76.いよいよ最後の儀が開幕するようです
《レディースアーンドジェントルメン! 皆々様大変長らくお待たせいたしました! ではではこれよりお待ちかねの競儀にして、この女王決定戦のラストを締めくくります! 【最強の儀】の説明を我らがイザベラ女王より賜りたいと思います! それでは皆様! もう手の血管が弾けんばかりの盛大な拍手でお迎えいたしましょう!》
女王決定戦、最終日。
「「「うおおおっ! ついに来たああああ!」」」
「「「ヒューッ! 待ちわびておりました!」」」
「「「いよいよ女王決定戦の大詰めだああ!」」」
パチパチパチパチパチパチパチパチ!
パチパチパチパチパチパチパチパチ!
パチパチパチパチパチパチパチパチ!
まだ開幕前だというのに既にこのコロッセウムでは盛大な拍手音や熱狂する観客の声が響き、その盛り上がりは早くも最高潮を迎えており、
「「「マティルダ様! 応援してるぜぇ!」」」
「「「ヴィクトリア様! 貴方に勝利を!」」」
「「「メアリ―様! 必ず勝ってください!」」」
さらにはこの様に候補者が登場してすらいないにも関わらず応援を送る面々が現れる程、前二回戦とは比較にならない盛況ぶりを見せていた。
……そして!
「うむ! では観客の諸君。よくぞここまで我らアルテミアーナ国の儀式を盛り上げ、この最終日まで付き合ってくれたな! まずはその礼から先に述べさせてもらう! 諸君、ありがとう!」
パチパチ……パチパチパチパチパチ!
パチパチパチパチパチパチパチパチ!
パチパチパチパチパチパチパチパチ!
「「「とんでもありません! イザベラ女王!」」」
「「そうです! 我らは楽しみで来たのです!」」
「「ですからどうかお気になさらずに!!」」
そんな拍手や歓迎の言葉に包まれる中で、壇上のイザベラは最終日という事でさらに盛り上がるべく観客達へそう主催者としての礼を向けると、
「うむ! 皆の温かい言葉感謝しよう! ではこれより女王決定戦の最終儀式! 【最強の儀】の説明に移ろうと思う! なお……もうここまで来たのだ! 最後はしっかりと説明を聞いてもらいたいゆえ、皆眠らぬ様に気を付けてくれ!」
「「「ぷっぷっ……あはははははははは!」」」
「「「分かっていますよ! イザベラ女王!」」」
「「最後もしっかり聞いておりますから!」」
「よし! ならば結構だ!」
彼女はそう観客達をクスリとさせる軽い冗談を交え、三度用意された拡声器へ向けて簡単な競儀の内容を会場中へ響かせていくのだった……。
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【最強の儀】……女王決定戦最終の競儀。
【概要】
最強の儀。
それは女王決定戦のラストを飾る競儀であり、その内容もまた『最強』と冠する通り女王候補者達の強さ、戦いでの実力を決める儀式であり候補者それぞれが各々の武器を握り互いに決着がつくまで戦いあうという単純な内容がこの儀の全て。
なお、幾らお互いに武器を持って戦い合うとはいえあくまで【模擬戦】の範疇である為、相手の武器を破壊した場合や降伏等が行われた場合はその時点で候補者への追撃を中止し、それ以上の障害行為や致命傷を避ける事が最優先される。
【規則】
1.武器は各々が申請した物を使用すること。
2.その為、武器の変更等は一切認められない。
3.戦闘中にて戦っていた相手が再起不能になった時点でその者に対しての追撃を中止する。
4.その他にも武器破壊、相手からの降伏行為など戦闘の意思を喪失させた場合も同様とする。
5.最後にこれらの警告を無視し、過剰な傷害行為に至った場合は即座にその者を失格とする。
……以上がこの最強の儀においての規則であり一部の特例等を除き、自身に相応しい武器を見定め相手を“むやみに殺害するのではなく屈服させる事”こそこの最強の儀の本質とされている。
以上。
~女王のみ引き継ぐ伝書『女王決定戦の詳細』25の項【最強の儀における規則】より一部抜粋~
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……そして。
「最強とは何か! 力とは何か!」
三度イザベラは続けて語る。
「そう! “力”とは最も分かりやすく“強さ”という意味を表す単語であり、生物と生物との間の上位関係を表す為に用いられた最古にして、この地上において最も重要視される概念なのだ!」
ここぞと言わんばかりの声量。
最後の解説と彼女は声を枯らす勢いでコロッセウムどころか、内容が投影され会場以外でも画面越しに競儀を見守る全ての者へ伝えるように、
「我らの様な“知能を持ったヒト”が生まれる遥か昔より、己の縄張り、食料を奪い合う際に必須とされてきたのがこの【力】である!」
そうイザベラは最後の踏ん張りどころとして娘達が戦い合う事となる戦場の雰囲気、熱気を少しでも盛り上げる為に堂々と強く語ってゆく。
「料理! 美貌! 無論この二つも女王として必要な強さである! だが! 国を治める統治者として真に必要とされるのはこの“腕っぷしの強さ”だ! 敵の守りなど容易く打ち破る圧倒的な攻撃力! これこそ自国の平和を脅かす者を圧倒し、己の大切な者を守る為の【強さ】なのだっ!」
生物が持つ純粋なその“力”という素質。
そしてその生物本来が持つ素質を最大まで強化した屈強さが誘う延長線上にこそ、統治者として一人の女王として大切な人々を守る事が出来るのだとイザベラ女王は観客全員へ向けて謳った!
「「「う……うおおおおおおおおお!」」」
「「「力こそパワー! ちからパワー!」」」
「「「攻撃こそ最大の防御なりぃ!」」」
「フフフフフッ! そうだとも! そして今日! 我が娘達がその腕っぷしをかけて最強の座を競い合う! だからこそ諸君! 今日はその様子をその席で見守り存分に楽しんでいってくれ!」
「「「「うおおおおおおおおおおっ!」」」」
「「「既にワクワクが止まりませんぞ!」」」
「うむ! では! これより女王決定戦最終の儀。最強の儀の開幕をここに宣言しよう! そしてヴィクトリア、メアリーの両名のいずれかが勝てばその時点で勝者が【次代の女王】として君臨する! だがマティルダが勝利した場合は特例で延長戦の儀を執り行うものとする! それでは開幕だ!」
パチパチパチパチパチパチパチパチ!
パチパチパチパチパチパチパチパチ!
……こうして。
(マティルダよ……本当は、私はお前に……)
イザベラはそう必死に会場を盛り上げた裏で、開会宣言を終えると同時に壇上から降り、穏やかではない心中のままで退場していくのであった。
※読みやすいようにまた過去話の一部を添削しました。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
次話も明日投稿予定です(/・ω・)/
時間は夕方~夜くらいの帰宅時にスマホ投稿出来ればと思っています。
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