お野菜を買いに行こう
大蛇に飲み込まれた私はキャットスレイヴを使って隙間を開けたの。
口が大きく開かれたままで筒みたいになっちゃったんだ。
その間にブラッククロウを助け出し、ついでに大蛇も倒しちゃった。
それでね、その体内に大量の財宝があったの。
私達は大蛇のお肉と財宝を持って帰ったよ。
敵が居なくなって安全に峠の道を進んで七日。
ついに出口に到着したの。
ベノムがお母さんに頼みに行くんだって。
「じゃあ行ってくるねー!」
(行ってきまーす!)
「ええ、モモ殿、御主人殿、お気をつけて行ってらっしゃいませ!」
私と御主人はお金の代わりに財宝を持って近くの町に出掛けたんだ。
ずっとお肉ばっかり食べていたから他の食料の買い出しに行くの。
「じゃあ世話になったな」
「もう会わないことを祈っておくぜ!」
「じゃあな、全員達者でやれや!」
元誘拐犯で今はトレジャーハンターの三人もこ子を出て行くんだって。
取り分の財宝を貰って扉の外に出してあげたの。
「じゃあ町まで頼むぜ」
「うんいいよー!」
私は三人をキャットスレイヴで掴み上げた。
(モモ、それじゃあ行こうか)
「はーい!」
私は元気に駆けだしたの。
一生懸命走って到着したのはパサウェイの町。
ここは程よく農地が広がっていていっぱいお野菜が植えられているんだ。
もっと先には都会っぽいところもあったりするの。
ここなら皆の分も買って帰れそう。
私はお野菜が売っているお店を見つけて買い物しようとしたんだよ。
「こんにちはー! ご飯くださーい!」
「へい、いらっしゃい! 家の野菜はどれも良い物ばっかだよ!」
店のおじさんが云った通り、シャクシャクしそうなお野菜や、お花みたいなお野菜とか、かたそうなお野菜なんかもいっぱいいっぱい置いてあるの。
「おお、久しぶりの野菜だ。あんまり好きじゃねぇけど、どれも美味そうに見えてくるぜ」
「ですね親分」
「流石です親分、好き嫌いしちゃあ生き残れませんからね」
連れて来た三人も店を見て回っているよ。
でもそれ果物じゃないのかなぁ?
「これで全部くださーい!」
色々あるけど、選ぶ必要はないんだ。
とりあえず私は持っていた金ぴかの財宝を手渡したの。
「……高そうなのは分かりますけどね、流石にこれだとちょっと。出来れば換金して来て下さるとありがたいんですが」
でもなんか受け取ってもらえなかったんだ。
お金の方がいいのかな?
(仕方ないね、先に換金所に行こうか)
「そっかー、じゃあ換金してくるよー。この町にあるのー?」
私は店の人に聞いてみたよ。
「あー、町の中央辺りならそれなりにあるかと思いますよ。換金後には是非家の店に買いに来てくださいね!」
「ありがとー!」
と、手を振って町の奥へ入って行ったの。
それで人伝に辿り着いたその換金所で、
「うーむ、多少値が張るものもありますが、これはらは精巧に作られた偽物ですな。銀貨二十枚ぐらいならお渡しすることができますけど」
お店のお爺さんは手渡した財宝をじっくり見てそう云ったんだ。
「えー、そんなに安いのー?」
期待してたお金は得られそうもないの。
これじゃあ皆の分までお野菜が買えないよー。
「待て待て待て待て待て待て待て、じゃあこの俺達の物は!?」
「どうなんです!」
「どうなんですか!?」
三人が拾って来た財宝を見せると、店のお爺さんは丁寧に見て行くの。
「あー……まあ大体同じ感じですね」
やっぱりダメだったみたい。
『うおおおお、なんでだああああ!』
三人とも床を叩いたりして嘆いているよ。
(あらら、これは野菜どころじゃなくなったね)
「そっかー。うーん……」
私のお金を足しても全然足りないよね?
あ、そういえばポケットに一枚拾ったコインがあったんだ。
「これも見てー」
私はそれを取り出してお爺さんに見せてみたよ。
「こ、これは! 五百年前に滅亡したと伝えられているブライドゥーンの聖貨幣! いやしかし偽物である可能性も……」
お爺さんはじっくりたっぷり観察している。
それで額に汗が流れたりワナワナしたりして、
「こ、これは本物だ!」
と、叫んだんだ。
『な、なにいいいい!』
驚く三人、何で私だけがと云いたい感じ。
「じゃあ高く買い取ってくれるー?」
「買い取ります! と言いたいところですが、家にそのような物を買い取れるような財力はないのです。しかしこの時を逃しては二度と出会えぬような物品、これを逃すのは……!」
お爺さんは物凄く悩んでいる。
私としてはお野菜が買えればいいんだけどなぁ。
「そうだ、こうなったら同業者全員に声をかけて共同で購入を提案してみてもよろしいでしょうか!?」
「うん、何でも良いよー!」
「では早速、お客様はここにいらしてください。絶対に動かないで!」
それでちょっと待たされることになっちゃった。
店の物を眺めながら時間を過ごすと、お爺さんが十人ぐらい連れて戻って来たの。
早速コインを見て皆がすごく感動とかしているよ。
『是非買い取らせてください!』
そう云ってくれたのはそれから三十分ぐらい過ぎた頃だったの。
山盛りのお金は貰えたけれど、私と御主人はちょっと眠くなっちゃった。
でも皆のためだもん、もうちょっとだけ頑張ろう。
『姉御、是非俺達に分け前をください!』
「えー、さっき自分のは換金してたよねー?」
「こんな雀の涙でやってられるか。姉御、自分だけがおいしい目にあおうなんてズルいぜ!」
「そーだそーだ!」
「俺達にも分け前をください!」
三人とも譲らない感じ。
お野菜を買いに行く前に何とかしないとかな?
(モモが良いのなら渡してあげても良いと思うよ。でもお野菜を買う分は残してね)
「うん、じゃあ分けてあげるね。でも先に買い物してからだから」
『うおおおお、女神様ああああ!』
それから私達は最初に寄ったお店に向かったんだ。
「お、いらっしゃい。で、全部買ってくれるのかい?」
「うん、全部買うよー!」
私は貰って来たお金を見せたの。
「こ、こいつはすげぇや。ならジャンジャン持って行ってくれや! もちろん大量にオマケしてやるぜ!」
「わーい!」
そこでお店の物を全部買うと、荷車までつけてくれたんだよ。
あとで返却してくれればいいんだって。
移動手段も確保できたから私は余ったお金をあげちゃったの。
それでね、三人はここでお別れしたいんだって。
「んじゃ姉御、ここでお別れだぜ。また会えたらその時はよろしくな!」
「またな姉御!」
「姉御、達者でな!」
「うん、またねー!」
(バイバイ!)
私と御主人はお別れの挨拶をしたよ。
「ああそれと、町を出たら気を付けた方が良いぜ。よからぬ奴が大金を狙ってくるしれねぇしな。まあ姉御なら心配ねぇか。んじゃあな」
親分が私に注意してくれたの。
三人が背中を向けて去って行くよ。
「じゃあ帰ろー!」
(うん!)
私は荷車を押して町を出て行こうとしたんだ。
でもあんまりスピードを出したら壊れちゃいそう。
だからある程度にして進んでいると、
「おい、止まれ!」
と、目の前に半裸でサスペンダーや顔にペイントしたりトゲトゲの髪をしていたり、ナイフを舐め舐めしている変な人達が数十人現れたの。
(これはもしかして親分さんが云っていたのだったり?)
「そっか、でも私急いでいるの」
「そうかいそうかい、だったら有り金全部置いて行きな! それともここで死んじまうかだなぁ!」
「お野菜買ったからもうないよ?」
私は財布を取り出して空の状態を見せてあげたの。
「ふざけんなコラあああ!」
と、襲い掛かって来たけれど、そんなの全然怖くないんだ。
ポンポン投げ飛ばして全滅さるのにそんなに時間はかからなかったの。
「御主人、これどうしよう?」
(うーん、とりあえず誰に雇われたか聞いてみたらいいんじゃない?)
「うん、そうしてみるよー」
私は近くに倒れていた人をパシパシとたたき起こし、事情を聞いてみたんだよ。
それによるとね、換金してくれたダンディン・サウザーって人が私のお金を奪って独り占めしようとしていたんだって。
まあでもそんなの関係ないよね、とりあえずお野菜を持って帰ろうっと。
家猫のモモ
御主人(ヒロ)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女イブレーテ(長女)
シャーンのお母さんテルナ
爺
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




