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家ネコファンタジー 異世界で人になった雌猫は猫になった御主人と一緒に冒険をする  作者: 秀典
カラスさんカラスさん、なんでそんなに真っ黒なの?
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遠き遠吠え、新たな出発の予感(三章終了)

 廃墟の町。

 侵入した城でルシフェリアのお父さんを発見したよ。

 ルシフェリアが声をかけるけど、嬉しがるどころか攻撃されちゃったんだ。

 部屋を覆い尽くすぐらいの電撃で、ここに居るのは無理だと判断したの。

 逃げても追い掛けてくる電撃に城から出なきゃいけなくなった。

 ルシフェリアは悲しがっているけどこれはどうしようもないんだよ。

 私は今後もここに来ることを約束して脱出したの。

 それから外で戦っていたベノムに声をかけて人の居る町に帰ったんだよ。

 先に寝てたら帰ってきたベノムに怒られたった。

 私達はルシフェリアの頼みを出来る限りお断りをして相変わらずの日常を過ごしている。

 今日もお勉強をして御主人と一緒にベノムのところに行ったりしたの。

 ちゃーんと隊の皆が美味しいお菓子をくれるからすごく良い感じ。

 私は満足なんだ。


「また食っちゃ寝してんのかおい。たまには訓練に参加しろや!」


 でもなんかベノムに怒鳴られちゃったよ。

 約束してたのにー。


「しなくていいって云っていたよー?」


「知ってるわ! だが皆が汗かいて頑張ってるのに何とも思わねぇのか!?」


「うーん、大変そう? 応援しとく?」


 私は訓練している皆に軽く手を振ってみたよ。

 でもベノムはハァっとため息をついて呆れてるの。


「聞いた俺がバカだったぜ。んじゃ遠征でもしてくるってのはどうよ? それだったらルシフェリア様に断れる口実が出来るだろうが」


「御主人、遠征って何?」


(遠くの国に行ったりすることだね。モモもキャットパラダイスとか行ったことがあるでしょ。そういうことだよ)


 隣に居る御主人を見ると私に教えてくれたよ。


「あー、そっかー!」


「何か知らんが分かってくれて何よりだぜ。どうだ、行ってくれると助かるんだが。それともここに残ってルシフェリア様の頼みを無限に聞いとくか?」


「うーん、どこ行くの?」


「グライメンツっていってな、お前が行ったっていうキャットパラダイスとは真逆の方向にあり真逆の種族、ハウリングウルフが収めている国だぜ。まあ所謂狼男って奴だな。そしてそこには当然俺も行く! ルシフェリア様からしばらくは戦略的撤退をしたいからな!」


 ベノムが力強く宣言してるよ。

 私が断わってるから結構誘われているのかもしれない。

 できれば代わりに行ってくれるとずいぶん助かるんだけどなぁ。


「でも勝手に決めちゃっていいのー? お母さんに怒られちゃうよー?」


「テルナ様か? そいつは心配ねぇ。三年前の戦争から結構バタバタしてたからな。未だに他国への説明に奔走しなきゃいけないんだぜ。これもその一環だ」


「ふーん」


 怒られるんじゃないなら行ってもいいかな?


(モモ、どうするの?)


「うーん、分かった、行くよー!」


「おっしゃー、じゃあ決まりだぜ! この事は俺からルシフェリア様に伝えとく。ああ、それと一人紹介したい奴が居るんだ。最近まで潜入調査してたからお前は知らねぇだろ。おい、来いよブラックウルフ」


 ベノムが呼ぶと隊舎の中から犬の鳴き声が?

 風を切るように現れたのは大きな黒い犬……じゃないみたい。

 顔は狼っぽいけど体は完全に人間だよ。

 ちゃんと服も着ているの。

 もしかしてさっき云ってたハウリングウルフの人?


「隊長殿、お待たせしました!」


 バッと足を揃えて直立不動しているよ。


「おう、うちの勇者改め、毎日食っちゃ寝マシーンに挨拶してやれ」


「ハッ、拙者はブラックウルフ。帰還してよりモモ殿のお噂は耳にしております。何卒よろしくお願い致します!」


 そのブラックウルフはビッと敬礼して挨拶してきたんだ。


「よろしくー!」


(よろしくね)


 だから私と御主人も挨拶したんだよ。


「こいつはグライメンツ出身って訳じゃねぇんだが、見ての通りハウリングウルフだぜ。向こうに行ったら役立つんじゃねぇか? 他国に行っても変なことをしないように、お前の付き人として同行させることになるぜ。よろしくやれよ!」


「はーい!」


 と、私は返事をしたよ。

 それから一週間、ルシフェリアのお願いを聞いたり聞かなかったりしながらお母さんに怒られそうな危うい日々を過ごしたの。

 そしてついに出発の日。


「よーし、出発するぞー!」


 ベノムの声がかかって馬車の隊列が動き出したよ。


「行ってきまーす!」


(行ってきまーす!)


『行ってらっしゃーい!』


 皆に見送られながらブレードバード隊はグライメンツに向けて出発したんだよ。

 今回は隊で行くから私は歩きなの。

 ここからまた二週間ぐらいかかるんだって。


「御主人、美味しい物が食べられるかなぁ?」


(きっと何かあると思うよ。楽しみにしてようね)


「うん!」


 私は元気に返事をするとその時をワクワクしながら待つことにしたの。

 でもこの旅も結構大変だったんだよ。

 大きな鳥に馬車ごと食料を持ち去られたり、野犬の群れに囲まれたり、それでも皆の力を合わせて乗り越えていったんだ。

 何日も何日も食料に困りそうになりながらも野生動物を狩ったりしながら移動を続け、二週間経ってようやくだ。


(あ、見えてきたよ)


「ほんとだねー!」


 私達の目に町の風景が見えてきたの。

 田舎という感じもなく、植物とこの世界によくあるような建物がバランスよく調和して、どことなく日本を感じるような国なんだ。

 お外で日向ぼっこしてたらすごく気持ちいいかも。


「よーし、テメェ等もう少しだぜ! 進め進めえええ!」


『おー!』


 皆はベノムの声に元気よく返事をして移動したの。

 この国でまた新しい出会いが待ってるのかなー?

 ちょっと楽しみだよ!

家猫のモモ

御主人(ごしゅじん)(ヒロ)

王子シャーン

王女ルシフェリア

王女イブレーテ(長女)

シャーンのお母さんテルナ

爺(グリフ・リスマイヤー)

青鎧のブルース・グライブス

教育係アリア・ファイリーズ

赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)

桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)


ベノム(ブレードバード隊、隊長)


ルーカ(孤児)

プラム・オデッセイ(里帰り中)

ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)


クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)

シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)


剣と魔法の世界 ミドレイス

翼の生えた子供 ウリエリア

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