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音というより、響く  作者: 夕月(ゆうづき)遥(はるか)
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第2話〜重装歩兵完成

書かせていただきます。即席の重装歩兵を作らなければなりません。武装は直感的に家の中から寄せ集めたもの〜できてさいます。これであのかいいら戦えるのでしょうか?お愉しみに

 家の中にあるものでまかなう。それはつまり、本格的な武器ではなく、日用品を極限まで戦闘用にコンバートするということだ。

 蘭はまずクローゼットから厚手のダウンジャケットを引っ張り出し、その上から読み終えた分厚いファッション雑誌を何冊もガムテープで体に巻きつけた。不格好極まりないが、正体不明の攻撃に対する即席の防護服アーマーだ。動きは鈍くなるが、「重装歩兵」を自称するには十分な質量がある。

 次にキッチンへ向かい、最も頑丈そうなステンレス製の鍋の蓋を左手に取った。これを盾にする。

 そして最大の問題である「音」の対策だ。蘭はスマホにイヤホンを繋ぎ、耳の奥へ突っ込むと、ボリュームを最大にして激しいロックを流し込んだ。脳を揺さぶる不快な響きを、物理的な大音量で無理やり塗りつぶす。

 最後に右手には、物置から持ってきた頑丈な金属製の物干し竿を握りしめた。

「……よし」

 イヤホンの爆音の隙間から、まだあの「ずん、ずずずん」という響きが、骨を伝って微かに震えているのがわかる。

 母親に見つかれば「何やってるの」と正気を疑われるような重装備の姿で、蘭はついに、内なる怪異を迎え撃つべく、その一歩を踏み出した。

いただきました お読みになっていただけますと 誠にありがとうございました。

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