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竜がいた。解せぬ。
そう……初めてこの世界に来た……あの時は。
◇
◇
◇
——ガチャッ
両開きの木製扉が開くと、薄暗い空間に慣れて開いた瞳孔に一筋の光が差し込む。
「行け!」
聞き慣れぬ声と同時に背中を押され、よろめきながら前に出る。
——ワアアアアアアア
音とは振動であると科学の授業で習ったが、実際に体が震えるほどの大歓声は初めての経験だ。
老若男女が声帯をはち切れんばかりに震わせて発する爆音が、一斉に頭上から降ってくる。
……。
「は?」
先ほどまでクソ男を殴ろうとしていた私の目の前には――
「グオオオオオ!」
……。
竜がいた。
解せぬ。
——グシャ……




