↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『俺だけ「10年後の値段」が見える。~未来価格で億万長者になるはずが、娘の絵に3億円の値札がついていた~』  作者: かばっち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
65/68

第65話 候補地


 火曜日の朝。


「ゼロ、ハンカチ!」


「いる?」


「いる!」


 味噌汁を飲みながら横を見ると、結衣がゼロの前に小さなハンカチを置いていた。


 その隣にはモモ。


 昨日までゼロはパパで、モモはママだったはずだが、今日は違うらしい。


「何するん?」


「おでかけ!」


「ゼロとモモが?」


「うん!」


「どこ行くと?」


「おでかけ!」


「場所を聞いてるんですけど」


「おでかけ!」


「決まってないな、これ」


 結衣は俺を無視して、今度はモモを持ち上げた。


「モモもハンカチ!」


「モモ、昨日までママやったやん」


「きょうはモモ!」


「役職なくなったん?」


「モモ!」


「はいはい」


 四歳児の人事異動は早い。


 結衣がハンカチを畳もうとして、ぐしゃぐしゃに丸める。


「できた!」


「それ畳んだん?」


「うん!」


「斬新だな」


「慎吾」


「はい」


 向かいから美咲に呼ばれた。


「昨日の話、まだ気にしとる?」


「……顔に出てる?」


「出とる」


「どのへん?」


「全部」


「範囲が広いな」


 昨夜、帰ってから美咲には一通り話してある。


 高城さんと決めた範囲だけ観測したこと。


 安全性も事故発生率も、分岐の数も。


 前回から何一つ変わっていなかったこと。


 そして。


 観測を終えたあと、教授から高城さんへ新しい照会が届いたこと。


「実証地域の話やろ?」


「うん」


「前にもあったやつ?」


「……そこなんよ」


 俺は箸を止めた。


 実証地域。


 初めて聞く言葉じゃない。


 ずっと前。


 研究の検討会で、俺はその言葉を見ている。


『次世代生活支援技術 実証地域構想』


 事故予測。


 自動運転。


 見守り。


 生活支援ロボット。


 交通データ。


 防犯。


 災害対策。


 街そのものから情報を集め、危険が起きる前に予測する構想。


 さらに。


『実証地域候補 意見募集』


 なんて紙まで渡された。


 その場で高城さんに聞かれたんだ。


 候補になりそうな場所を知らないか、と。


 そして。


 俺の頭に浮かんだ。


 黒瀬さんが買った、あの土地。


「前にも候補地の話は出とったんやろ?」


「出てた」


「じゃあ何が違うん?」


「今回は、実際にやるならどんな条件が必要かを整理するらしい」


「条件?」


「詳しいのは今日、高城さんに聞く」


「じゃ、まだ分からんね」


「はい」


「なら、聞いてから考えたら?」


「朝から正論が強い」


「慎吾が先まで行きすぎるんよ」


「最近は止まるようになったでしょう」


「前よりはね」


「また前より」


「パパ!」


「はい?」


「ハンカチ!」


 結衣が丸めたハンカチを差し出してくる。


「俺もおでかけ?」


「おしごと!」


「現実的だな」


「ハンカチもって!」


「持ってます」


「みせて!」


「確認厳しくない?」


 鞄からハンカチを出す。


「ほら」


「ある!」


「あります」


「パパ、おでかけできるよ!」


「会社ですけどね」


 結衣は満足したらしく、今度はゼロの上へハンカチを乗せ始めた。


「それ絶対落ちるよ」


「おちない!」


 ゼロが動く。


 一歩。


 二歩。


 ハンカチが落ちた。


「あー!」


「でしょうね」


「もういっかい!」


 朝から忙しい。


 でも。


 そのくらいがいい。


 実証地域という言葉は、突然現れたわけじゃない。


 前からあった。


 一度は、候補地の話まで出ている。


 ただ。


 昨日届いた照会は。


 あのときとは、少し違う匂いがした。


     ◇


 昼休み。


 会社の休憩室でスマホを見ると、高城さんからメッセージが届いていた。


『昨日の照会について、少し内容が整理されました』


「早いな」


 続けて届く。


『時間があれば、今日の仕事後に説明できます』


 今日は特に予定はない。


『大丈夫です』


 送ってから、一つだけ付け足す。


『今日は話だけですよね?』


 少しして返事が来た。


『もちろんです』


「ですよね」


 昨日見たばかりだ。


 しかも結果は変わらなかった。


 今日、新しい話を聞いたからといって、すぐまた見る理由にはならない。


『お願いします』


 そう返して、スマホを伏せる。


「神崎さん」


「はい?」


 顔を上げると、同僚が俺の前に立っていた。


「また一人で喋ってました?」


「……また?」


「今、ですよねって」


「電話です」


「スマホ置いてますよ」


「心の電話」


「怖いな」


「忘れてください」


 未来を見る能力より先に、独り言を止める能力を身につけたい。


     ◇


「先に言っておきます」


 仕事を終え、高城さんと合流してすぐだった。


「何です?」


「候補地域を選んでいるわけではありません」


「それ、前にも聞いた気がする」


「何度でも言います」


「そんなに信用ない?」


「実績があります」


「最近それ便利に使ってません?」


「便利なので」


「認めた」


 高城さんが少し笑って、タブレットをこちらへ向ける。


「昨日、教授から届いた照会について確認できた範囲です」


「はい」


「以前の実証地域構想、その延長にある話です」


「やっぱり別物ではないんですね」


「研究上の流れとしては、つながっています」


 高城さんが画面を指す。


「ただし、以前は構想や候補地について意見を集める段階でした」


「今回は?」


「実証する地域に、具体的に何が必要になるか。その条件整理ですね」


「……一段進んだ?」


「そう表現してもいいと思います」


 その言葉で。


 少しだけ、空気が変わった気がした。


 画面を見る。


「通信環境」


「予測した情報を伝えるなら、通信手段は必要になります」


「これは分かります」


「道路状況」


「道路も?」


「何か起きた場合、人や車両が動けない場所では困るでしょう」


「ああ」


「医療体制」


「万一の際に対応できる体制ですね」


「事故を防ぐ研究でも、起きたあとのことまで考えるんですね」


「事故が絶対に起きないことを前提に実証はできませんから」


「そりゃそうか」


 そのほか。


 行政との連携。


 住民規模。


 地域内の移動。


 必要な設備。


 項目を追うほど、以前の「どこがいいでしょうね」という話とは違って見えた。


「……本当にやる場所を考えるための条件ですね」


「そうですね。まだ実施を決めたわけではありませんが」


「そこは分かってます」


 高城さんが笑う。


 俺も笑った。


 でも。


 画面から目は離れなかった。


 通信。


 道路。


 医療。


 行政。


 住民。


 条件。


 その言葉を見ているうちに。


 昔の場面が戻ってきた。


『実証地域候補 意見募集』


『神崎さん、この地域に詳しいですよね?』


『候補になりそうな場所、何か思いつきません?』


 あのとき。


 俺の頭に浮かんだ場所。


 八百万円の土地。


 黒瀬さんが買った土地。


 そして。


 黒瀬さんは言った。


『慎吾さん』


『今は』


『答えないほうがいい』


『まだ情報が足りません』


「…………」


「慎吾さん?」


「思い出してました」


「何を?」


「前に、候補地の話が出たときのこと」


「ああ」


 高城さんも覚えているらしい。


「俺、何か思いついた顔してたでしょう」


「してましたね」


「黒瀬さんに止められた」


「そうでしたね」


「まだ情報が足りないって」


「言っていました」


 俺はタブレットを見る。


 あのときは。


 実証地域という大きな構想。


 候補地をどうするか。


 それだけだった。


 今は。


 通信。


 道路。


 医療。


 行政。


 住民規模。


 少なくとも。


 情報は増えた。


「……あれ」


 胸の奥がざわつく。


 あの土地。


【10年後の価格:184,000,000円】


 一億八千四百万円。


 そして。


【価格変動要因:実証地域選定】


 さらに。


【条件:実証地域選定から除外】


【条件付き未来価格:12,600,000円】


【条件成立率:27.9%】


 この数字は、以前十八・四%から二十七・九%へ動いた。


 数字が動いたこと自体は、実際に見ている。


 ただ。


 何を母数にした割合なのか。


 何をもって「成立」とするのか。


 それは今も分からない。


 だから。


 二十七・九%を、そのまま「あの土地が実証地域から外れる確率」と読むこともできない。


「……いや」


「何です?」


「今もまだ早いなと思って」


 高城さんがこちらを見る。


「何がです?」


 言いかけて。


 止める。


 今は黒瀬さんの土地だ。


 未来価格を見たのは俺でも、所有者は黒瀬さん。


「前に思い浮かべた場所のことです」


「土地?」


「はい。でも俺の土地じゃないので」


 高城さんは、それ以上聞かなかった。


「先に所有者へ?」


「聞いてみます」


「そのほうがいいでしょうね」


「慎重でしょう」


「かなり」


「褒めてください」


「自分から言います?」


「四十一歳にもなると褒めてもらえる機会が減るんですよ」


「では」


 高城さんが少し考える。


「成長しましたね」


「何か腹立つな」


「難しいですね」


「もういいです」


 軽く笑う。


 でも。


 俺の頭からは、あの言葉が消えなかった。


 あのとき。


 黒瀬さんは言った。


 まだ情報が足りない。


 じゃあ。


 今は?


     ◇


 家へ帰ったのは、午後八時前だった。


「パパ!」


「ただいま」


「おでかけおわった!」


「誰の?」


「ゼロ!」


「どこ行ったん?」


「ここ!」


 結衣が床を指差す。


「家から出てないやん」


「おでかけ!」


「室内旅行だったんですね」


「モモも!」


「モモも帰ってきた?」


「うん!」


「よかったね」


「ハンカチおとした!」


「朝見た」


「いっぱい!」


「一日やってたん?」


 結衣は満足そうにゼロを抱えている。


 どうやら今日一日、ハンカチを落とし続けたらしい。


「慎吾、ご飯温めるよ」


「ありがとう」


 鞄を置きながら答える。


「高城さんの話、どうやった?」


「前の話が、ちょっと進んでた」


「実証地域?」


「うん」


「何が増えたん?」


「場所を選ぶなら必要になる条件」


「ふうん」


「道路とか、医療とか、通信とか」


「へえ」


 美咲はそれ以上食いつかなかった。


「それで?」


「前のこと思い出した」


「何?」


「黒瀬さんの土地」


「ああ」


 それだけで通じる。


 八百万円で黒瀬さんが買った土地。


 十年後、一億八千四百万円。


「前に候補地の話が出たときも、俺、あそこ思い浮かべてたんよ」


「そうやったね」


「黒瀬さんに止められた」


「何て?」


「まだ情報が足りないって」


「今日は増えたんやろ?」


「少し」


「じゃあ、黒瀬さんに聞けば?」


「そのつもり」


「じゃ、ご飯」


「早いな」


「冷めるやん」


「未来より夕飯」


「当たり前やろ」


「ですよね」


 美咲はそのまま台所へ向かう。


「パパ!」


「はい」


「ごはん!」


「結衣にも言われた」


「はやく!」


「はいはい」


 とりあえず。


 今は飯を食う。


     ◇


 午後九時十二分。


 結衣が風呂へ入ったあと、俺は黒瀬さんへ電話をかけた。


 数回の呼び出し音。


『慎吾さん?』


「こんばんは。今、大丈夫ですか?」


『ええ。どうしました?』


「実証地域のことで」


 少し間があった。


『何か動きました?』


「たぶん、少し」


『聞きましょう』


 俺は今日、高城さんから聞いた内容を説明した。


 以前の実証地域構想の延長であること。


 候補地そのものを決める話ではないこと。


 その前段階として。


 通信環境。


 道路。


 医療。


 行政との連携。


 住民規模。


 そういった条件を具体的に整理し始めたこと。


「……という話でした」


『なるほど』


「これ、知ってました?」


『いいえ』


「実証地域の構想自体じゃないですよ」


『分かっています』


「今回、条件整理が始まったこと」


『それは知りませんでした』


「そうなんですか」


『少なくとも、現在側でそこまで具体化しているという情報は持っていませんでした』


「…………」


 また少し意外だった。


『私なら知っていると思いました?』


「少しだけ」


『残念ながら』


 黒瀬さんの声が、わずかに柔らかくなる。


『私は未来のすべてを知っているわけではありません』


「ですよね」


 分かっている。


 黒瀬さんは未来の断片を見る。


 でも。


 未来の予定表を持っているわけじゃない。


「黒瀬さん」


『はい』


「前に、実証地域候補の話が出たとき」


『ええ』


「俺が何か答えそうになったの、止めましたよね」


『覚えています』


「まだ情報が足りないって」


『言いました』


「今は?」


 電話の向こうが静かになる。


 数秒。


『前よりは増えました』


「ですよね」


『ですが、あの土地が今回の実証地域になるとはまだ言えません』


「……やっぱり」


『慎吾さんは、そう思っています?』


「思いそうにはなってます」


 少し間があった。


『私も、関係は気になります』


「黒瀬さんも?」


『ええ』


「でも」


『分かりません』


 即答だった。


『あの土地が候補になるのか。今回の条件整理と直接つながるのか。そこまでは私にも分かりません』


「ですよね」


 少しだけ肩の力が抜けた。


 黒瀬さんも。


 同じところで止まっている。


「土地に、何か連絡は来てません?」


『ありません』


「研究側からも?」


『何も』


「周辺で新しい開発の話とか」


『私が把握している範囲では、今回の件と結びつくような新しい話はありません』


「じゃあ」


 まだ。


 候補ですらない。


『慎吾さん』


「はい」


『前より情報は増えました』


「はい」


『だから、以前より考えられることは増えています』


「でも、答えまでは?」


『そこまでは』


「ですよね」


 短い返事だった。


 でも。


 それで十分だった。


「黒瀬さん」


『はい』


「土地、まだ持ってますよね?」


『もちろんです』


「売ったりしてない?」


『していません』


「確認です」


『慎重になりましたね』


「今日それ三人目です」


『三人?』


「美咲と高城さん」


『それなら本当に変わったんでしょう』


「黒瀬さんまで」


 思わず笑う。


『ただ』


「はい?」


『慎重になったからといって、何もしないのとは違います』


「分かってます」


『なら大丈夫です』


「……黒瀬さん、たまに先生みたいになるな」


『それは困ります』


「ですよね」


『私も正解は知りませんから』


「はい」


 だからこそ。


 今の言葉は信用できた。


「ありがとうございます」


『いえ』


「何か動いたら、また連絡します」


『こちらでも何かあれば』


「お願いします」


 電話を切る。


 スマホの画面が暗くなった。


 黒瀬さんも気になっている。


 でも。


 黒瀬さんにも答えはない。


     ◇


「終わった?」


 顔を上げると、美咲がマグカップを持って立っていた。


「うわっ」


「何で驚くん」


「静かに来るから」


「普通に歩いてきたけど」


 美咲が俺の前にマグカップを置く。


「どうやった?」


「まだ分からんかった」


「そっか」


 美咲はそれだけ言って、向かいに座った。


 俺はノートを見る。


 あの土地の記録。


 八百万円。


 現在価格、七百六十万円。


 十年後、一億八千四百万円。


【価格変動要因:実証地域選定】


【条件:実証地域選定から除外】


【条件付き未来価格:12,600,000円】


【条件成立率:27.9%】


「…………」


 今。


 もう一度見たら?


 ふと。


 そんな考えが浮かぶ。


 以前より情報は増えた。


 現在側でも、実証地域に必要な条件整理が始まった。


 なら。


 未来価格は。


 条件成立率は。


 何か変わっているかもしれない。


 見れば。


 もう少し先が分かるかもしれない。


「慎吾」


「はい」


「見るん?」


「……また分かった?」


「その顔するもん」


「どの顔?」


「見ようかなって顔」


「分類細かいな」


「慎吾やもん」


「俺専用か」


「で?」


 ノートを見る。


 見たい。


 かなり。


 でも。


 何を見る?


 目的は?


 あの土地が実証地域になるか。


 それを知りたい。


 いや。


 違う。


 それは答えを欲しがっているだけだ。


 今ある現実の情報は。


 実証地域に必要な条件を整理し始めた。


 そこまで。


 土地の名前は出ていない。


 黒瀬さんのところに連絡も来ていない。


 周辺開発の新しい話もない。


 今ここで土地を見て、何か表示が変わったら。


 俺は。


 その意味を今日の話へ結びつけたくなる。


 たぶん。


 かなり強く。


「……まだだな」


「見ない?」


「うん」


 ノートを閉じる。


「今日は見ない」


「そっか」


「情報、増えたけど」


「うん」


「もうちょっと現在を見てからにする」


「なら、待てば?」


「簡単に言うなあ」


「難しくする必要ある?」


「……ないです」


 美咲がマグカップを飲む。


 俺も少し笑った。


 前なら。


 何か一つ分かれば、その先を見た。


 未来に答えがあるなら、そこまで手を伸ばした。


 でも。


 今は違う。


 未来を見る前に。


 現在がどこまで進んだのかを見る。


 そのくらいは。


 できるようになった。


「パパー!」


 寝室から声がした。


 俺と美咲が同時にそちらを見る。


「起きた?」


「たぶん」


「行ってきて」


「やっぱり俺?」


「パパって呼んどるやん」


「ゼロじゃない?」


「今日はパパじゃないやろ」


「あ、役職外されてた」


「ほら」


「はいはい」


 椅子から立つ。


 その前に。


「記録だけ」


「見るんじゃないよね?」


「見ません」


 ノートを開く。


 今日の日付。


 火曜日。


 その下へ書く。


『実証地域――必要条件の整理開始』


 ペンを止める。


 少し前のページ。


 ずっと前に書いた記録。


『実証地域候補 意見募集』


 さらに。


 あのときの自分のメモ。


『黒瀬さんの土地?』


 その横。


『まだ情報不足』


「…………」


 ページをめくる。


 今日。


『通信』


『道路』


『医療』


『行政』


『住民規模』


 情報は増えた。


 でも。


 まだ一本の線にはならない。


 その先には、今も同じ表示が残っている。


【価格変動要因:実証地域選定】


「パパー!」


「はいはい、今行くよー!」


 ノートを閉じる。


 昔、黒瀬さんは言った。


 まだ情報が足りない、と。


 今日、その情報がほんの少しだけ増えた。


 答えには、まだ届かない。


 それでも。


 一度止まっていた線が、またゆっくりと動き始めていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。