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【完結】神の依り代である私が、幸せで平凡な生活を味わい始めたのは、特徴的なピンク色の髪をした少女と出会ってからのことでした。  作者: Sakusaku


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第7章 : 更屋敷 璃々緒

 007


「姫子、新しい側仕えがもうすぐ到着する。お前は主らしく振る舞いなさい。前回のようなことはするんじゃないぞ、わかったな?」


「もしまた使用人たちに丁寧に接するような真似をしたら、母上と父上は前回のような顔の痣だけで済ませるつもりはないからね」


「はい、父上、母上……」


 両親の寝室で、姫子は夕方に起こされ、新しい側仕えと顔合わせをするために呼ばれた。広すぎて寝室とは呼べないほど豪奢な部屋だった。


 少女の心の一部は新しい側仕えに会えることに興奮していたが、心の奥底では虚しさでいっぱいだった。まるで自分一人だけがこの世に取り残されたような感覚だった。


 撫子が実家に帰るのはよくあることだったが、それでも姫子は寂しさを感じずにはいられなかった。


 彼女は自覚していなかったが、それは親に子供を親戚に預けて仕事に行き、二度と戻ってこない母親の感覚や、現代の西洋で「牛乳を買ってくる」と言って出て行ったきり戻らない父親の感覚と同じものだった。


 姫子はその理由がわからなかった。そして彼女がその疑問を深く考える前に、両親は常に新しい側仕えを雇い、前の側の穴を塞いできた。二人はこれで姫子が定められた計画から外れないと信じていた。


 しかし二人は知らなかった。その計画は娘が四歳の頃にすでに狂っていたことを。


 軽いノックの音がした。


「入れ」


 姫子は目の前の光景に目を奪われた。彼女はまさかこの人が撫子の代わりになるとは夢にも思わなかった。

 同い年だと聞いていたが、「先輩」という言葉の意味もよくわからず、特に気にしていなかった。


 その少女は信じられないほど優雅な足取りで部屋に入ってきた。普段、貴族に謁見する時は控えめに装うものだが、この子はまるで自分が主であるかのように華やかに着飾っていた。白地にピンクの花模様の着物に、華やかなピンクの花模様の打ち掛け。髪は珍しいピンク色で、中国古典のヒロインのような髪型をし、可愛らしく、明るく、話しやすい性格だった。


「若君様、奥方様、そして姫子様にお目通りいたします。更屋敷 璃々緒(さらやしき りりお)と申します。これより一年間、姫子様の側仕えを務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします」


「……どうした、姫子。あの子をじっと見つめているじゃないか」


「いいえ、母上。ただ……とても可愛いな、と思って」


「ありがとうございます、若様」


 璃々緒は微笑んで答えた。


「一つ聞くが、プレッシャーの多い場所でも働けるか?」


「はい、奥方様。私は幼い頃からこのような仕事をしております。若様のお世話は私にお任せください」


 璃々緒は自信に満ちた様子を見せた。


「では……今日はこれでよい。姫子を連れて夕方の務めを準備しなさい。何をすべきかはわかっているな?」


「はい、若君様」


 姫子と璃々緒は部屋を出た。姫子はまだ状況に驚いたままだった。撫子の代わりに来る人が、自分の初めての友達になるとは夢にも思わなかった。


「もしもし……若様? 瞑想でもしていらっしゃるんですか?」


 主がぼんやりしているのを見て、璃々緒は指を鳴らして顔を近づけた。姫子はびっくりして飛び上がり、廊下に響くほどの悲鳴を上げた。璃々緒は腹を抱えて笑い転げた。


「そんなに笑わないでよ……」


「ご、ごめんなさい……ははは、若様の声が面白くて……大声出して……はははは」


「もう……恥ずかしいったら」


 十八年の人生で、彼女はいつも大人たちに囲まれて生きてきた。これは初めて誰かにからかわれ、遊んでもらった瞬間だった。彼女はとても興奮した。


「まずはお風呂ですね。あ……でもお湯はまだ準備していません」


「いいわ……待てるわよ。待ってる間に何かお話ししましょうか?」


「おお……いいですね。ではまず、私の話をしますね」


 二人は楽しげに浴室へ向かいながら、他愛もない話や大げさな自慢話で笑い転げ、姫子は先ほどの寂しさをすっかり忘れた。


「あら……璃々緒は入らないの?」


「入りますよ……私はそんなに汚くありません。若様が体をお洗いになったら、私も続けて入りますから」


 先ほどの質問に璃々緒は驚いて手を止め、姫子の髪を洗うのをやめた。


「どうして同じお風呂を準備したの?」


「だって……このお風呂は広いですから、二人で入るのにちょうどいいんです。二つも用意する必要ないでしょう?」


 璃々緒は日常的なことを当たり前のように言ったが、元々このお風呂は神の依代のための浄めの儀式専用で、撫子と姫子は別々の湯を使っていた。


「あの……このお風呂は浄めの儀式のためのものです。私以外は入らないことになっています」


「誰がそう言ったんですか……」


 璃々緒は平然とした声で言い、すぐに体を洗って湯に入った。姫子は慌てて彼女を引き上げようとしたが、璃々緒は言った。


「大丈夫ですよ、若様。私はこういうものを信じていません。たとえ何をしようと神様は怒りませんよ。たぶん」


「信じない……の?」


「はい。実際……人は神や神聖なものを信じるか信じないか選べるんです。ただ冒涜しなければいいんですよ。さあ、入ってください。若様、お湯が冷めますよ」


「そう……」


 姫子は言葉を失った。彼女は幼い頃から「人生の頂点は神を称え、神に近づくこと。神がすべてを決めている」と教え込まれてきた。使用人たちでさえそう思っていた。


「それで璃々緒はちゃんと幸せに生きていけるの……? だって私たちの運命を決めるのは神様よ。神様を称えなければ、人生はうまくいかないわ」


「ええ……私の人生は今までそんなに悪くも良くもありませんでした。でも私はこう思うんです。私たちが自分らしく生きようと努力するなら、神様だろうと誰だろうと、私たちの運命を決めることはできないんです。本当に運命を決めるのは自分自身なんですよ」


「……………………」


 運命……私たちの? でも私は神の依代で、それは定められたこと。もしかしたら璃々緒の言う通りかも……でもそれなら、どうして私は神によって運命を決められているの?


「あ、でもこれは私の個人的な考えです。本当のところはどうかわかりませんよ」


 うん……きっと彼女は神を信じないから、自分の運命を自分で決められるんだわ。


 璃々緒の言葉は、彼女がたった一分ほどで考えた意見に過ぎなかった。しかしその言葉は少女の心に少しずつ刺さっていった。彼女は確かめるように尋ねた。


「じゃあ……私は? 私は自分の望むように生きられると思う?」


「もちろんです……若様は人間なんですから、自分の人生を選ぶ権利がありますよ」


 短い答えだったが、心に響いた。


「……私は今までどこにも出たことがないの。父上と母上は、外に出ると悪いものに触れるかもしれないと言います。でも昨日、撫子さんが連れ出してくれて……正直、とても興奮したわ」


「若様……」


「たくさんの人に出会って、美味しいものを食べて、璃々緒と友達になって、子供たちからお礼を言われて……神様に申し訳ない気持ちもあるけど、少なくとも今までできなかったことをできたわ」


 璃々緒は神や神聖なものを信じていなかった。存在しないとは思わないが、認識もせず、聞こえず、信じもしない。なぜなら——


 彼女は母から与えられる暴力から自分と弟を守ってくれるよう、神々に何度も祈った。激しく殴られている最中も祈り続けた。しかし結局、母を止めたのは自分自身だった。


「じゃあ……今夜、ご飯の後、また商業地へ行きませんか? 実はうなぎ丼がもう一度食べたくて」


「いいの!????」


 姫子は興奮して飛び上がった。


「もちろんです」


「でも父上と母上がいるわ。無理よ」


「こっそり抜け出せばいいんですよ……」


「そんなこと平気な顔で言わないで……」


「冗談です。若様は先に夕食を済ませて休んでください。私は少し休ませていただきます。ここに来てからまだ寝ていないんです」


「そう……じゃあ一緒にご飯食べない?」


「大丈夫です。私はもう食べました。夕食の準備をしておきますので、先に休ませてください」


「うん、おやすみなさい」


「はい……」


 夕食後、姫子は床についたが、璃々緒の言葉が頭から離れず眠れなかった。


 ………


 [もちろんです……若様は人間なんですから、自分の人生を選ぶ権利がありますよ]


 この言葉が少女の胸にずっと残っていた。璃々緒は自分が普通の人間だと言った。でも父と母は自分が神の依代だと言う。


 彼女は幼い頃から父と母に無数の掟を教え込まれ、三ヶ月かけて覚え、厳密に守らなければならなかった。もちろん一部は寺の僧や巫女の一般的な掟だったが、日本の僧侶は一般の戒律とは違い、結婚や出家後も自由に生活できる部分が多かった。


 しかし姫子に課せられた掟は、一般的なものとは全く異なっていた。いや、人間に対する掟ですらなかった。


 毎日同じことを繰り返す生活は退屈だったが、掟が邪魔をしてどうすることもできなかった。


 十五歳頃になると、彼女は父と母の罰を恐れながらも、少しずつ掟を破り始めた。


 父と母は常に使用人を雇っていた。不思議なことに、娘を厳しく閉じ込めているのに、外の人間は自由に寺に入れて働かせていた。おそらく使用人は使用人であり、主人の計画に干渉しないと思っていたのだろう。この隙に気づいていなかった。


 ある日、一人の使用人が家の掟を破り、姫子に外の世界の話をたくさん聞かせた。彼女の住む場所、食べ物、山間の故郷の話、吉原の花園の話だった。

 それが発覚し、二人は彼女を鞭で打った。姫子はその残酷な光景に耐えきれず止めに入ったが、母に平手打ちを食らい、顔に大きな痣ができた。


 それでも心に刻まれた恐怖にもかかわらず、彼女は外の世界への好奇心を抑えきれなかった。

 昨夜の経験はすべて初めてのことだった。人々、美味しい食べ物、友達、子供たちからのお礼——神様に申し訳ないと思いながらも、彼女はもっと知りたいと思った。


 だったら……神の依代ではなく、普通の人間として生きてみたらどうだろう。


 父と母は猛反対するだろうが、璃々緒は「運命を決めるのは自分自身だ」と言った。


 少しだけ試してみても、きっと大丈夫……。


「明日から、父上と母上がいない日は、外へ出よう」


 遊びたい、子供たちと遊びたい、美味しいものを食べたい。


「私は自分の心のままに生きてみたい」


 少女はそう固く決意して、眠りについた。


 この二日間は、これまでで一番良い夢を見られた夜だったかもしれない。



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