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音というより、響く  作者: 夕月(ゆうづき)遥(はるか)
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第12話〜忍び寄る

蘭に忍び寄る黒い影。。俺は一体何者なのでしょう?危険を及ぼすものでしょうか 助けを施してくれるものなのでしょうか?まだ分かりません スリリングな展開をお楽しみいただけましたら幸いです。

 冷え切った空気が蘭の頬をなで、古い紙とほこりの匂いが鼻腔をくすぐる。懐中電灯の光が闇を切り裂くと、左右の壁を埋め尽くす巨大な本棚が浮かび上がった。背表紙の金文字はどれも色褪せ、見たこともない紋章が刻まれている。

「ついに…見つけた…」

震える声は、書庫の闇に吸い込まれるように消えた。

彼女が探していたのは、一族の血に隠された「最初の嘘」を暴くための禁書。足を進めるたびに、床の石畳が低く鳴り、まるで侵入者を拒むかのように周囲の空気が重くなっていく。

不意に、光の先で一冊の本が奇妙な存在感を放った。

他の書物とは異なり、漆黒の革で覆われ、中央には先ほど開けた鍵穴と同じ、あの「勲章」の紋章が刻まれている。

蘭がその本に手を伸ばしかけた、その時。

背後の暗闇から、聞き覚えのある静かな足音が近づいてくることに、彼女はまだ気づいていなかった。

お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。

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