ウィーニを捜せ!
仮面の敵、トリニティを町の入り口で待つ私と御主人。
あんまりのんびり出来なくて相手は直ぐに現われたんだ。
陣取った魔導士達と共に戦いは始まり、私の能力が強化されて意外と簡単に撃破したの。
でもね、襲撃されたのはこの場所だけじゃなかったんだ。
他二ヵ所から同じ仮面の奴が現れて城に向かったみたい。
急いで向かったけれど、ウィーニは攫われてしまった後だった。
泣き崩れるイブの頼みもあり、私はウィーニを捜し出すことに決めたんだ!
トリニティは分からないけど、ウィーニの感覚は感じ取れるの。
それでも私の知覚できる範囲からはもう離れてしまったみたい。
こんな時に頼りになるのはお友達だよね。
私は冒険者のリーズとカリンに頼みに行ったんだ。
向かったのは冒険者ギルド。
何時もならここに居るはずだけど……あ、あそこだね!
私は奥にあった扉を開けて更に奥にある扉を叩いたよ。
「リーズ、カリン、私が来たよー! 出て来て、出て来てー!」
(あの、モモ、流石に直ぐには出てこられないんじゃ……)
御主人は私が居る扉よりもう一つ前の扉の前で座っているの。
「でも大変だもん、急がないと分からなくなっちゃうよ!」
私はそのままトイレの扉をガンガン叩いたよ。
ジャーって水が流れる音がして赤髪と桃髪のエルフが二人出てきたんだけど、
「恥ずかしいでしょうが!」
「そうですよ、こんな所で騒がないでください!」
二人はピョーンとジャンプして私の頭を叩いてきたの。
手加減してくれてるからそんなに痛くはないよ。
「それで何の用なのよ」
赤髪でちょっと強きな槍を持っている方がリーズ。
少し控えめで杖を持っている桃髪の方がカリン。
「モモさん、急いでいるんですよね?」
今回はカリンの魔法が頼りなの。
「あのねあのね、ウィーニっていう温か兎がね……」
私は事情を説明してウィーニの特徴を伝えたんだ。
「なるほど、でしたら直ぐに始めます!」
そして人捜しの法って魔法を使うと、私の頭の中にウィーニの居場所が流れ込んできたの。
方向は、あっちだ!
こうしている間にもウィーニはどんどん離れて行っちゃう。
そして途中でプツンって魔法が途切れちゃった。
「あー、見えなくなっちゃった!」
「魔法の範囲からも出てしまったようですね。近づけばもう一度かけることも出来るのですが」
「仕方ないわね。モモ、私達を連れて行きなさい。そいつもずっと走っている訳じゃないでしょ。近づいてもう一度使えばきっと手掛かりが見つけられるわ! 依頼料はまけておくわよ!」
「そうですね、急ぎましょうモモさん!」
「それじゃあ出発するよー!」
(うん、行こうモモ!)
私はキャットスレイヴで二人と御主人を持ち上げたよ。
そのまま走ってギルドを出発したんだ。
あいつもかなり速いけど、私が本気を出せば絶対に追いつけるよね!
ダッと町を走り抜け、町の門を飛び越えて、草原を直走る。
なんの道標もないからちょっとだけ不安だけど、私は全速力でトリニティが居る方向へ。
五分、十分、カリンが数度目の魔法を使った時、
「……見つけたよ、あっちにウィーニが居る!」
走っていた方向からかなり外れたところにウィーニが居るのを見つけたんだ。
魔法がなかったら絶対に見失っていたよ。
「よし、このまま行くわよ!」
「モモさん頑張ってください!」
「うん、頑張るよー!」
到着したのは本当に何にもない平原。
だけどここに、この下にウィーニの気配を感じるよ。
入り口は分かんないけど、分かんないなら強引に!
「にゃああああああん!」
土を掘り返し、掘り返し、掘り返し、掘り進めた先。
あった!
石なんかよりも全然硬い鋼鉄の壁。
こんなところにある物じゃないもんね、絶対この先だよ。
私は御主人と二人を降ろし、
「てえええええい!」
キャットスレイヴを力いっぱい叩きつけたの。
邪魔されないのならこのぐらい何とでもないんだ。
ザシュって切り裂いて穴を開けてやったよ。
その下に見えるのは、ピカピカ光る未来っぽい通路。
ググって広げて皆で中に入ったよ。
道は両側に続いているの。
でも大丈夫、
「たぶんこっち!」
私は気配がする方向を感じ取ったんだ。
皆で急いで走って行くと、ウサが居た空間よりもとても広くて、数えきれないぐらいのウォームラビットが棺のようなガラスの箱で眠っている場所を見つけたの。
二体居るトリニティ片方の手には気を失ったウィーニが眠っている。
首に傷がある、あれは前に私と戦っていた奴だ。
今開いていたガラスの棺に入れられようと……。
(モモ、急がないと!)
「うん、やらせないよー!」
私は御主人をポンと置いて飛びだした。
攻撃しようとすると、傷の無いもう一体、トリニティの三体目、Ⅲが動き出すの。
狙いは私、私だけを狙っている。
一体壊したことを恨んでいるのかも。
でもそれはウィーニを攫ったから、あなた達が悪いんだから!
「にゃあああ!」
ブンと振った剣を躱され爪が来る。
それをしゃがんで避けるてやると、今度は鋭く尖った足が飛んでくるの。
ピョンと回避、追い駆けてくるトリニティⅢ。
「カリン、私達も行くわよ!」
「はい、支援はカリンが担当します!」
リーズが槍を、カリンが杖を掲げ、ウィーニを掴んでいる奴に向かってくれたよ。
でも気を付けて、そいつ結構強いからね!
そんな注意もできないほどに戦いは激化するの。
左、上、下、更に下、体術が止まらない。
壁を蹴っても天井を走っても追い掛けてくるんだ。
私はそれなりに大丈夫だけど、二人の方は?
「このおおおおお!」
リーズの槍はあんまり効いていないみたい。
「火も水も風も土も効かないとなると。こうなったらやるしかないですね。お姉ちゃん、ちょっと離れて! サンダー・ストリーム!」
門での戦いでは雷の攻撃も効いていなかったはずだけど、傷のあるトリニティⅠはウィーニを落とすぐらい効果があったよ。
あの傷口から中に流れているのかな?
倒すことは難しいけれど、時間稼ぎは出来そうな感じ。
ここで倒しちゃえば有利になるよね!
何時も通り捕まえて一気に決めちゃおう。
キャットスレイヴの一部を糸状に伸ばし……。
「サンダー・ストリーム!」
「にゃ!?」
ダメだ、あんまりやり過ぎるとカリンが放った電気が伝わってきちゃうよ。
今回は大丈夫だったけど、下手したらやられちゃいそう。
これは使えない……だったら少しずつ追い詰めるだけだよね!
糸より鉄の格子みたいにカッチカチに、まず一本。
天井に届くぐらいの棒を作った。
相手が動くのを見定めて、もう一本、更に一本追加したの。
少しずつ少しずつ天井が下がり、壁が出来て動きを封じていくんだ。
それでも相手は止まらない、逆に出現させた棒を利用し私の前に。
広げられた手、五指についた大きな爪が向かってくる。
動かなきゃザックリやられそうだけど、ここが丁度いいタイミングなの!
「閉じ込めちゃえー!」
攻撃が届きそうな一瞬、全てを繋げて檻にしたんだ。
そのまま小さく、縮ませて縮ませて、もう動くことのできない領域に。
「私急ぐんだ、だから止めだよ!」
力いっぱいザクっと貫きバッサリやってやったんだ。
完全に止まったから今度はもう一体。
丁度良く止まっているから、チャンスだよね!
「てえええええい!」
飛びだした私、
「サンダー・ストリーム!」
カリンから飛んで来る電撃、
「にゃああああ!?」
剣を振ったのと同時でけっこう痛かったけど、トリニティⅠはちゃんと倒せたみたい。
「あああ、モモ!」
「ごめんなさいモモさん、ちょっとそっちを見ていなくって……」
「うん、大丈夫、平気だよー!」
でもちょっとだけ涙が出ちゃった。
これで全部倒したし、ウィーニを助けられそうだよ。
見下ろしてみると電気を食らいまくってビクビクしている感じ。
死んじゃわない内に、白猫ちゃんを呼び出して回復してあげたの。
それから少し待っていると、
「行かないで、お母さん!?」
って、ウィーニが目を覚ましたよ。
「よかったー、生きてたー!」
「あ、モモ、助けに来てくれたの。ありがとなの!」
それで私の胸に飛び込んできたの。
様子を見ていた御主人も来てくれたよ。
(これで解決……って感じじゃないよね。周りの人達、生きているのなら助けなきゃ)
「そうだね!」
私達は他の温か兎も助けようと動き出したんだ。
家猫のモモ
御主人(ヒロ)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女イブレーテ(長女)
シャーンのお母さんテルナ
爺
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




