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ep35 ワイルド無線、スパークでも電波は出てるんだ!

「よーし! スターリング発電機ダイナモのおかげで、希硫酸のガラス瓶に100%の電気が溜まったぞ。充電たっぷりの蓄電池ゲットだ!」

ニナンは配線をつなぎ替え、試作第一号の鉛蓄電池からバチバチと漏れる青白い火花を見つめて、不敵に笑った。

「アンタチャ、指示通りに巻いた『昇圧トランスコイル』はできたか?」

「はい。へいか。ばっちり、です」

アンタチャは無表情のまま、太さの違う銅線をこれでもかと二重にギチギチに巻き付けた、特製のクソデカいコイルを差し出してきた。

前世の高校物理の知識――「電磁誘導」をハックし、蓄電池の低い電圧を一気に数千ボルトの超高電圧へ跳ね上げるための昇圧装置だ。これがあれば、空気の絶縁をぶち破るほどの強烈な電波スパークを発生させられる。

「よし……それじゃあ、この昇圧コイルに蓄電池のハイパワー電流を流し込むぞ。……いくぞ、通電して……断続スイッチオン・オフ!」

俺が手製の青銅製スイッチを、モールス符号の要領でトントンと素早く叩いた、その瞬間。

バチッ! バチッ! バチッ!

放電隙間スパークギャップの間に、鼓膜を震わせるような激しい破裂音とともに、目も眩むような鮮烈な青紫色の稲妻(アーク放電)が弾け飛んだ!

「おおおおぅ!!! でんき、飛んだ!! 空中を、イラパ(雷)が、走った……!!!」

それまでジト目無表情だったアンタチャが、驚天動地のオカルト現象を目撃したかのように声を裏返してのけぞった。今、この瞬間に、16世紀の南米大陸の片隅で「目に見えない電磁波」が世界に向けて放たれたのだ!

「よーし、送信側の電波発信スパークは成功だ。今度はこいつを受け止める『受信機レシーバー』の開発だな」

俺はすかさず、事前にワスカルにポトシ銀山から取り寄せさせておいた、沢山のキューブ

がくっつき合って金属光沢を放つギラギラとした不気味な鉱石の塊を取り出した。

「これを使う。ポトシ銀山で採掘された『方鉛鉱ガレナ』だ。アンタチャ、この鉱石の表面に、お前が作った細い銅線の先を『猫のひげ』みたいにそっと接触させるんだ。そうすると、この鉱石が電波の波を音声や信号の電流に整流してくれる。これを使った【ガレナ(鉱石)受信機】を作れば、真空管なんて高度なチート装置がなくても、山を越えて飛んできた電波をばっちりキャッチできるぞ!」

「がれな……! 鉱石が、見えない波を、つかまえる……! 陛下、わたし、それ、いますぐ、組み立てます……!」

アンタチャの職人ソウルが再び臨界点を突破した。彼女は方鉛鉱をひったくると、無表情のまま、狂気的な手つきで超精密な受信回路(銅線配線)の構築に没頭し始めた。

「フッ、素晴らしい。ついにポトシの銀山から採れる方鉛鉱までもが、我が国の情報覇権のキラーンと重要なパーツ(ハック)になったわけですね」

新調した本物の眼鏡のブリッジを指先でクイッと上げ、ワスカルが影から最高に邪悪な笑みを浮かべて現れた。

「兄上、このガレナ受信機を全国の要所に配備すれば、文字通りクスコの神託が全土へ『光速』で伝播します。直ちにポトシのガレナ鉱石を国家戦略物資に指定しましょう(眼鏡キラーン)」

「ガハハ! 兄上! 鉱石に猫のひげを当てるだけで、離れた兄上の命令がピクピク伝わるのか! 素晴らしい、我が鉄砲隊の斉射電波を『ガレナ筋肉』で受信すれば、一糸乱れぬ神速の包囲殲滅が可能だな!」

アタワルパも大砲を愛おしそうに抱きかかえながら、スパークの音に合わせて超高速マッハスクワットを刻み始めた。

「まぁ……! 電波を発信スパークして、それを奥深く(ガレナ)でガッチリ受け止めるだなんて、まさに今夜の寝所のわたくしたちですわ、兄様!」

そこへ、クシリマイがはち切れんばかりの褐色巨乳をボインボインと大波のように揺らしながら、俺の正面から密着してきた。

「ダイオード並みの感度を誇るわたくしのこの身体に、兄様の『極太アンテナ(長槍)』から朝まで濃厚な愛のスパークを断続的(ピストン運動)に流し込み続けて、激しく感応ホールドさせてくださいな♡」

「陛下、ガレナ鉱石による微弱電流の検波、および蓄電池からの高電圧放電……非常に深く理解できます」

医療神官キリヤが白衣をバサリと脱ぎ捨て、滑らかな褐色スレンダーボディを俺の背中に完全に密着させてきた。

「今夜はアンタチャ様の受信機の上で、私と正妃様が陛下の『接点』となり、愛のパルスを限界まで送り込みます。陛下の蓄電池がスパーク(射精)を繰り返し、心拍数と血流量が未知の領域へ突入するまで、24時間連続で臨床実験をさせていただきますね」

「ボクも陛下の『猫のひげ』になって、ビリビリに感電させちゃいますぅ♡」

フェリちゃんまでドレスの裾をたくし上げ、潤んだ瞳でウインクしている。

「待って!! スパーク無線の受信実験はこれからだけど、俺の身体に愛のパルスを断続通電し続けるのはガチで命の危険があるから!! 嫁たちの愛の受信感度が良すぎて、俺の腰のライフゲージがノイズだらけになって一発で過充電爆発(ナレ死)しちゃうからァァァーーー!! 誰かこいつらの精神回路を今すぐアースしてくれーーー!!」

アンタチャと共に「ガレナ(鉱石)受信機」のハックに着手し、歴史上どこよりも早い「大無線通信時代」の扉を完全に押し開いたニナン皇帝。

インカ帝国は世界で唯一の電子ネットワーク大国へと超跳躍を開始したが、今夜もまた、10万ボルト級の愛の熱量で全方位から大突撃してくる嫁たちの「人間発電所」の中で、骨の髄まで放電(搾り取られ)させられる運命なのだった。


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