敵意の仮面
ユーロスの丘で遺跡の入り口を見つけた私達。
中に入ると色々壁画が描かれていたよ。
よく分からないから先に進み、扉の先にこの時代とは違うような部屋を見つけたんだ。
中心にあるのは機械の柱?
私達が触っても反応しなかったけど、ウィーニが触ると反応して声が聞こえて来たの。
それはウサっていって、昔のことを知っているみたいだから声をかけてみたんだよ。
でも暴走しているみたいで、襲い掛かってきたんだ。
危なかったから逃げ出して遺跡の外に出たんだけど、外も外で仮面の奴が暴れていたの。
「中にはイブレーテ様がいらっしゃる、命懸けで入り口を護りきれ! シャーン様とルシフェリア様の警護も忘れるな!」
『応!』
遺跡の入り口にあるのは人の壁。
倒れても倒れても立ち上がり、体を盾にして仮面の奴の侵入を防いでいる。
誰も彼もすごく痛そう、もう体中傷だらけなの。
どれだけ耐えてくれたのか分からないけど、もう大丈夫だから!
「イブ、先に行くね、御主人をお願い!」
「ああ、行ってこい!」
(モモ、気を付けてね!)
「はーい!」
私は悲鳴を上げるウィーニを持ったまま、
「きぃやああああああ!」
人垣の上から飛び出した。
瞬間、仮面の奴の狙いが私に、手の中に抱いているウィーニに変ったんだ。
前みたいに逃げてくれたらよかったんだけど、今回はそうしないみたい。
私を追い掛けてくるの。
だから他の人達を襲えない位置にまで進み、そこで足を止めたんだ。
「さあ、倒しちゃうよー!」
キャットスレイヴを構えると、仮面の奴、トリニティが爪を向けたんだ。
先制攻撃って剣を伸ばして攻撃を始めたけれど、パシパシって払いのけられて私の下に。
ガチンと打ち合いバチンと払い、もう一度打ち合ってバッと離れたよ。
一撃一撃が手がシビシビするぐらいかたくて重いんだ。
「ンニャアアアア、ピギャアアアア!」
ついでに、打ち合う度にウィーニの悲鳴が力強くなっていくの。
甲高くってちょっと耳が痛い。
「もう、ウィーニはうるさいよー」
「でも怖い、のおおおおお!?」
そんなことを云われても私にはどうしようもできないよ。
この悲鳴を聞かない為にも早く倒すしかなさそうだね。
相手は生き物でもない変な奴、手加減せずにトリニティの背後から分岐した部分をぶつけたんだ。
鉄みたいにギャリギャリって音が鳴る。
突き刺さってもくれないの。
再びガキンと打ち合って二度三度、隙をついてジャって斬りつけたはいいけれど、これでも効いてないみたい。
思った以上に硬すぎるよ。
これじゃあ全力でやっても倒せないかも。
何か手を考えないとだね。
普通に倒せないなら、もっと強力な一撃を!
私は一度距離を取り、素早い足取りで一気に距離を詰めたんだ。
「たあああああ!」
スピードに乗ったこの攻撃は、トリニティより速いんだよ!
振った剣が相手の首筋に。
キュリリリリリリって嫌な音!
「ふにゃああああ!?」
ビックリして逃げちゃいそう。
それでもこれで……。
「勝ってないっぽい?」
首に切れ目が入ったぐらいでトリニティはまだまだ元気なの。
あと三回ぐらい繰り返せば倒せるかなぁ?
もう一度構えると、トリニティはスッと距離と取って逃げて行ったんだ。
「助かったの?」
「かなぁ?」
全身機械なのかその気配は感じないよ。
でも大丈夫、次戦ったら勝つからね!
「モモ殿、ご無事ですか!」
戦いが終わったのを確認してグリフが駆け付けてくれたよ。
その顔は結構傷だらけ。
他の皆も辛そうだし、ここは全員回復しちゃおう!
私は白猫ちゃんを呼び出して傷を治してあげたんだ。
「助かりましたぞ。流石に全員を癒せるほどの傷薬は持ってきていませんでしたからな。モモ殿が一人居てくださると大助かりですわい」
「わーい、誉められたー!」
喜んでいると、御主人を抱っこしたイブがやってきたよ。
「その程度で喜んでいるんじゃない。相手はまだ倒しきれていないのだろう」
(イブの云う通りだよ、いつまた来るか分かんないんだから油断しちゃダメだからね)
云ってることは分かるんだけど、
「イブ、御主人を帰して」
ちょっとだけやきもちを焼いちゃったよ。
「ならばそちらを寄越すがいい!」
そして私が抱いていたウィーニを求めて来たんだ。
やっぱり御主人が大事だから引き渡そうとしたんだけれど、
「イブ様、ウィーニ殿が狙われている今、それはなりませんぞ!」
グリフがそれを止めちゃった。
「こんな可愛らしい者を見捨てておけるものか。ウィーニは城に連れ帰る!」
「いや、しかし万が一にでも町に入られたらどうなることか」
「ならばさせるな!」
「イブ様の御命令とあらば……」
でもイブが強引に連れ帰るみたい。
やっぱり見捨ててはおけないよね。
私はイブにウィーニを渡して御主人を返してもらったよ。
貸してからあんまり時間は経っていないけど、やっぱり御主人の感触はすごく良いね。
スリスリってしちゃったの。
「じゃあ帰ろうか!」
(だね)
私達は帰り支度をしてお城に戻って行ったの。
今回、お部屋に戻ってのんびりはできないよ。
トリニティの対策に作戦会議をすることになったんだ。
もちろん私と御主人も参加中。
グリフが中心に立ち、今後の対応について話しているよ。
「者共よく聞くがいい、仮面の悪鬼トリニティはキャットスレイヴを以てしてもダメージを与えることが難しい。つまり、我々の武器では歯が立たないということだ! 奴を見つけたらまず時間を稼ぎ、魔法による攻撃に重点を置け! その間に必ずモモ殿が駆け付けてくださる! よいか、決して自分達だけで戦おうとするんじゃないぞ!」
ようは私が走って行って倒しちゃおうって話だね。
ちょっと大変だけどやるしかないかな。
それでね、魔導士が東西南北の町の入り口に配置されることになって、私は丘に近い入り口で待つことになったの。
ベッドとかはかたいけど、美味しいご飯を食べさせてくれるから全然大丈夫!
わたしと御主人はゆっくりしていたの。
でも直ぐに慌ただしくなって、
「モモ様、仮面の奴が現れました! 至急対処をお願いいたします!」
私に出撃のお願いがされたんだよ。
もうドンドンバンバンって大きな音が鳴ってるの。
花火じゃなくて、配置されていた魔導士達が攻撃しているのかも。
私も急いで行かなきゃだね。
「御主人、ちょっと行ってくるねー!」
(うん、行ってらっしゃい、頑張ってね!)
御主人を部屋に待たせて正門の前に飛びだしたんだ。
すごいスピードで来るのはやっぱり仮面の奴、トリニティ。
人みたいな形をしているけれど、生き物じゃないみたいにカチカチなの。
前に付けた傷も無くなっているみたい。
もう修理されちゃったのかな?
まあいっか、今日は魔導士の支援もあるし、今度こそは完璧に倒しちゃうんだから!
私が前に飛びだすと、魔導士達の攻撃が止み、支援魔法がかけられたんだ。
力もスピードもグーンと上がっていい感じ。
これなら簡単に倒せちゃうかも!
「いくよー!」
鋭く速かった相手の攻撃を簡単に回避してシュパーンって斬り倒したんだ。
でもあまりに硬かったからか剣がビィンって鳴っているよ。
頭から真っ二つ、それでも分断された両側の体がグニグニ動いているの。
中身はやっぱり機械だよ。
よく分からない部品が見えていてバチバチいってるもん。
生き物ですらないのなら遠慮する必要はないよね。
私は動かなくなるまでガンガンに斬り続けたんだ。
「わーい、勝利!」
ちょっと時間がかかったけれど、完全に壊してあげたよ。
それから御主人に報告しに行ってね、二人で喜んでいたら。
「モモ様大変です、別の門から連絡があり、他二ヵ所でもトリニティが現れたと! 対応するも門は突破されて、城に向かったという話! 急ぎ対応して頂きたい!」
「えー!」
もしかしてここに来た一体だけじゃなかったのかな?
(それは不味いね、早くいかないと!)
「うん、ウィーニを助けに行こう!」
直ぐにお城に向かった私達。
でも、到着した時には、ウィーニは攫われてしまった後だった。
倒れている兵士達、その中心で、傷だらけのイブが蹲って床に拳を叩きつけているの。
「私が助けるって言ったのに、何だこの様は、クソッ……クソオオオ!」
とても悲しんでいて、ちょっと見ていられないぐらい。
「モモ、お願いだ、ウィーニを助け出してくれ!」
イブの目には悔しさを象徴するものが流れ出ている。
「絶対見つけるよ、絶対に!」
私はハッキリと宣言したよ。
ウィーニを探し出すってイブに誓ったんだ!
家猫のモモ
御主人(ヒロ)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女イブレーテ(長女)
シャーンのお母さんテルナ
爺
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




