第58話 久しぶりに稼ぐ
土曜日。
「…………」
朝八時十九分。
ダイニングテーブルの上に、ノートを広げていた。
179日。
現実経過、5日。
表示変動、7日。
昨日書いた数字だ。
その下。
関連対象、結衣。
接触後の未来、未確定。
「…………」
ページをめくる。
ゼロ。
現在価格、186,000円。
10年後価格、算出不能。
未来状態、未確定。
関連対象、結衣。
さらに戻る。
株。
腕時計。
カメラ。
アンプ。
万年筆。
スピーカー。
古書。
「…………」
「俺、最近ぜんぜん金増やしてなくない?」
「慎吾」
「はい」
「その前に」
顔を上げる。
美咲がコーヒーを飲みながら、こっちを見ていた。
「何?」
「私、聞いてないことあるんやけど」
「何を?」
「お金」
「…………」
「何で止まった?」
「いや」
「前に言ったよね? 能力のことも、結衣のことも、高城さんのことも、黒瀬さんのことも」
「はい」
「お金も全部って」
「…………」
「また止まった」
「覚えてます」
「今思い出した顔やったけど」
「今思い出しました」
「やっぱり」
美咲がため息をつく。
「いろいろありすぎたんです」
「私もね」
「ですよね」
「で、結局どうなっとるん?」
「どこから話そうかなって」
「そこから怖いんやけど」
確かに。
ちゃんと話したことがない。
株を買った。
中古品を売った。
車を買った。
工場の設備を買った。
大学へ三十万円寄付した。
そのたびに必要なところだけ話してきた。
「…………」
「何?」
「俺、だいぶ駄目じゃない?」
「今さら?」
「もうちょっと否定してよ」
「車買ったときも、三十万寄付したときも言ったよね?」
「はい」
「大きいお金を動かすときは相談してって」
「はい」
「で、今?」
「反省しております」
「遅い」
「すみません」
前とは少し違う。
今の美咲は、俺が何をしてきたのかも、その理由も知っている。
「じゃあ聞くよ」
「はい」
「家のお金、使った?」
「使ってない」
これは即答できる。
「ほんと?」
「うん。最初に決めた。家計には手を出さない」
「じゃあ、何のお金?」
「最初の十万円」
「十万円?」
「能力が出たころに、自分で使っていいって決めた金」
「それが?」
「最初は株に入れて、めちゃくちゃ減った」
「減ったん?」
「はい」
「それも聞いてない」
「…………」
「慎吾」
「はい」
「続けて」
「怖いなあ」
「いいから」
俺はノートを美咲のほうへ向けた。
ネクサリンク。
五百円で買った腕時計。
古いカメラ。
旧型スポーツカー。
銀色の業務用機械。
一つずつ説明するたび、美咲の顔が少しずつ固まっていく。
「……で?」
「はい」
「今、全部でいくらあるん?」
「正確な総額は出してない」
「何で?」
「現金だけじゃないから。株もあるし、車も時計もカメラも機械もある」
「じゃあ、どれくらいまで増えたん?」
「一回、一千万には届いた」
「…………」
「美咲?」
「私、それ聞いてない」
「ですよね」
「ですよね、じゃない」
「すみません」
「最初の十万円から?」
「うん」
「一千万?」
「一回ね」
「…………」
「何?」
「気持ち悪い」
「夫に言う?」
「百倍やろ?」
「そう言われるとすごいな」
「自分でやったんやろ」
「いろいろありすぎて」
「普通忘れんよ」
「普通じゃない時間だったんです」
「それは認める」
美咲がコーヒーを一口飲む。
「借金は?」
「してない」
「ローン増やしたりは?」
「してない」
「家計にも手を出してない?」
「それは絶対」
「なら、そこはいい」
「そこは?」
「もう一人で大きいこと決めんでね」
「はい」
「三十万とか」
「はい」
「三百万とか」
「はい」
「一千万まで増やしたからって、三百万が安くなるわけじゃないから」
「…………」
刺さる。
「はい」
「何、その顔」
「美咲が一番まともだなって」
「今さら?」
「最近、周りが研究者と投資家ばっかりだから」
「私は普通です」
「助かります」
「で」
「はい」
「最初、何言ってた?」
「最近ぜんぜん金増やしてなくない?」
「一回一千万まで増やした人が、朝から言う台詞じゃないよ」
「でも、まだ足りん」
美咲の顔から、少し笑いが消えた。
「結衣?」
「うん」
金があれば未来を変えられる。
そんな単純な話じゃない。
でも。
選択肢は増える。
研究を支援できる。
必要な物を買える。
土地だって。
設備だって。
必要になったとき。
金がないから諦める。
それだけは避けたい。
「一億って書いてたよね」
「覚えてた?」
「前に見た」
「第一目標」
「まだ目指すん?」
「うん」
「駄目とは言わん」
「お」
「でも、家族置いていかんで」
「…………」
金の話なのに。
結局そこなんだ。
「分かった」
「ほんと?」
「うん」
「じゃあ、増やすなら私にも言う」
「全部?」
「三百円まで相談されたら面倒」
「基準は?」
「自分で考えて」
「一番難しいやつ」
「四十一歳やろ」
「また年齢」
美咲が笑う。
「で、その機械は?」
美咲がノートを指さす。
銀色の業務用機械。
「ああ。工場で買ったやつ」
「いくら?」
「設備一式と運搬とかで二百二十二万払って、この機械以外を売って百六十八万回収した」
「じゃあ五十四万?」
「俺の感覚ではね。この機械だけの正式な購入価格は出せない」
「今はいくら?」
「四十八万円」
「減っとるやん」
「二年後、三百六十万円」
「…………」
「三年後、九百八十万円」
「…………」
「五年後、千四百六十万円」
「…………」
美咲が俺を見る。
「これ、十年後じゃないやん」
「…………」
止まった。
「慎吾?」
「それ」
「何?」
「これやん」
ノートを引き寄せる。
二年後。
三年後。
五年後。
「途中が見えてる」
「前からやろ?」
「そうなんだけど」
最近の俺は。
十年後。
179日。
未来分岐。
観測範囲外。
そんな数字ばかり追っていた。
「十年待たなくていい」
「何を?」
「金を増やすの」
「…………」
「二年後とか三年後に大きく上がる物を探せばいい」
「そんな都合よくあるん?」
「これがある」
「一個やろ?」
「…………」
「慎吾」
「はい」
「顔」
「何?」
「悪い顔しとる」
「投資家の顔です」
「同じやろ」
「違います」
でも。
ちょっと楽しくなってきた。
◇
「買い物行く?」
「いく!」
リビングから結衣の声。
「じゃあ着替えてください」
「きがえた!」
見る。
「それパジャマです」
「きがえた!」
「昨日からそれ着てます」
「ゼロも!」
「ゼロは着替えません」
「ちがう! ゼロもいく!」
「ああ」
結衣がゼロを持ち上げる。
「いく!」
「はいはい」
美咲が立ち上がる。
「リサイクルショップ?」
「何で分かった?」
「その顔」
「また?」
「久しぶりに宝探ししたい顔」
「そんな顔ある?」
「慎吾にはある」
「パパ!」
「はい」
「たからなに?」
「いいもの探し」
「ゆいも!」
「じゃあ一緒に探す?」
「うん!」
「まず着替えてください」
「はーい!」
結衣が走っていく。
「走らない!」
「はーい!」
返事だけはいい。
◇
三十分後。
俺たちは家を出た。
結衣を後部座席のチャイルドシートに座らせる。
その横にはゼロ。
「ゼロもシートベルト!」
「ゼロ用はありません」
「いる!」
「今度高城さんに言う?」
「いう!」
「余計な仕事増やすなって怒られるぞ」
「おじちゃん、おこらない!」
「俺には怒るよ」
「なんで?」
「パパだからです」
「わからん!」
「パパも分からん」
美咲が助手席に乗る。
「で、どこから?」
「普通に買い物」
「先に?」
「はい」
「えらい」
「何で褒められた?」
「リサイクルショップ直行すると思った」
「俺を何だと思ってる?」
「未来価格が見える四十一歳」
「そのままやん」
「パパ!」
「はい」
「ゆい、よんさい!」
「知ってます」
「ママは?」
「結衣」
「なに?」
「それ以上はいけない」
「なんで?」
「家庭の平和のためです」
「慎吾」
「はい」
「聞こえとるよ」
「出発します」
車を出した。
◇
昼前。
買い物を済ませて、リサイクルショップへ。
「パパ!」
「はい」
「おもちゃ!」
「まだ車です」
「おもちゃ!」
「まず降ります」
結衣のチャイルドシートを外す。
「走らないよ」
「はーい!」
「ゼロは?」
「もつ!」
「落とさない?」
「おとさない!」
「昨日も聞いた気がする」
結衣がゼロを抱える。
「じゃあ行きますか」
「いく!」
店へ入る。
「パパ!」
「はい」
「おもちゃ!」
「入って三秒です」
「いく!」
「走らない!」
「はーい!」
結衣が早足でおもちゃ売り場へ向かう。
「慎吾」
「ん?」
「結衣見とくから、行ってきていいよ」
「どこに?」
「宝探し」
「言い方が子供みたいやな」
「違うん?」
「…………」
否定できない。
「お願いします」
「はい」
美咲と結衣が、おもちゃ売り場へ向かう。
俺は店内を見渡した。
家具。
家電。
楽器。
オーディオ。
カメラ。
時計。
工具。
よく分からない機械。
「…………」
久しぶりだ。
最初のころ。
こういう店に入るだけで楽しかった。
値札を見る。
未来を見る。
誰も知らない値段が、自分だけには分かる。
「さて」
歩き始める。
【現在価格:12,000円】
【10年後の価格:9,800円】
下がる。
次。
【現在価格:34,000円】
【10年後の価格:41,000円】
「十年で七千円」
いらない。
次。
【現在価格:8,000円】
【10年後の価格:76,000円】
「お?」
古い小型スピーカー。
値札は7,800円。
十年後、76,000円。
「悪くない」
昔なら買ったかもしれない。
でも。
「十年か」
意識を少し深める。
「…………」
何も増えない。
銀色の機械みたいに、途中の価格は出ない。
「保留」
棚へ戻す。
「…………」
俺。
贅沢になったな。
◇
「パパ!」
「はい」
結衣がこっちへ来た。
「これ!」
両手で何かを持っている。
「…………」
何これ。
ピンク色。
丸い。
耳みたいなものが二つ。
目が三つ。
「何これ?」
「かわいい!」
「どの辺が?」
「ここ!」
真ん中の目を指さす。
「そこなん?」
「うん!」
値札を見る。
「三百円」
「かって!」
「即決?」
「うん!」
少し離れたところで、美咲が笑っている。
「任せたな」
「パパ、かって!」
「ちょっと待って」
何となく。
意識を向けた。
【現在価格:300円】
【10年後の価格:120円】
「…………」
下がるんかい。
「パパ?」
「何でもないです」
「かって!」
三百円。
十年後、百二十円。
「…………」
「パパー」
「はいはい。買います」
「やったー!」
結衣が飛び跳ねる。
「名前は?」
「モモ!」
「もう決まったん?」
「うん!」
「モモとゼロ!」
「友達?」
「うん!」
結衣がモモをゼロの上に乗せる。
ゴト。
落ちた。
「…………」
「もういっかい!」
「諦めんなあ」
結衣がモモを拾う。
三百円。
十年後、百二十円。
まあ。
どうでもいいか。
今、あれだけ喜んでる。
◇
店の奥へ進む。
今探しているのは、十年後に高くなるだけの物じゃない。
二年。
三年。
五年。
途中で大きく値上がりする物。
「条件って何なんやろ」
銀色の機械で途中価格が見えた理由は、まだ分からない。
「まあ、見るだけ」
業務用品や工具が並ぶ一角へ入る。
ケーブル。
測定器。
電源装置。
古い工具。
業務用の端末。
「ん?」
棚の下に、黒い箱があった。
横幅三十センチくらい。
前面に小さな画面と、いくつかのボタン。
『業務用映像変換ユニット
動作確認済み
29,800円』
「何これ」
メーカー名も型番も知らない。
意識する。
【現在価格:38,000円】
【10年後の価格:240,000円】
「二十四万」
悪くない。
でも。
それだけなら、さっきのスピーカーのほうが上昇率は高い。
「…………」
待て。
途中。
黒い箱を見る。
少しだけ意識を深める。
「…………」
何も出ない。
「やっぱり無理か」
もう少し。
この機械が。
途中でどうなるのか。
「…………」
視界の端が少し重くなる。
「無理はしない」
ほんの少しだけ。
「…………」
一度、表示が揺れた。
そして。
【現在価格:38,000円】
【2年後の価格:92,000円】
【3年後の価格:168,000円】
【5年後の価格:210,000円】
【10年後の価格:240,000円】
「…………」
「出るやん」
二年後。
九万二千円。
三年後。
十六万八千円。
店頭価格は二万九千八百円。
「三年で五倍以上」
欲しい。
いや。
「待て」
昔の俺なら。
二十四万!
買う!
だった。
「調べろ」
スマホを取り出す。
数年前に生産終了。
ただし、古い設備との互換性があるため、保守用途の需要は残っている。
中古の出品数も少ない。
現在相場は三万から四万円前後。
「三万八千円」
能力の表示とも合う。
問題は故障。
業務機器だから、保管状態も無視できない。
「…………」
それでも。
二年後、九万二千円。
三年後、十六万八千円。
「悪くない」
◇
「慎吾」
「うわっ」
振り返る。
美咲。
その横に結衣。
結衣はモモを抱えている。
ゼロは美咲が持っていた。
「びっくりした」
「ずっと同じところおったよ」
「何それ?」
「業務用映像変換ユニット」
「…………」
「何その顔」
「いるん?」
「家にはいりません」
「じゃあ何で見よるん?」
「投資です」
「朝の話、もう実践?」
「そうなります」
「いくら?」
「二万九千八百円」
「…………」
美咲を見る。
「何?」
「相談」
「早速?」
「早速」
「買っていい?」
「私に聞くん?」
「聞けって言ったやん」
「相談してって言っただけ」
「許可制じゃない?」
「夫婦やろ」
「…………」
「で、どうなん?」
「今の相場は三万八千円くらい」
「うん」
「二年後、九万二千円。三年後、十六万八千円」
「…………」
「五年後、二十一万。十年後、二十四万」
美咲が黒い箱を見る。
「壊れんの?」
「可能性はある」
「置く場所は?」
「考える」
「それ駄目やろ」
「はい」
「ちゃんと置ける?」
「俺のところ片づけます」
「ならいい」
「え?」
「何?」
「買っていいの?」
「ちゃんと調べたんやろ?」
「一応」
「家のお金じゃない」
「うん」
「借金もしない」
「しない」
「なら自分で決めれば?」
「…………」
「何?」
「もっと止められるかと思った」
「相談してって言っただけやろ」
「ありがとうございます」
「何で敬語?」
「ちょっと感動して」
「気持ち悪い」
「今日二回目」
「パパ!」
「はい」
「これかう!」
結衣がモモを持ち上げる。
「それは買います」
「ママにきいた?」
「…………」
美咲が吹き出した。
「結衣、強い」
「ママ!」
「いいよ」
「やったー!」
「三百円まで相談いらんって言ったやん」
「教育です」
「何の?」
「夫婦の」
「四歳に?」
「パパ、はやく!」
「はいはい」
黒い箱を見る。
29,800円。
未来価格だけじゃない。
現在相場。
流通量。
用途。
故障リスク。
売る時期。
それを見た。
そして。
美咲にも話した。
「買う」
「うん」
やっていることは昔と同じ。
未来価格を見て。
商品を買う。
でも。
たぶん。
全然違う。
◇
「三万百円です」
レジ。
黒い箱。
二万九千八百円。
モモ。
三百円。
「すごい組み合わせやな」
「金額ほぼ百倍」
「ほんとやね」
「パパ!」
「はい」
「モモ!」
「買いました」
「ゼロも!」
「ゼロは家から来ました」
「いっしょ!」
「友達増えてよかったね」
「うん!」
会計を済ませる。
久しぶりだ。
未来価格を見て。
調べて。
考えて。
金を出した。
たったそれだけなのに。
「慎吾」
「ん?」
「ニヤニヤしよる」
「投資家の顔です」
「悪い顔ね」
「違います」
「パパ、わるい?」
「違います」
「わるい!」
「美咲」
「知らん」
店を出る。
結衣はモモとゼロを両方抱えている。
「落とすよ」
「おとさない!」
ゴト。
ゼロが落ちた。
「ゼロー!」
「言ったそばから」
拾い上げる。
「はい」
「ありがとう!」
「ゼロはパパが持つよ」
「うん!」
俺は片手にゼロ。
もう片方に黒い箱。
二万九千八百円。
三年後。
十六万八千円。
そして。
結衣の腕の中。
三百円。
十年後。
百二十円。
「…………」
何だ、この組み合わせ。
◇
帰宅。
黒い箱を机の上へ置く。
結衣は早速、モモをゼロの上に乗せている。
ゴト。
「だから無理やって」
「もういっかい!」
「ですよね」
俺はノートを開いた。
『業務用映像変換ユニット』
購入価格。
29,800円。
現在価格。
38,000円。
2年後。
92,000円。
3年後。
168,000円。
5年後。
210,000円。
10年後。
240,000円。
「…………」
悪くない。
いや。
かなりいい。
「慎吾」
「ん?」
美咲が後ろから覗き込む。
「それ、いつ売るん?」
「二年後かもしれんし、三年後かもしれん」
「十年待たんの?」
「たぶん待たない」
「何で?」
「三年から十年で、七万二千円しか増えんから」
「…………」
「何?」
「ちゃんと考えとる」
「失礼やな」
「前なら二十四万だけ見てたやろ」
「…………」
否定できない。
「そうかも」
「成長したね」
「もっと褒めて」
「普通」
「またそれ?」
美咲が笑う。
「でも」
「ん?」
「朝の話」
「お金?」
「うん」
「これからは、大きいことは言ってね」
「分かった」
「私も知っときたい」
「うん」
前なら。
俺の金だから。
俺が増やした金だから。
そう思っていたかもしれない。
でも。
何のために増やすのか。
それを美咲はもう知っている。
「パパ!」
「はい」
「モモ、ゼロのった!」
見る。
モモがゼロの上に乗っている。
「おお」
「できた!」
ゼロが動き出す。
ゴト。
モモが落ちた。
「…………」
「もういっかい!」
「短かったね」
結衣がモモを拾う。
俺はノートへ視線を戻した。
29,800円。
三年後。
168,000円。
「久しぶりに稼ぐか」
「まだ稼いでないよ」
「…………」
美咲を見る。
「夢くらい見させて」
「未来見えるやろ」
「うまいこと言った?」
「別に」
美咲が笑う。
俺も笑った。
十年後だけじゃない。
二年後も。
三年後も。
その途中にだって、未来はある。
でも。
未来を見るのは。
俺一人でも。
その未来へ向かうのは。
もう。
俺一人じゃない。




