故、上手くいくかは分からないですが」
疑心と関心が入り混じるスカーレットの瞳を一瞥し、ヴォイニッチは部屋の最も距離を稼げる位置から対角線に向かってゆっくりと“紙の矢”を放った。
そしてゆったりと高度を少しずつ下げながら進む“それ”に少女の瞳は釘付けとなった。
「…………」
紙の矢が壁に当たり、地面に落ちた後のしばしの静寂を置き、ヴォイニッチは紙の矢を拾い上げながら口を開いた。
「勿論、飛行機はこの様に単純なものではない。人を乗せ、浮力をコントロールし、行く先を自在に操る機構が必要です」
「それも貴方が仰るようにこの世界では不可能。そういう事ですか?」
「左様です」
ヴォイニッチはスカーレットの問いに答えながら紙の矢の翼を弄る。そこは飛行機で言うフラップに当たる部分であり、この世界の素材を用いた場合この機構にさえ大きな課題があった。
「ただ、私にはどうも納得できない。
貴女は嬉しくなるほどに私の拙い玩具に感動してくれたが、これは大したものではない。この世界の異様な存在に比べれば全くもって原始的なものであろう。
例えば昨今報告にあった王国軍の機動要塞。まだ目にしていない以上、未だに私はその存在を疑っている。
だが、それを更に凌駕するのが巨兵騎士と呼称される生体兵器だ」
そう言いながらヴォイニッチはお気に入りの鞄から一冊の本を取り出し、パラパラとページを捲るとその一片を指差してスカーレットに示した。
本は彼の直筆。未だ完成には至らないが、彼はここで見知ったモノの調査をこの本にしたためていたのだった。
「強靭な体躯、リソース不要の再生、人知を超えた特殊機能、そしてそれを司るインフェクテッドとポリネイト。全く恐ろしい発明だ。貴女方が飛行機の存在を信じられぬように、私にはアレが漫然と存在している事が信じられない」
言葉が吐きだされると同時にヴォイニッチの指は動き、自ら描いた“少女と植物の融合”を表した絵をなぞっていく。
「そもそも、これらは何を糧に起動しているのか。ポリネイトとは一体何なのか。彼らは“人”なのか。考えれば考える程、疑問点が増えていく――」
饒舌は加速し、言葉に熱を帯びる。それは彼が何かを偽っていないという事をスカーレットに信じさせるに十分だった。
「……何故貴方は私にそのような事を?」
ヴォイニッチの息継ぎのタイミングを見計らい、スカーレットが言葉を挟む。彼らは盟友であるが、全てを晒す程の親しい仲ではない。彼女は彼の告白が自分に対してされた事に疑問を抱いていた。
「ふぅ……
それは私の秘密を明かさないとフェアではないと思ったからです」
「フェア?」
突然現れたワードにスカーレットは首を傾げた。
「つまり私は貴女にどうしても問いたい事があるという事です」
「っ!」
ヴォイニッチが奇異な出自を明かしてまで自分に聞きだしたい事。それは十分すぎる程彼女に覚えがあった。そしてそれは触れられたくない彼女の暗部でもあり、暑くもないのに汗が手先に触れる。
「私からも問いましょう。
“貴女は誰ですか?”」
恐れていた通り、ヴォイニッチは言葉によってスカーレットの暗部に土足で踏み込んだ。
「私は…… 私は元オルタリア考古学研究員で今はクローヴィス様より帝国臣民の――」
「嘘ですね」
「!?」
心の侵入者を排除する為、スカーレットは言葉を震わせて偽りの素性を述べたが、それはすぐに叩き落とされる。
「な、何を……」
「オルタリア共和国考古学研究員。名前だけ見ればオルタリアの研究機関の研究者のように聞こえるが、実際は国内外の古文書認定を受けた書物の収集を任務としたクレスト教旗下の組織だ。オルタリア中枢と不可分な関係上、資格取得は厳しく、最低でも30年の特殊職勤務、或いは上級司祭以上の役職が要件となっている。
女性に対しこの様な事を申し上げるのは不躾だが、前者なら貴女はあまりに若すぎる。後者は記録上あり得ない。
いや、港でクレストの宗教者と話す機会があってね。私もそこで初めて知ったよ」
主文に関しては真実であるが、最後の一文はヴォイニッチの嘘であった。
彼がこの事を知ったのは、プロメテウスの書庫に於いてであり、本来口外する事が禁じられる類のものであった。だが、彼は敢えてそれを破り、スカーレットから真実を聞きだすためのカードとして利用した。
「…………」
ヴォイニッチの示したカードの効果は覿面であった。スカーレットは唇を咬み、ただ身体を震わせて下を向き、彼と視線を合わせないよう努める。
「大丈夫です。ここにいるのは私達だけ。誰にも聞こえはしますまい」
「…………」
ヴォイニッチの言う様にこの部屋の気密性は及第点であった。内の声は外に届かず、また、侵入者がいればすぐに感知される。ここは彼の秘密部屋なのである。
だが、それを理解していてもスカーレットの口は堅く、震える唇の間から隙間なく閉じた歯が見え隠れする。
「これは貴女、そしてクローヴィス殿下の御為なのです」
「クローヴィス様の?」
「左様です」
頑なな女の口を開く魔法の言葉――それは彼女が親愛する男の名前であった。ヴォイニッチはその人物の名を口にすると、やっと顔をあげてくれたスカーレットの瞳を凝視する。
「貴女の秘密が殿下の立場を危うくさせる事もありましょう。
私は無知ゆえにその片棒を担ぎたくはありません。だからこそ知っておく必要があるのです」
ヴォイニッチのこの言葉はスカーレットの正体を探るために出たでまかせではない。プロメテウスでフローリア総祭司長が“探し人”の話をした時、彼は恐怖した。ヴォイニッチはスカーレットがクローヴィス皇子を堕落させる可能性を危惧したが、その瞬間においては彼自身がクローヴィスを危機に晒す要因になり得たのだった。だからこそクローヴィスとスカーレットの関係におけるアキレス腱を彼は知りたいのだ。
「…………申し訳ありません。私にも分からないのです」
「お分かりにならない?」
「……ええ。わ、私は別にその場しのぎの嘘を申し上げているわけではありません。どうしても思い出す事が出来ないのです」
スカーレットの答えをヴォイニッチは容易く信じなかった。彼女の持つ古文書に関する知識に偽りはなく、それはかの地で高度な教育を受けた証でもあった。それだけの知識を残し、自分が何者なのかだけ記憶から欠落しているというのは都合が良すぎるように思えたのだ。
「私の記憶で一番古いのは両親を含む大人たちが私の前で揉めているもの。私は彼らが何を揉めているのか分からず、十二人の友達と遊んでいたわ。そして一瞬視界が暗闇に覆われると、自分がいたのは見も知らぬ場所。私は窓一つしかないその部屋に閉じ込められてしまった」
だが言葉を吐きだすスカーレットの姿は何かに怯え、そして本気であった。その様子を見ると彼女を疑う気が吹き消された炎のように消えていく。
「ああ、あぁ、私に分かるのは窓からの狭い世界、誰かが持ち込んだ古今東西の物語を記した書物、そして一年に一度。
――私は私ではなくなり、“私の内からの傍観者”となる――」
スカーレットの息は荒く、絞り出すようにその言葉を放った。
だが、ヴォイニッチには言葉の意味が理解できない。
「傍観者とは? 貴女は一体?」
震える女の肩を掴み、ヴォイニッチは問うた。
「――私の中に誰かいる……
一人じゃない、沢山……
奴らはいつも私の中にいる。きっと今も私達の話を聞いている……」
スカーレットの震えは内なる得体の知れぬ恐怖によるものだ。彼女からは彼らの姿は見えず、ただその確かな存在だけが感知できる。それは彼女だけが知りうる恐怖だった。
「ありがとうございます」
怯えるスカーレットにヴォイニッチは優しく言葉をかける。
彼は彼女の姿を見た時、故郷で読んだスティーブンソンの『ジキル博士とハイド氏』を思い出していた。
「最後に一つだけお聞かせください。貴女が貴女でなくなるのは“十月十三日”でしょうか?」
「…………」
スカーレットの耳にヴォイニッチの問いは確かに届いたが、彼女は言葉を返さない。だが無言もまた答えであった。
スカーレットが返事を拒んだ事でヴォイニッチは彼女の正体に確信を持った。しかしこれ以上問う事は出来ない。聞きたい事は山ほどあるのだが、しぼんだような彼女の姿がそうさせないのだ。
「……ヴォイニッチ殿」
「何でございましょう?」
ヴォイニッチは問う事を止めた。だがスカーレットにはまだ言い足りないことがあるらしく、震える言葉を吐きだした。
「私の中にいる……ヤツら。アイツらなら…… きっとヴォイニッチ殿の知りたい事をご存知だ。
もし、もしクローヴィス様がお許しになるなら、次の“あの日”に……」
もはや痛みを伴うかのように言葉を発する女の姿に耐えられず、ヴォイニッチは彼女の口を優しく塞ぐと笑みを浮かべて頷いた。
「ええ。その時は貴女の中にいるハイド博士にガツンと言ってやりましょう」
そしてそう言い放つ。
スカーレットは言っている意味が分からず、一瞬呆け顔を見せたが、ヴォイニッチの空を殴る姿に笑顔を見せた。
ヴォイニッチはスカーレットを妲己の如くなるを危惧した。だがそれ以上に危険な怪物が彼女の中に潜んでいる。それをこの日知った。無論彼は“それ”を見たわけではなく、全てスカーレットの虚言である可能性もある。しかし彼には不思議な確信があった。
そもそも彼女の正体である“神子”という存在がオカルトの塊であり、それにこの様な属性が付加されてもさほどの意外性は無いように思ったのだ。
その後二人は言葉を交わすことなく、冷めてしまったコーヒーと予めヴォイニッチが用意していたサンドウィッチを食した。それは他愛のないひと時であったが、二人の関係をより密にした。




