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ドッペルゲンガー


「「あ」」

バイト帰りのスーパーで、夕飯のおかずを選んでいた時だった。値引きされた刺身に手を伸ばしたら触れ合ってしまった。目線の先には鏡がそこにはあった。…え?鏡?

「え…?」

相手も同じ言葉を口から漏らしている。服装などは違えど、自分と同じ顔がそっくりそのまま目の前にあるこ。ドロドロと感じたことのない恐怖が襲ってくる。とりあえず刺身を買って逃げよう。手に取って籠に入れようとするとガシッと腕を掴まれた。

「ちょっと待てよ」

「いや、早い者勝ちということで」

ほぼ同時に触ったと思うが、ここは一歩も譲れない。自分の命がかかっているも当然なのだから。

「じゃんけんだろ」

「…はぁ」

「今何が起こってるかわかんねぇけど、その刺身だけはやれない」

いやお前のじゃないでしょ、と突っ込む。今日一日バイトで体も披露しきっているから、面倒ごとは ぜーんぶ避けたい早く帰りたい。どう見ても俺の刺身だが一旦刺身は元に戻しておく。

「「じゃんけん…」」

お互い構えた瞬間、知らないおばさんがポイっと刺身を取って颯爽とレジに向かってササーっとかけていった。その様子をただ見つめることしか出来なかったバカ二人。

「ドッペルゲンガーって出会ったら悪いことが起こる…」

「今夜はカップ麺か…」

はたから見れば双子が落ち込んでいるように見えるかもしれない。だが実際は都市伝説のドッペルゲンガーで、誰も幸せになれないという事実。


そんな悲しい話があるらしい…




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