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9/10

竜がいた。解せぬ。

 そう……初めてこの世界に来た……あの時は。


◇

◇

◇


——ガチャッ


 両開きの木製扉が開くと、薄暗い空間に慣れて開いた瞳孔に一筋の光が差し込む。


「行け!」


 聞き慣れぬ声と同時に背中を押され、よろめきながら前に出る。


——ワアアアアアアア


 音とは振動であると科学の授業で習ったが、実際に体が震えるほどの大歓声は初めての経験だ。


 老若男女が声帯をはち切れんばかりに震わせて発する爆音が、一斉に頭上から降ってくる。


 ……。


「は?」


 先ほどまでクソ男を殴ろうとしていた私の目の前には――


「グオオオオオ!」


 ……。


 竜がいた。


 解せぬ。


——グシャ……



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