さて、そろそろ行きますか
ミニピクシーが可愛くて問題があったが、それ以外は何も問題なく3階層をクリアすることが出来た
ただ、今日は色々と実践的な指導で、時間は無かったから、周回は1回だけやった
夜も遅くなったので、そのまま解散し、俺は生産棟へ素材を売りに行き自室へ戻った
「なんでいるの?」
「部屋の管理はしっかりした方がいいんですの」
セシーリアが俺のベットで横になっていた。
そんなことされたら、ドキドキして寝られそうにないんだが……
いや、そんなことなかったわ。だってダンジョン狂だもん
「それで、どうしたの?」
「今日のこっちパーティーの報告ですの。ハルがレベル6になって”挑発”を覚えましたの」
レベルアップしたのか。初日からいい報告が聞けて良かったよ
それなら、次の自由週間までは、このパーティーのままで行こうかな
「最高の報告だ。ありがとう。自由週間まではこのパーティーのまま行こうか」
「えーっ……寂しいですの……」
寂しいなんて、言ってたけど自由週間までだよって伝えたらニコニコだったな……
そろそろ、あれを解禁してボスを倒しにいこうかな。
ゲーム時代より、正直ちょっと早い。周回出来たことが、本当に大きかったよ
「自由週間になったら、先行くぞ。何が来てもいいように準備しておいてくれ。」
「ついに、ボス行くんですの?」
「ああ。リンドウとカリーに言っておいてくれ。自由週間前に15までレベル上げておいてくれ。スキルはそのままな」
「楽しみですの!でも本当に新しいスキルは取らないんですの?」
「ああ、それはまた説明するよ」
セシーリアのテンションがかなり上がったを確認し、部屋へ帰らせた
さて、こんなことを言ったが、問題が2つある
1つ目は、ビーラントの鍛冶が間に合うかだ。
メンバーを交代しているから”謎岩”へ向かうことが出来ないんだ
素材は、かなり売ってしまっていたから、全員分は足りないんだ……リアルだと、生活費がかかるからな……
2つ目は俺だ
ゲームの知識があるのに、何が問題なのか?
実は初心者ダンジョンをクリアするまでに、取得しておかないといけないスキルあるんだ
だが、強行突破をするために、抗体(毒)を取ったからTPTが足りない……大問題なんだ
あれを取らずにボスを倒してしまうと、俺たちが最底辺から脱出することが出来なくなるからな……
つまり、俺も絶対にリセットしなければならないんだ。
まあ、ギリギリまで出来ることをやろうと誓い眠りについた
★
それから、自由週間まではあっという間に過ぎていった
新しくパーティに加わったハルが、3階層までしか攻略していなかったので、直接”謎岩”へ行けず……
初日に4階層のミルクフロッグをリンドウとセシーリアの2人で強引に攻略し、”謎岩”でたくさん練習してもらったよ
「あんなに揺れるんだったら、事前に行ってほしかったです……」
というのは、ハルの感想だった
ただ、レベル・技術ともに自分より高い人と一緒にダンジョンへ行けたのは、凄い勉強になったみたい
特にリンドウから剣を教わることが出来たみたいで、個人的にも成長出来たようだ
そんなリンドウも、ビーラント作の槍を受け取り
”初心者のやり”から”くず鉄の槍”に変わったことでテンションもあがっていたな
カリーなんて、”くず鉄の手袋”にテンションが上がりすぎて、壁に穴開けたしね……
「ごめんねぇ……」
シュン……ってしてたけど、今度何かで弁償してもらうことにしたよ。
「ちゃんとぉ、払うねぇ……かぁ♡らぁ♡だぁ♡でぇ♡」
なんて言ってけど、セシーリアが控えめに抑えてたよ。なぜ控えめなのか?
舌足らずな甘い感じで話す子が、笑顔で壁に穴を上げるとか、ギャップありすぎて、怖いよね……
”くず鉄の両手杖”を貰ったセシーリアのテンションも上がっていたのに、めっちゃ引いてたもん
「私、絶対にカリーは敵にしたくありませんの……」
なんて、震えてたっけ……。
それからのセシーリアはカリーに対してちょっと距離取ってたよ
そして、スキル球は何とか間に合った。
俺とキルシュの2つ分を何とか獲得し、2人で一緒にリセットしたよ
あの喪失感は本当にハンパなかったよ。前日には間に合ってよかった
「そういえば、キセロがいなくなってから青い球体は見なかったな……」
「リンドウ、あれは恐らく俺しかドロップしないんだ」
「キセロだけか?何かしたのか?」
「ああ……このために大変頑張ったんだよ……」
実は青い球体は”初心者救済アイテム”だ。
このゲームでは、職業・スキル・ステータスが揃わないと強くなれない
魔法使いが物理攻撃しようとしてもね……ということだ
そんなステータスやスキルの振り方をしていたら簡単に全滅する
それが主人公ならほとんど詰みだ……ゲームクリアはほぼ出来ない
詰み回避として、10回全滅をするとドロップ出来るようになるのが、球体シリーズだ。
休みのうちにHPを10回0にして、1人パーティ全滅という荒行を行ったのだ
ダンジョンへは行かず、父親とバトルしてHPを0にするというのを毎日やっただけなんだけどね
普通はHP0になんかに、しないし、”練習シリーズ”の攻撃力0のものを使うしね
「それでいつボスなんだ?装備もボス攻略メンバー分は揃ったし、レベルもクリアしたが……」
「私も気になりますの!」
「そっちは全部クリアしたのか。じゃあ初日に行こう。その前に大事なスキルを取ろう」
「大事なスキルですの……?」
「私のスキルはレベル6の時から変わっていないのに、今なのか?」
今リンドウが言った通り、実はミルクフロッグを攻略する時からスキル構成を全く変えていないのだ
俺はリセットしたから変わっているけどな
キセロ LV19 挑発LV2 シールドディフェンスLV1 受け流しLV1 攻撃準備LV1
となっている
攻撃準備は、攻撃力の強化だ。ただ、シードのスキルだから上昇量はお察しだけど……
支援系でデメリットの無いスキルがシードは少ないから間に合わせだ
そんな感じで、目指す職業に必要なものを取っておいたから、もうリセットする必要性はないかな
というか、本当にもうリセットしたくない。全てを失った感が、凄いんだよ……
「全員に言っておくぞ。初心者ダンジョンをクリアする前に、今から伝えるスキルを絶対にレベル5へしておくこと」
「ぼ……僕も?」
「エイルとビーラントに関しても例外じゃない。レベルが足りてないならサブパーティにも入っていてはダメだ」
「やけに慎重だな……そんなに大事なスキルなのか?」
そう聞いてくるリンドウに俺は静かに頷く。
再三言っておくが、このスキルの有無で将来が全て決まると言っても過言ではない
しかも、習得するタイミングも大事なんだよ……
マジでなんでも覚えることが出来る”シード”の中で、かなり異質で、この物語の根幹をなすスキルだ
何が異質なのか……必要なTPTが2であることだ。これは全ての職業で覚えることが出来るスキルの中で唯一だ。
そんなスキルを俺たちゲーマーが研究して、プログラム分析まで行って、正しい使い方を見つけ出したんだ
本来、異質なものってすぐに調べられる。”シード”だってそうだった
このスキルもそうだ。”シード”が覚えられる1000を超えるスキルの中でも、正体不明だったからな
『このスキルは螳ケ譏薙↓鄙貞セ励@縺ヲ縺ッ縺�¢縺セ縺帙s』
って書いてあるんだぜ?
興味本位で習得すると……あら不思議何も起こらないんだ
この文字化けを解析してみると
『容易に習得してはいけません』
なんて書いてあるもんだから、おそらく慎重に習得しないといけないんだろう……
そう確信し、様々なタイミングで検証が行われた。
しかし、どのタイミングでも効果が出ない。
そんな中、唯一効果が表れた瞬間……
それが、このスキルを全員が習得し、レベル5以上にした状態で初心者ダンジョンをクリアするだ
初心者ダンジョンのボスは道中、一匹ずつしかエンカウントしなかったのに複数匹出てくる。
ゴブリンのパーティがボスなんだ。パーティとは言っても、相手は飛び武器なんて持ってないし、役割なんてほぼないんだけどな。
それでも様々な状況に対応するため、色々とスキルを覚えさせたい所だが、それをさせないという……
対複数戦のチュートリアルのような感じにしたくて、そんな縛りを付けたらしいが
ゲーム内でこの内容に触れているものはいないという鬼畜仕様だったこともあって、
このスキルの本領を発揮するのが遅れたんだ
そして、このスキルの効果は
『レベル5以上で初心者ダンジョンクリア時、初心者ダンジョン(最奥)を開放する』
である。そのスキルの名前は――
『デバッグロウ』
毎度見ていただいてありがとうございます
もし良ければ感想など教えてください




