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サクリファイス学園 ー最底辺クラスの俺たちは"知識"で盤面を覆し、皆で昇格(プロモーション)するー  作者: 神楽坂遊月
サクリファイス学園入学

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鍛冶をやってみよう!

今まで言及していなかったけど、”シード組”に配られている初心者武器や防具は金属が一切使われていない

俺たちが使っていたのは木製だ。あえて2回言おう。木製だ

金属音が出ていた?ゲームのSEって変わらないだろ?つまりはそうだ。


「きたよ」


「よく来た!ゴールデンウィークで鍛冶の勉強してきたみたいだったが、そろそろいけそうか?」


「大丈夫。親父”鍛冶ドワーフ”」


”鍛冶ドワーフ”か!これはドワーフでないと就けないが突出して強いという訳ではない

どんな人でも就くことが出来る”鍛冶師”よりはまだ優秀って感じ

でもオルクス教官が親友って言っていたから優秀な技量を持っているんだろう


「よしじゃあ、まずインゴット作ろうぜ」


「インゴット……?」


ビーラントが首を傾げている。ショタが首を傾げているのは特定の層には刺さるんだろうが、俺には刺さらんぞ?

しかし、なぜ首を傾げているんだ?


「インゴット…… わかるよな?」


「親父。素材熱する。型に入れる。叩いて形成する。冷ます。終わり」


oh……それは確かに高品質なんて夢のまた夢だ。使っているスキルの数が少ない

なんなら低品質にならないだけ良いって感じかな……


「よし。これから俺の言うとおりに頑張ってみようぜ」


「今までの忘れる?」


「忘れない。使えるところは使う。今まで勉強したことに追加する」


今まで教わっていたのが、手抜き工事だったから手を加えるだけでちゃんと出来るようになる

悪意のない手抜きって恐ろしいね


「追加?」


「そう。だからまずインゴットを作ろう。インゴットは素材の純度を上げた塊だ」


「純度上げる?」


この世界で採掘出来る素材は、絶対に不純物が混じっている。コレクター職が高品質で採掘してきてもそうだ

例えば、くず鉄(高品質)だと、くず鉄の高品質という矛盾したものが採れた物の中に混じっているということだ


つまり、工程として正しいのは


くず鉄→加熱→精製→冷却(インゴット化)→加熱→叩いて形成→冷却→研磨


という長い長い工程を踏まなければいけない。

そして、必要なスキルは『加熱(低)』『精製(低)』『冷却(低)』『形成(低)』『研磨(低)』だ。

レベルが足りないとスキルとMPが足りず、まともな剣一本作れない。


「この工程は理解した?」


「とりあえず。やってみる」


それから、ビーラントは砂型を作成し、るつぼに入れたくず鉄5個を加熱し始める

固形が少しずつ液体へ変わっていき、不純物が表面に出てくる


「よし。この状態でスキルを使おう」


「”精製”」


スキルを使用すると表面に出ていた不純物が徐々に無くなる

くすんだ鉄の色がるつぼの中に残る


「ナイスだ。それを土型の中に入れよう」


「わかった」


ビーラントは慎重にるつぼから土型へ流し込んだ

すべてを注いだことを確認し少し息を吐く


「”冷却”」


土型へ入ったくず鉄が少しずつ固まっていく

加熱するときも徐々にだったが、これはスキルのレベルのせいだ

加熱し続ける間MPを消費するから、各工程ごとにMP回復薬を飲まないと追いつかない


「できた」


ビーラントはくず鉄のインゴットを手に取ると少し落ち着いたような安心したような顔をした

くず鉄5個を使ってできたくず鉄インゴット(小)だ

小だと短剣を作るので精一杯だけどな……


「よしこのまま短剣を作ってみようか」


「短剣?誰の?」


確かに、うち誰も短剣使わないわ……

斥候役も採集役もうちにはいないからな……

確かに誰かが使えるものを作るのがいいな


「じゃあもう一個インゴット作って片手剣作ろうか」


それから再度、インゴットを作成する

1回目より2回目の方が少しスムーズに作成していたよ

体験するって大事だよな


「できた。休む」


初めての体験でとても疲れたのだろう

15分くらい休憩しながら、剣を作る工程を再度確認する


「よし、やってみよう」


「頑張る」


鍛冶台の前に立つと真剣な表情へ変わる

インゴット2個を炉に入れ加熱を始める

ビーラントの熱を現したような赤さになると素早く取り出し金床へ取り出す


「”形成”……”形成”……」


スキルを使うことで一気に片手剣の形へ変わっていく

ビーラントの中で形が確定したのか、小さく息を吐く

MP回復薬を飲んで冷却へ移る


「”冷却”……”冷却”……」


連続でスキルを使い剣を冷却する。

冷却が終わった瞬間、剣全体が光ると柄がついた状態で顕現する


「よし。よく出来たな。最後の仕上げをしよう」


「”研磨”」


ビーラント作の初めての片手剣が出来た。

ビーラントは汗だくになっていたので、少し部屋を出て外の風に当たりへ行っている間に武器のステータスを確認してみる


くず鉄の片手剣 攻撃力:7 耐久度 30/30


上出来だ。ショッピングモールで売っているものだと攻撃力5で耐久度は20が平均だから初めて作ったビーラントには花丸をあげていいだろう

攻撃力がもう2大きかったら高品質だったな。けどそんなのもうちょっとレベル上がったら問題ないだろう

耐久度? 攻撃すると耐久度が減っていって0になると攻撃力が半減するんだよね。部屋にある回復機へ入れたら夜のうちに全回復するよ


「どう?」


ビーラントが心配そうに聞いてくる

俺は全力で褒めてあげたよ。顔を赤くして恥ずかしそうにしていたよ……ショタの赤面は俺には効果ないぞ

他のメンバーもいたら見てもらおうと思って部屋の外を見ると……


「まだ皆いたの……?」


「キセロと一緒にダンジョンへ行きたかったんですの!」


「さいですか…… まあいいや。全員これ見て!」


そう言ってビーラントが作った剣をテーブルの上に置く

皆興味津々で片手剣へ釘付けだった

武器って興味をそそられるよね。特にこんな世界だと


「良い剣だ。これはどうしたんだ?」


「ビーラントが初めて作った片手剣だ。これを作るためにくず鉄が10個とMP回復薬(微)が6本必要だったけどな……」


「そ……そんなに?」


エイルがめちゃめちゃ驚く。エイルがめっちゃ頑張って作ったものがそんなに消費されると驚くよな……

けどレベルが全然足りてないから仕方ないよね……


「レベルが足りてないから仕方ない。そういえば、エイルはレベルいくつになった?」


「じゅ……17」


「17!?意外と行ってるな。スキルは?」


「キ……キセロに言われてないから何もしてない」


マジで!?実は皆俺の指示待ちだったりする?聞いてみようか……

いや、エイル以外には指示していたわ……


「エイルの今のスキル構成、分解(低)、抽出(低)、再構築(低)だっけ?」


「う……うん。しかもレベル1」


レベル1!あれから全く上げてなかったの!?その状態でちょいちょい高品質作ってたの!?

エイル凄すぎだろ……


「マジか……だったらSPTを7ポイントMPへ4ポイントを器用さへ。スキルのレベルを3まで上げよう」


「わ……わかった」


スキルを使うのにMPが必要で、成功率を上げるために器用さが必要だからな

しかし、俺の指示待ちである意味良かったかも。必要のないスキルを取ったりはほぼ出来ないからな


「よし。これでエイルの1日の生産量も上がるだろう。俺たちも、もっと採集とか頑張らないとな」


「キセロ、私ももうレベル14になる。キセロとセシーは17だ。どのタイミングでボスを攻略するんだ?」


「簡単だ。準備が出来たら……だが、詳細に言うと、全員の武器をアップデートする。4人のレベルが15を超える。だな」


初心者ダンジョンのボスは複数体いるから全員のレベルが必要になる

また、初心者用武器のままではレベル20は必要だった

けど本来ゲームだったら夜時間に指示を出す必要があったのに、今は個人で考えてやってくれるからな


「なるほど……それは防具もか?」


「防具に関しては、この2人だけでは作り切れないからまた今度だな。カリーとセシーリアは防具に金属使うより皮とかの方が動きやすいだろうし」


「それは確かにな……その人材もチームに入れるのか?」


「いずれな……今は候補が誰もいないけど」


正直今仲間に入れてもどうしようもないんだよな……

現在チームハウスが3LDKなんだが、3部屋とも埋まっている

エイルの薬部屋と、ビーラントの鍛冶工房、そして素材倉庫だな


これから大きくするならチームのランクを上げるしかないが、まだクリア出来ないんだよね

転職しないとチームランクをポーンからナイトへ上がる試験を受けても負けて終わるからな

色々と悩みの種は尽きないよ……


「ダンジョンへ行ってレベル上げたら全部解決ですの!」


「まあ、そうなんだけど……」


「うちもぉ早くぅダンジョン行きたぁい」


このダンジョン大好きお嬢様と戦闘狂は……

言っていることは間違いないんだけどね。

じゃあ、ダンジョン行きますか!


「OK!じゃあダンジョンへ行こう!チームについては、しばらくは今から言う通りな」


1チーム目 キセロ・セシーリア・リンドウ・カリー サブにエイル・ビーラント

2チーム目 ヒスイ・メイ・ハル・カイ サブにキルシュ


2チーム目には3階層までを往復してくるように伝えて、俺たちはダンジョンへ向かった。

そういえば、あれドロップすること皆に言ってないけど大丈夫だよね……

毎度見ていただいてありがとうございます

もし良ければ感想など教えてください

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