ルシフェリアのお父さん
ルシフェリアが来たから準備をして隠し通路に行こうとしたけど、偶然出会った酔っ払いのベノムが私達を見つけてしまった。
夜中に騒いだら不味いということで、一回気を失わせて連れて行くことに。
隠し通路の中で目を覚ましてしまうけど、そこはもう安全な場所。
ちゃんと説得して付いてくることを受け入れてくれたの。
私達四人は誰にも見つからずに町を脱出して北にある廃虚の町へ。
ベノムがこの町のライオンっぽい奴を相手にしてくれるってことだから、私は御主人とルシフェリアを連れて中央にあるお城に向かったの。
中央の門から中に入って色々部屋を巡りながら奥へ進んだよ。
それで綺麗な装飾のある扉の前。
ここにお父さんが居るみたい。
私達が中に入ると一本のねじれた角と翼がある男の人が。
これがルシフェリアのお父さん?
「お父さん、来たよ」
ルシフェリアは涙を流してお父さんの下に走って行こうとしているの。
でもやっぱり嫌な予感がする。
警戒していると、頭にある大きな角の先っぽがバチっと弾けたの。
よく分からないけどこれは!
(モモ、やっぱり普通じゃないみたい)
「うん、そうだね。ルシフェリア、止まってー!」
私はルシフェリアをグッと掴んで引き止めたんだ。
「モモ、感動の再会なのに何するの!」
「だって危なかったんだよー。ほら、前を見て」
移動しようとしてた先の床が焦げ焦げになってる。
これは目の前のお父さんがやったんだよ。
「なんで……なんで……私のこと覚えてないの!? お父さん!」
ルシフェリアが泣いても叫んでも反応してくれない。
やっぱりこれは正気じゃないかも!
また角の先がバチバチして……。
「危ない!」
「……ああ!」
また同じような攻撃が放たれて床が黒くなっちゃった。
(モモ、これは出なおした方が良いのかも)
「そうだね!」
「ダメ、それはダメ! 戻ったら許さないから!」
「でも、もう近づけないよー!」
「もうちょっとだけだから」
真剣な眼差しだ。
ここまで来るのを待ち望んでいたもんね。
「分かったよー。じゃあ、もうちょっとだけだからね」
「モモ、ありがとう」
何時でも逃げられるようにルシフェリアを抱っこしたまま私は前に出たの。
目を覚ましてと声をかけても全然止まる気配はないよ。
逆に今まで手加減してたってぐらいにドンドン強く大きく変わっていく。
お父さんはこの部屋全体に電撃を広げるのかも。
私は耐えられるかもしれないけど、御主人もルシフェリアもきっと無理。
これは逃げないとだよ!
「もう無理だよ、逃げるからね!」
私は御主人とルシフェリアを抱えて部屋から飛び出したの。
お父さんは部屋から出て来ないみたいだけど、後ろからバチバチって電撃が追いかけてくるよ。
右に行っても左に行ってもふり切ることが出来ないの。
「ダメ、だってお父さんが!」
「怪我したらお母さんが心配しちゃうよー」
「……分かった。でもまた連れて来てくれるって約束して」
怒られるのは嫌だけど、嫌なんだけど……。
「うん、約束するよ」
私はその言葉に頷いたんだ。
「よかった、じゃあ帰りましょう。お父さんに叱られない内に。また明日こればいいものね」
明日!?
「えー、それは早すぎだよー」
「ダメ、約束したんだから。これからも何度も連れてきてもらうから」
(もしかして、ルシフェリアにはめられちゃった?)
「えー!」
説得するにしても今は逃げなきゃだね。
私は窓から外に飛びだし、建物の屋根を移動したの。
それでもまだ電撃は追いかけてくるんだよ。
今度は空から雷のようにピカピカドシャンって落ちてくる。
さっきよりも大きくて余波だけでも痺れちゃいそうな感じ。
でも大丈夫。
私の速さはそれを超えるの。
ヒュッと地面に着地して正面の門を越えたんだ。
ドゴンと落ちた雷は、その門の手前で止まったよ。
これ以上は来ないみたい。
ようやくここが安全圏だね。
「ふー、危なかったねー」
「ええ、今度来る時には気を付けないと。電撃対策を用意しておくから」
「やっぱり来るんだー?」
「そんなの当たり前。私はお父さんを助けたいんだもの」
(諦める気はないみたいだね。モモ、次は僕を置いて行っていいからね)
「それはダメだよー、御主人が居ないと嫌だもん!」
私は御主人を抱っこしてスリスリしたの。
(嬉しいような悲しいような。またここに来なきゃと思うとちょっと複雑)
「大丈夫だよ、絶対守ってあげるもん!」
(うん、そうだね、頼りにしてるから。でも出来る限りお断りしよう。今後もどうしようもない時だけ来ることにしょうね)
「うん、そうだよね!」
「モモ、皆が気付く前に早く帰っちゃいましょう」
(ベノムのことを忘れずにね)
「あ、そうだった!」
今も鳴ってる音は雷じゃなくてそっちの方なのかも。
御主人やルシフェリアを連れて行きたくないけど、ここに置いて行ってもかなり危ないよね。
やっぱり一緒に逃げられるように連れて行こう。
私はこのまま移動し、ベノムの下へ。
その間に倒してくれてれば良かったんだけど、そうもいかないみたい。
いっぱい攻撃してるのはベノムの方だけど、相手の傷は回復しちゃうし全然堪えてないよ。
「おーい、戻ってきたよー!」
「おう、よく帰って来てくれたぜ。これで俺の首もつながりそうだ!」
「うん、じゃあルシフェリアが危ないから先に行くね。あと一時間ぐらい頑張ってから戻って来て!」
「おい、冗談云うなよ! そんなに頑張れるか!」
「冗談じゃないよ、すっごい勢いで岩を投げてくるんだもん。だからそうしないと危ないんだよー」
「ベノム、頑張って。応援しているわ」
(がんばってー!)
私達はベノムに手を振ったの。
「……しゃあねぇ、やってやろうじゃねーの。この野郎! 俺を力を見せてやるぜ!」
どうやらやってくれるらしい。
これでちょっと安心かな。
私達は一気にこの廃墟を抜け出したんだよ。
投げられる岩が当たらないぐらいに遠くまで移動して町に帰って行ったんだよ。
そのまま秘密の通路を通って部屋に帰ったんだ。
「ちょっと汚れちゃったねー」
「仕方ない、遅いけどお風呂に入りましょう」
「御主人も洗ってあげるからね!」
(あー、うん)
それで二人と一緒にお風呂に入ったんだ。
綺麗になった私達はベノムを待っていたんだけど、待ってる内に眠くなっちゃった。
まあベノムなら大丈夫だよね?
私はルシフェリアを部屋に送ってからぬくぬく寝ていると、
「起きろコラああああ!」
ベノムが戻ってきたみたい?
ぼんやり目を開けてみるけど何処にも怪我はなさそうだよ。
でもちょっとハァハァいってるから疲れてる感じ。
「あんまりうるさいと皆が起きちゃうよー?」
(あー、一瞬で目が覚めたよ)
だから隣で寝ていた御主人も目を覚ましちゃったの。
「お前は一生懸命頑張ってきた俺に対してその言葉しか出ねぇのか! とんでもなく必死で逃げてきたのにお前等だけぬくぬくかオイ!」
「うーん、ルシフェリアも多分寝てるよー? もう灯りが消えてるもん」
私はルシフェリアの塔がある方向を指さした。
「ルシフェリア様はいいんだよ。お前は俺の部下だろうが、隊長が頑張ってんだから先に寝てんじゃねぇよ!」
「でも入隊しても名前だけでいいって云っていたよー?」
「……そういえば言っていたかもしれないが、それはそれ、功労者への労いの気持ちを忘れちゃいけねぇんだ!」
なんか力説しているけれど、こんな夜中に聞きたくない。
もうそろそろ朝になりそうだし、早く寝たいんだけどなぁ。
「罰として今日は訓練に参加しろ! この俺が直々に鍛えてやるぜ、わはははは!」
うーん、めんどくさい。
あ、そうだ。
ベノムにも寝ていてもらおう。
そうしたら訓練もしなくてグッスリ眠れるよね?
よし、そうしよー!
「ベノム、ルシフェリアの塔を見てて」
「あ?」
指を向けるとベノムがつられて横を向いたから、その隙をついて私はシャーっと襲い掛かったよ。
「うおおお、何しやがる! ぐああああああ!?」
真面に戦ったら結構強そうだけど、ほんの一瞬でも私は余裕で動けるの。
キャットスレイヴでグルグル巻きにして床にコロンって転がしたよ。
フガフガいってるけど、このぐらいならちゃんと寝れそう。
「御主人、おやすみなさい」
(あー、うん、おやすみー)
私達はアリアが来るまでグッスリ眠ったんだよ。
結局後で怒られちゃったけど、ちゃんと寝れたから良いかなー?
家猫のモモ
御主人(ヒロ)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女イブレーテ(長女)
シャーンのお母さんテルナ
爺
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




