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戦場のアウラウネ  作者: 耕眞智裕
第一章 黒鉄のバベル
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Ⅺ 奴隷王

 『リーディア旅団』。南北両大陸にまたがり活動する略奪集団。彼らは街を襲撃しては、略奪の限りを尽くしていた。

 奴隷制度自体は百年以上前に廃れ、一ヵ国を除いた全て十二王国連盟加盟国の賛成を以って大陸法に禁止条項が設けられていた。だが、その様な時代にあっても、リーディア旅団は人間を物として略奪し、ブラックマーケットで売りさばいていた。

 



「やめろ!! お前ら俺たちをどうするつもりだ!」


 鎖で繋がれ、旅団のトラックに運ばれる若いカルドバンカ市民の一人が理不尽さに怒り、叫び、鎖をじゃらじゃらと鳴らしながら必死に抵抗する。


「ぎゃぁああああ!!」


 だが、彼の抵抗はその肉体に放たれたムチの一撃で鎮圧された。その様子を見て、他の市民たちは青ざめ、恐怖に身を震わせる。


「許してぇ! もうやめてくれ!」


 地面に転がり立ち上がらないその男に更なるムチの攻撃が浴びせられ、男は許しを請うた。


「囀るな。立ち上がり、我らに服従しろ」


 ムチを鳴らしながら旅団の少女は男に言い放った。もはや、男は彼女の言葉に従いざるを得ず、立ち上がると、放心状態で歩みを始めた。


「エイプリル様。金品の接収は完了いたしました。あとは人間だけです」


 旅団の男が少女に駆け寄ると、鎖に繋がれた戦利品を一瞥し、彼女にそう報告した。


「ふふふ。今回は簡単でしたね。少しつまらなかった位です」


 錆びた首輪を付け、ぼろ布をパッチワークした奴隷服を身に纏った少女は不敵に笑う。そして、彼女は旅団の主が住まう大型車両に、進捗状況の報告の為、入っていった。

 第三特務遊撃部隊が保有していた指令室を備えた王国軍用車と同系のものが旅団の王城であり、外部は財を示すかのように黄金に彩られ、内部は略奪した宝物に溢れていた。


「御主人様。進捗は良好。あと一時間ほどで終了すると思われます」


 旅団の王城に据えられた故も知らぬ玉座に座る大男に、首輪の少女は膝を折る。


「そうか。なんともつまらなかったな。帝国の戦力も底が見えて来たらしい。お前も暴れたりないだろう? エイプリル」


 大男は立ち上がると、少女にゆっくりと寄り、首輪と頬を触りながら言葉をかけた。少女は恍惚の表情を浮かべ、甘い吐息を漏らす。

 この二人こそ、リーディア旅団が保有するインフェクテッドとポリネイトであり、王と第一の僕であった。

 王の名は『ヴォルフ・イル・リンド』。今は亡きリーディア王国の王家の人間であり、斧折樺オノオレカンバの巨兵騎士【タウラス】のインフェクテッドである。

 首輪の少女の名は『エイプリル』。王を信奉する従者であり、道具ポリネイトであると共に、旅団の実質ナンバー2である。

 二人はリーディア旅団を結成し、遊牧国家を名乗ると共に巨兵騎士の力を用いて略奪行為を繰り返した。そのうちに、組織は巨大化していき、構成員1200人を超える組織となった。特に人身売買は彼らに莫大な富を与え、十分な軍事力をもたらした。いわば、奴隷によって肥大化した王国であり、ヴォルフは時代の奴隷王と言えた。



「ヴォルフ様! エイプリル様! 東方より帝国軍部隊を確認。軍用車170両。騎兵約200!」


「東か。来るなら西から来ると思ったんだがな。……まぁいい。全部隊戦闘態勢に入れ。略奪車は南部より拠点Aに向かわせろ」


「ですが、まだ奴隷の収容が終わっていません」


「出来次第、続いて南に向かえ」


 ヴォルフの指示が発令され、旅団構成員たちが慌ただしく動きだす。彼らは新たなる戦いに闘志を燃やし、舌なめずりした。


「御主人様。どう思われますか? 私はてっきり街を包囲してくると思ったのですが」


 エイプリルはヴォルフの腕にしがみついて囁いた。


「俺も同じことを思っていた。考えられるのは三つ。一つ目は、包囲せずとも俺たちを撃滅できると過小評価している場合。二つ目は、帝国軍に包囲戦が出来るほどの余力が無い場合。そして三つ目は、あの部隊に強力な何かがある場合だ。伏兵の可能性は低く、このどれかであろう」


「警戒した方が良いですね」


「あぁ、そうだ」

 二人は互いの目を見つめ、頷き、球根に包まれた。それと同時にトレーラーに乗せられた巨兵騎士タウラスが起動し、傍に置かれた巨大な大剣を握った。




 ヴォルフの示した可能性の内の二つが的を得ていた。想定される制限時間までに到着できる部隊数は限られており、チュニシアトに存在する最寄りのラーディフ要塞に駐留する部隊はその殆どをアレハント平地の電波塔に向かわせていたため、包囲戦を行う力は無かった。それと同時に、帝都ティタンへの帰路についていた巨兵騎士ライブラを向かわせていた。

 宿木の巨兵騎士ライブラ。それは、王国軍巨兵騎士アクエリアスと同サイズの巨体に、二つの巨大な箱を両肩に背負った帝国軍最強の巨兵騎士である。圧倒的な戦闘力と引き換えに、移動力が犠牲になっており、トレーラーを用いてもその重量故に、遅れての到着になる事は明らかであった。


「先の任務は良かったですね。戦いは疲れるから嫌です」


 ライブラが乗ったトレーラーに随行する軍用車の中で、己の翠の長髪をなぞり、美しい女性が呟く。


「わたくしは退屈でしたわ。運んでは積んで、運んでは積んでの繰り返しで」


 同乗するカールを巻いた金髪の少女が言葉を返す。その言葉に翠の女性は溜息をつき、項垂れる。そして、ぼそぼそと聞き取れない声で恨み言を並べた。


「マリア様? 私達間に合うと思います?」


 少女が女性に近づき、顔を寄せ、にやけ顔でそう聞いた。


「そんな事はどうでもいいです。間に合えば敵に罰を下し、間に合わなければ私たちに罰が下る。それだけの事でしょう?」


 ライブラの操縦者マリア・マクラレンとシンチャブリュの戦意は低かった。それどころか、世捨て人の様に全てに意欲を失っていた。

 そして、二人が車に揺られている間。カルドバンカでは戦闘の先端が開かれていた。兵力に関しては帝国軍が圧倒していたが、旅団の巨兵騎士によってその優位性は崩れていた。


「脆いなぁっ! まるで果実を潰しているようだ!」


 タウラスは大剣を振り、巨鳥に乗った騎兵と砲車を薙ぎ払う。砲撃がその巨体に直撃し、炎上しながら

も動きが鈍る事は無く、かかる兵士たちを踏み潰していった。


「バケモノめ…… 砲撃がなぜ効かないんだ?! 奴は不死身だとでもいうのか?」


 炎に映える巨体を見て帝国軍兵士たちは戦慄する。誰も殺戮マシーンを止める事は出来ず、投降も許されない。敵には軍法など無く、捕虜がどのような扱いを受けるか知れないからだ。

 だが一方で、旅団側にも問題が生じていた。戦闘に人間を割いたことで、奴隷の搬入に手間取り、その一部が反抗を開始していたのである。

 そこで、ヴォルフは砲車部隊の一部を街中に戻し、犯行鎮圧を命じた。そしてその事が、帝国軍の奥の手が到着するまでの時間を作る結果になったのである。


「やっと来たか。全く」


 帝国軍部隊の後方から一台のトレーラーと軍用車が向かってくる。そして、トレーラーから巨体がむくりと起き上がり、自らの足で地に立った。


「おい! 聞こえているかバケモノ! 遅れたツケは敵の撃滅で支払え!」


「了解。敵勢力を排除します」


 帝国軍兵の通信に慣れたようにマリアは答えた。そして、後方に下がり始める部隊と逆にライブラを前へ歩ませる。


「一目散に逃げちゃって…… あの方々。今回の任務を分かっているのかしら?」


「所詮その程度の方たちです。街より、任務より、自分の命なのでしょう。分からなくはないですけどね」


 帝国軍部隊の無様な姿をライブラの二人は嘲笑する。そして、敵の砲撃射程に近づくと、戦闘の準備を開始した。









 時と場所が変わり、一日後の八月十八日。

 王国軍はアレハントに残された帝国の物資を接収し、調査と研究を始めていた。

 それを踏まえ、バレンタイン准将は唯一となった監督官であるヒュートン・ガレッジ大佐を呼び出した。


「これを見てくれ大佐」


 提示されたのは崩壊した鉄塔の破片の一部であった。黒ずみ、一部溶解しているそれは断面から二つの層で構成されている事が分かる。


「海水を受けたにも拘らず、これは倒壊を免れていた。だが、見てくれ。ここにあるものは、確かに海水による溶解の跡がみられる」


「つまり、これはオリハルコン鉄ではないと? だとしたら、海水を受けた時点で倒壊待ちだったという事ですか?」


 破片を目の先に当て、ガレッジは頭を傾げる。


「君の言う通り、海水を受けた時点で我々が何もしなくても、時間の経過で崩壊していただろう。だが、これは確かにオリハルコンだよ。ただ、純度が低いだけだ。

 知っているかい大佐? 生成や運搬の段階でオリハルコン鉄でもランページ鉱が内包されてしまうんだ。だからオリハルコンを目的の形になるように加工する際、ランページ鉱を多く含んだ周辺部位を排除する。そしてこのような副産物が生まれるわけだ」


 バレンタインは鉄片を手に取り、説明した。


「帝国が何かやろうとしているという事ですね?」


「その通りだ。副産物でこの量だとかなり大きなことをやろうとしているんだろうね」


 涼しい顔でバレンタインは答えたが、こめかみに雫の光を光らせていた。


「それともう一つ、気になる事がある。あの鉄塔だが……我々がシュペルク復興に集中していたとはいえ、一ヵ月は早すぎる」


 建設期間については誰もが疑問に思った事だ。この調査にはその謎を解明する目的もあったのだ。


「何も見つからなかったという事は、巨兵騎士を利用したのでしょうか?」


 帝国新技術の痕跡が無いのであれば、結論としてはそれしか考えられない。


「そうだろうな。だが、これほどの建築だ。巨兵騎士一体では無いであろう。我々が知る限り、帝国の保有する巨兵騎士は四体。内、鞭の騎士はシュペルクで大破し、当分の間使えない。残りは三体だが、たかが電波塔の建設のためにその内の数体を用いるだろうか? 我々にとってはあの塔は死活問題であったが、敵にとってはそうではない。そうなら巨兵騎士の一体でも駐留させるだろう」


「つまりこれは?」


「巨兵騎士の能力かもしれんな。一体で数体分の能力を持つものがある可能性を考えるべきだろう」






 時が戻り、一日前、八月十七日。炎上するガソリンと、潰された兵士達の臓物の臭いが覆うガルドバンカに巨人が巨大な足音を立てて、振動を地面に伝える。


「マリア様。敵に面白いやつがいますわ」


「巨兵騎士…… あれは私を昂らせてくれるのでしょうか?」


 ライブラの視点に繋がるビジョンからタウラスの巨体が見え始める。そして、その周囲に光が点滅すると、砲車から放たれた弾丸がライブラ周辺に打ち込まれる。


「もうそろそろ、いいですね」


「はい。ライブラの力を見せて差し上げましょう」


 砲弾が周囲に打ち込まれる中、ライブラは両手を広げ、その手先から無数の細い蔓が地面に放たれた。そして、蔓が侵入した場所が盛り上がり、ライブラの左右に二体の巨兵騎士が出現した。


「敵巨兵騎士が三体に……」


 三体の巨兵騎士の姿を見てリーディア旅団の戦意は急激に低下した。だが、それを払拭する様にタウラスが前に出て大剣をライブラに向けた。


「くくく。いいぞ、いいぞ!! これでなくてはな! 俺を倒すには巨兵騎士三体が必要という訳だ」


 ヴォルフの戦意は逆に盛り上がり、沸騰しそうになっていた。その衝動は他の旅団員に伝播し、敵の接近を許すまいと砲撃の手を強めた。

 

 遠くからの攻撃を受けながら、ライブラは作り出した二体の巨兵騎士に、背負った箱を解放する。そして、その中から左側の騎士が剣と盾を、右側の騎士が斧槍を取り出し、前へと進み始める。

 砲弾を左の騎士に盾で防がせ、歩み出るライブラに対し、旅団は射程に相手を入れながら、相手の速度に合わせ後退する。

 そして、友軍の残骸を踏み潰し、三体の巨人が街に近づくと、勢いよくタウラスが飛び出し、左の巨兵騎士に大剣を見舞った。大剣の攻撃に盾は吹き飛び、ライブラの片割れはバランスを崩す。


「なんて馬鹿力。でも、そんな事は無駄です」


 すかさず右側の騎士が手にした斧槍をタウラスに突き立てる。だが、それを受ける前にタウラスは後方に避け、距離を取る。


「おかしいな。軽すぎる……」


 ヴォルフは相手の挙動に違和感を覚えた。そして、様子を見る為に一歩下がった。

 お互い距離を取り、しばし見合った後、次に行動したのはライブラが操る剣の巨兵騎士だった。剣の騎士は盾を構えながら突撃し、剣を突き刺そうと構える。それをタウラスは大剣で払い、盾ごと弾き飛ばす。だが、今度は先よりも早く斧槍の騎士を動かしており、隙が出来たタウラスに武器を振るったが、大剣の柄から離れた左腕に止められた。

 タウラスに捕まれた斧槍は飴細工の様に折られ、次いで、斧槍の騎士は返しの大剣によって二つに割かれた。


「これで残り二体か。だがおかしい。あまりに脆すぎる」


 敵一体を破壊しても、ヴォルフの心の騒めきは収まらない。


「『ズベンアクハクラビ』大破。コネクション解除しましたわ」


「再生成開始。少しは楽しめるかしら」


 ライブラは再度蔓を地面に放ち、巨兵騎士を生み出す。その時間を稼ぐため、剣の騎士は翻弄する様にタウラスと対峙していた。そして、左の巨兵騎士改め、『ズベンアクハクラビ』は再生成され、ライブラ本体の箱から剣と盾を取る。

 再度三対一となり、ライブラは攻勢を強め、即席で生成された故の軽さを利用し、ヒットアンドアウェイで攻め立てる。


「なるほど、道理で軽いわけだ。タネが分かればどうにかなる」


 ライブラの放つ人形が左右同時に攻め込んできた時を見計らい、タウラスは大剣を捨て、両腕の甲でそれらをはじき返した。その後直ぐに直進してライブラ本体に接近すると、巨大な両肩を掴んだ。


「アッーハッハッハ!! 相手は三体ではない!! 実働する二体と、木偶の坊一体だ! 二体では俺は止められない!」


 勝利を確信し、タウラスが両肩を破壊しようと力をかけた瞬間。タウラスは絡んだ人形の様に不格好な体位の巨兵二体によって左右から挟撃された。ライブラの腕は交差しており、腕先からのびた蔓を利用して、巨兵を無理やり引き戻していたのだ。


「はぁ、はぁ、さっきのは危なかったですね。冷や汗をかいたのは久しぶりです」


 剣を装備した巨兵二体に突かれるように挟まれ、動けないでいるタウラスにライブラは腰に装備していた短剣を抜いて近づく。

 タウラスの腕に剣が突き刺さり、身動きが完全に取れない事を確認すると、ドライブシードが埋められている胸部に向け、短剣を突き立てた。


「なに!? そんな……」


 マリアは思わず声を漏らした。ライブラが突いた短剣は胸部の鎧を貫いたが、その奥でパキンと折れ、先端が失われていたのだ。

 驚き、後ずさるライブラを追うように、タウラスは怪力で巨兵二体を吹き飛ばすと、急接近し、ライブラの左足を砕いた。タウラスは一切傷ついておらず、人形の剣は半ばの所で綺麗に折れていた。


「我がタウラスに刃は通らん。そして炎すらもこの屈強な巨人には無力なのだ」


 左足が欠損し、地面を仰向けに這うライブラにゆっくりとタウラスは接近する。


「『ズベンアクハクラビ』『ブラキウム』再生成!」


「間に合え!」


 焦燥の汗と表情がマリアの顔にしっかりと現れていた。そして、二体の人形の生成をシンチャブリュに急がせる。

 タウラスは拳を上げ、ついに絶体絶命かと思われた瞬間、『ズベンアクハクラビ』が生成され、装備もなしに飛び掛かった。


「猪口才な!」


 突然の襲撃にタウラスは腕を振り、『ズベンアクハクラビ』を振りほどこうとする。その隙に『ズベンアクハクラビ』と同時に生成された『ブラキウム』がライブラの箱から何かを取り出し、タウラスの右腕にしがみついた。


「何だこいつは!」


 ヴォルフの不快そうな叫びのすぐ後、『ブラキウム』はタウラスの右腕で爆発し、辺りは火炎で包まれた。


「『ズベンアクハクラビ』『ブラキウス』共にコネクション解除。これで駄目なら打つ手なしですわ」


 ライブラの操縦者二人は拳に汗を滲ませ、明るさに目を背ける事無く、炎を凝視する。だが、その後の光景によって、二人の瞳に絶望が浮かぶ事となる。

 炎から現れたタウラス。その右腕は黒焦げになり、一部欠けているが未だ健在であった。


「御主人様! 右腕の負荷が限界近くに至っています」


「ここまで痛めつけられたのは初めてだな。奴隷収容の進捗状況はどうなっている?」


「反抗が想定以上に激しく、未だ完了していません。さらに、帝国軍部隊が南部より接近しているという情報もあります」


「潮時か」


 ライブラはほぼ動くことが出来ず、再生成した『ズベンアクハクラビ』『ブラキウス』に爆弾を持たせ、相手の接近に備えていた。


「先ほどの爆発はアレか。なるほどねぇ…… 奴隷の回収は出来なかったが、十分な収穫はあった。欲が強すぎると身を亡ぼすな。

 エイプリル! 旅団全員に伝達。カルドバンカを放棄し、撤退を開始せよ」


 ヴォルフは指示を出し、自らも戦闘不能になったライブラから炎を纏いながら離れていった。


「助かりましたの? 私達……」


「そうですね。生かされたという訳です…… 私たちがアレに勝てる道筋は、本体を潰すしかなかった。でもそれすら、街中に紛れさせることで難しく、彼らが後退し始めた段階で我らの敗北は決していました。完敗です」


 二人は球根の中で項垂れ、生を実感すると共に、戦い方を反省した。

 結果的に市民は助かったものの、多くの金品が奪われ、帝国は苦い思いを噛みしめた。そして、後にアレハント鉄塔の崩壊と共に本土に報告され、軍上層部の頭痛の種となった。


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