さあ、これからは暗記の時間です
「今日は、まずメイとカイをリセットさせるけど、キルシュもリセットさせるつもりだから、理解しておいてくれ。 じゃあリセットしようか……」
「俺もリセットするんですか?」
「もちろんだ。”つむじ風”は魔法職が獲るスキルじゃない。斥候役が獲るスキルだぞ?」
魔法職を目指したい!って言っているのに、斥候職のスキルを覚えてるのは、よくわけわからんから却下です
サブパーティのメンバーは”攻撃”・”防御”・”回復”・”支援”の分類がされているスキルは使用出来ない。
しかし、つむじ風のような”移動速度上昇”しか分類されてないスキルは斥候が前に出て罠を通り抜けるのに使うんだよ……
「俺……斥候はちょっと……」
「じゃあ、リセット」
「はい……」
”つむじ風”に愛着わいてるの?中々に変態だね……
そんなに愛着があるなら斥候やったらいいのに……
「キセロ!結局、私たちの盾役が安定するにはどうしたらいいの?」
「あれ!?言ってなかったっけ?ハルがレベル上がり次第”挑発”を覚えて、スキルのレベルが上がるまでは開始時に2回かけておけば問題ないよ」
「ハル君のスキルはリセットしない?」
「リセットする必要性がないからな……」
ハルのスキルは正直、リセットしなくても全然戦えるからそのままで行く
青色の球体(スキル球)を取得出来るかは、レアドロップ扱いだから、そんなに期待出来ないんだよ……
「わかった!ありがとう!じゃあメイのことよろしくね」
「おう。任せとけ! それじゃあメイこれを使おうか……」
俺は青色の球体(スキル球)をふくろから取り出し、メイに見せる
「キレイ……」
そんなに、まじまじと見るもんじゃないよ……
しかも、皆食い入るように見ている。
そんなに珍しいものじゃないよ?たぶん……
「見とれている所すまんが、これはまた手に入るから今日はさっさと使ってしまおう」
「うん……どうするの?」
「これを持って、魔力を流して、砕く。OK?」
それだけ説明し、メイに球体を渡す
メイは記憶に残すように、少し凝視した後に両手で大事に包んだ後、少しずつ魔力を流す
覚悟を決めたように球体を砕いた
「キャッ……」
「どうした?」
「メイ!?大丈夫?」
少し悲鳴を上げたメイがその場にうずくまったので、俺とヒスイが驚いて近寄る
「力……無くなった……」
そう力なく言ったメイは、普段の分かりづらい表情ではなく、明確に落ち込んだ顔をしていた
「ねぇキセロ。先にカイをお願い……」
「OK。任せろ」
「ちょ……ちょっと!待ってください!心の準備が!」
「大丈夫!男の子だろ?」
確かに、メイの状態を見ると怖くなるのは分かるけど、リセットしないと無駄スキルを抱えたままになる
そんなことをしている暇はないのだ。
笑顔を全力で作って球体を、カイに押し付ける
「いや。ちょっと待ってくださいよ」
「弱いままでいいのか?」
「ちょ…… それを言われると覚悟するしか無いっすね」
カイは覚悟をして生つばを飲み込む
周りが静かだから、ゴクリと部屋に響き渡る
それから右手に持った球体へ魔力を流し込み、砕く
「うわっ……これはっ……効きますね」
「どうした?」
「なんか、喪失感が凄いんっすよ。力が無くなったことを、過剰に感じるっす。出来れば二度目は無しでお願いしたいっす」
なるほど……メイがそうなったのも、それが原因か……
ちょっと恐ろしいな。
「まあ、2度目は無いから安心して。ステータス確認して、TPTどうなっているか教えてくれ」
「レベル5なんでTPTが4ですよね。戻ってます」
「よしじゃあ、スキル振りをやっておくか……」
それから、カイへスキルの振り方を伝授する。
このパーティでの1番の攻撃力を出せるだろう。手数より一撃が凄いタイプだな
「出来ました!」
「OK!これでカイは大丈夫だろう。明日は俺がこっちのチームに入ってアドバイスするよ」
「お願いシャッス!」
これでカイは問題ないだろう
メイとヒスイは……問題なさそうだが、一応声かけて確認するか
「メイは大丈夫か?」
「大丈夫……喪失感で寂しくて……辛かった……」
「もう大丈夫だよ。 じゃあ、スキル振りするか?」
「頑張る……」
それから、スキルの振り方を伝授する。
そうして、召喚に必要な詠唱を一緒に伝える。
詠唱が必要なのか?もちろんだ。このゲームではクールタイム(次使えるのに時間がかかる)ではなく、チャージタイム(使えるのに時間がかかる)だからな
「これで明日頑張ってみようか」
「暗記頑張る……」
「よし、じゃあ今日は遅くなったから今日はここまで! また明日な」
そう伝え、自室へ戻る。
現状を少し、確認してみよう。
現在ゴールデンウィーク終わって一日目……濃いな
今日やったことは、全員の悩み聞いて、鍛冶して、スキルリセットした。詰め込みすぎだろ……
明日から、やることは俺が新規加入組について、新しいスキルなんかの指導をしたい
けど、新規組からセシーリアたちの方へ一人行かせないと経験値がもったいない
やはり、そうなるとハルかなぁ……
それで一日やってから考えてみよう。
そこまで言うと、俺は横になり意識を手放した。
★
次の日の昼――
俺はパーティ変更のため、放課後、準備が出来次第チームハウスへ来るように連絡した
そして、全員にパーティ変更を伝え、各自ダンジョンへ向かった
「よし、じゃあ散歩キノコまで一気に行って、それから、ちゃんと練習しよう。」
「謎岩まで行かないの?」
「毒の回復手段がやっと値段下がってきたみたいだから、もうちょっとしたらかな」
そう、やっと解毒薬の元である毒草が余ってきて、値段がだいぶ落ちてきたから、落ちきるのを待っている
落ちきるか、俺たちが自力で入手するのか。どっちが早いかというだけなんだがな……
そんな感じで雑談なんかしていたら、3階層へ来ていた
「それじゃあ、これからは俺が盾をやるから、ヒスイは射線確保しながら攻撃。メイは俺の後ろで召喚してみよう。カイも新しいスキルの練習だ」
「俺は?」
「キルシュは採集頼んだ! けど、ヒスイの動きを見てよく学んでくれ」
そうしてすぐにエンカウント場所へ向かう
「散歩キノコは皆戦ったことあるからわかると思うけど、出すぎないこと!」
「わかったよー!」
「了解です!」
ちょうどカイの返事が聞こえた頃に、ガサガサと聞こえエンカウントする
「”挑発”! みんな戦闘準備!」
それぞれの位置に着いて戦闘準備が出来たことを確認する
そして、後ろのメイが詠唱を始める
「い、癒しを宿す小さき妖精よ——わ、わたしの声に……応えて。け、顕現して……力を貸して。“回復召喚”」
「キュイ…」
スムーズではなかったが、ちゃんと覚えてきていたみたい
無事にミニピクシーが召喚されて、メイの顔を近くを飛んでいる
ピクシーと名前が付くだけあって、キラキラしているから詳しくは見えてないんだけどね……
「よろしくね……キセロの回復お願い……」
「キュイ…」
「鳴き声が可愛くて、弓に集中出来ないんだけどー!」
「そこはしてくれ!?俺も基本避けてるけど、強い敵だと無理だからな!?」
ミニピクシーの鳴き声が可愛いのはゲームの時から知っていたが、まさかこんなデメリットが起きようとは……
まあ、慣れるまでの辛抱だな……
「そっちじゃない……あっち……。そっちでもない……」
「キュ……?」
ミニピクシーはウロウロしているが、わからなくなって困った声を出す
困った声が可愛く聞こえるのは重症だろう……
けど、メイと意思を疎通出来ているのは間違いないだろう。俺はそっと、右手と剣を掲げる
「腕上げてる人へ……お願い……」
「キュイ」
「そう。そっち」
指示を分かりやすくすることで、ミニピクシーも分かったようだ
少しすると、俺の肩に何かが触れたのを感じた
「チリン……」
あえて、減らしておいたHPが回復していく
「よしよし。偉いぞ」
俺はミニピクシーを褒めて、触れようとすると……
「ダメ!」
「キュイ!キュイ!」
普段では絶対に出さない大声をメイが出し、ミニピクシーが懸命に何かを訴えている
「どうした?」
「女の子……触っちゃヤ……」
何!?そんなことあるの!?
それは確かに怒られても仕方ないな……
今度から気を付けよう
「もう一度こっちに来ることは出来そうか?」
「キュイ!」
「今日は無理……」
マジか!?そんなことあるの?
次から本当に気を付けよう……
「じゃあ、こっちはー?」
ヒスイは目をキラキラさせてメイに聞いてみる
「キュ……」
「目が怖いからイヤ」
「なーんで……」
「崩れ落ちる前に攻撃してもらっていい!?」
ミニピクシー1匹にここまで、翻弄されるとおもってなかったよ……
可愛い系は避けた方が良かったかな……
スノーラビットなんて召喚出来るようになってしまったら、戦闘どころでは……そんな事態は避けたい
うーん困った……
毎度見ていただいてありがとうございます
もし良ければ感想など教えてください




