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渡しやすい義理チョコ
「あ、アイツにこのチョコ買ってやろう」
普通の板チョコを買い物かごに入れた。
そして自宅にて頭をかかえている私がいる。買って後悔の繰り返しは小学生で卒業したと思っていたのに、本命のチョコレートが出来て一息ついていた時だった。冷蔵庫からジュースを飲もうと思い取り出す際、板チョコが目に入ったのだ。あれ?こんなの買っていたかな?と記憶をさかのぼること数分。現在にいたる。
「渡さないって言ったのになぁ…」
アイツと数日前、自分は今年は本命しか作る気はないからお前には義理すらやらん!と言った。もし渡して変に誤解されたら困る。
「自分で食べようか」
しかし不思議な感じだ。好きな人がいるのに、別の人のことも優しくしようと思うなんて自分自身が信じれなくなりそう。ビッチみたいで印象最悪。
「でも渡されたアイツの反応も見てみたい」
包丁で細かく刻んでボールで溶かす。一応ハート型に流し込んで冷やした後、チョコペンで大きく「義理」と書く。なんだか鼻歌を歌いたい気分。この気持ちに名前があるとしたら、なんて言うのだろう。決して届かない気持ちより、そっと気軽に近付けるほうがワクワクする時が分かれ目。
「最高に義理だぜ」
グッチョブb




