↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
11/22

【下剋上の結末編】第十一段 久秀、信長のもとで槍働きをすること

【下剋上の結末編】第十一段 久秀、信長のもとで槍働きをすること


--------------------

久秀の話に戻ろう。信長のもとに降った久秀、しばらくは殊勝に働いていたようだ。中でも、朝倉攻めの折の一件は、なかなか興味深いものだった。

________________________________________

篁様へ申し上げ候。

此度、下界にて見届け候仔細、左の如くに候。

元亀元年、信長、越前朝倉義景討伐のため兵を進め候えども、義弟たる浅井長政、俄かに離反いたし、信長、退路を断たれ候危機に陥り候。この折、久秀、近江朽木谷の領主・朽木元綱を説き伏せ~~~~~

________________________________________

現代語訳

篁様、報告します。

今回見たことを書いておきます。

元亀元年(1570年)、信長は越前の朝倉義景を討つために兵を進めましたが、妹婿の浅井長政が突然離反し、信長は退路を断たれる危機に陥りました。

この時、久秀は義継や池田勝正らとともにこの遠征に加わっていましたが、退却にあたって、近江朽木谷の領主である朽木元綱という者を説き伏せ、信長方に味方させることに成功しました。おかげで信長は、朽木谷を通って無事に京へ逃げ帰ることができました。

これまで戦場で槍を振るう武辺者としてより、書記や交渉役として力を発揮してきた久秀ですが、この一件では、まさにその交渉の才が、信長の命そのものを救ったことになりました。かつて公家や寺社との折衝を任されていた男が、今度は主君の退路を、口先一つで切り開いてみせたわけです。

刀ではなく言葉で人を動かす。久秀という男の真骨頂は、やはりこういうところにあるのだと、改めて思い知らされました。

________________________________________

三好の家では書記から身を起こし、今度は信長のもとで、主君の命を繋ぐほどの働きをしてみせる。之長や早雲のように、己の手で城を奪う者たちとは、また違う種類の「使える男」だと、我は思う。ただ、これほど信長に重宝されている久秀が、この先もずっと大人しく仕え続けるとは、我にはどうにも思えない。この男の胸の内には、まだ何か燻っているものがある気がしてならない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。